Cozre Report
調査レポート

『わが社の企業イメージは?』~粉ミルク業界から見る競合他社と比較した企業イメージの重要性~


【はじめに】

「ヒガシマル」の醤油を買いにスーパーマーケットに行くと「ヤマサ」や「ヒゲタ」、「正田」等多くのブランドを目にし、思い悩み、最終的に有名で信頼感がありそうな「キッコーマン」の醤油に手を伸ばしてしまうことがある。「ヤマサ」や「ヒゲタ」の醤油も、有名で信頼感がありそうなイメージがあるが、多くのブランドを目にすると自然と他社の醤油と比較してしまい、やはり有名で安心、信頼感があり安全なのは「キッコーマン」だなと思いその購入に至ることがある。

さて、多くの消費者は購入しようと考える商品・サービスを生み出す企業のイメージを何らか有しているだろう。ここで重要なのは、各社単独のイメージではないということである。上述したように、たとえば醤油を買いに行くと、多くの他ブランド醤油と比較検討することになる。

つまり、競合他社との「イメージ」の戦いが生じることになり、そこで勝ち抜かなくてはならないのである。某市場に1つの製品しか存在しなれば1社単独のイメージが重要になるが、競合の存在しない市場は少ない。醤油市場同様、多くの製品・サービスは競合が存在し、メーカー側のマーケターからすると、数多くの競合企業とのイメージ争いに勝たなければならず、重要なのは、競合他社と比較したときの自社イメージなのである。

 

【調査】

弊社コズレ子育てマーケティング研究所では、2018年1月4日(木)から1月12日(金)にかけて、「育粉(粉ミルク)市場」の現状についてインターネットを用いたアンケート調査を行った。

調査対象は、主に妊娠1ヶ月から1歳6か月のお子様を持つママパパ(1歳6か月以上のお子様を持つママパパも若干名含む)5,079名で、育粉(粉ミルク)市場で製品を出荷している主な企業6社(アイクレオ、明治、森永乳業、雪印ビーンスターク、雪印メグミルク、和光堂 ※50音順)の各企業イメージ、各社が販売している製品ブランドの認知等を質問した。

 

【分析と結果考察】

ここでは、1つ興味深い分析結果を紹介したい。

 

我々が関心あるのは、育粉(粉ミルク)市場で製品を出荷している主な企業6社の各社単独での企業イメージではない。市場内に6社が存在する中での(=相互にイメージの影響を受ける中での)各社の企業イメージである。つまり、競合他社と比較したときの自社イメージである。このことを知るためにコレスポンデンス分析を試みた。

まず、表1をご覧頂きたい。表1は各社単独での企業イメージであり、各社ごとに被験者が持つ認知イメージを上位から並べたものである。

明治、森永乳業は同様に「信頼できる」「親しみやすい」「安全である」が上位3つを占めている。和光堂は「信頼できる」「赤ちゃんのことを考えている」「親しみやすい」、雪印ビーンスタークは「信頼できる」「赤ちゃんのことを考えている」「安全である」、雪印メグミルクは「親しみやすい」「信頼できる」「安全である」、アイクレオは「信頼できる」「赤ちゃんのことを考えている」「安全である」が上位3つを占めている。

各社似通ったイメージが並んでいる印象である。

 

表1 各社の企業イメージ

あいうえお純

 

次に、図1をご覧頂きたい。図1はコレスポンデンス分析の結果であり、市場内に6社が存在する中での(=相互にイメージの影響を受ける中での)各社の企業イメージである。

つまり、競合他社と比較したときの自社イメージである。コレスポンデンス分析の結果は、似た反応を示すもの同士が、近辺に分布されると言われている。A社とB社は非常に近くに分布されており、両社のイメージは「信頼できる」「品質が良い」「親しみやすい」で似通ったイメージを被験者に持たれているようだ。一方、C社は「価格がリーズナブルである(=手ごろ価格)」「シンプルである」、F社は、「都会的である」「洗練されている」「先進性がある」「個性的である」と、6社の中では独自性をもって被験者にイメージされているようだ。

 

図1 コレスポンデンス分析

ミルク

 

まとめ

本調査結果から、育粉(粉ミルク)市場に6社が存在する中での(=相互にイメージの影響を受ける中での)各社の企業イメージがわかった。

A社とB社は非常に似通ったイメージを消費者に持たれているのに対し、C社やF社はA社、B社とは差別化されたイメージをもって消費者に認識されている可能性が高い。

このような結果は、メーカーのマーケターや小売業者に対しても大きな示唆がある。たとえば、メーカーには歴史上多くの製品・サービスを世に出すことで培われてきた企業イメージが存在し、それは消費者の頭の中にも存在する。

また、マーケティング戦略上、市場内シェアがトップの企業は、信頼性や安全性といったイメージを消費者に抱かせる方が良いかもしれない一方、ニッチに根差した企業や市場内シェアの低い企業は独自性を持ったイメージ戦略が重要になるかもしれない。ここで重要なのは、各社単独でのイメージではなく、競合企業の企業イメージをも考慮した状況での自社イメージの構築である。

メーカーや小売業者の多くは、果たして戦うべく市場内における競合他社の認知イメージをも考慮して自社の認知イメージを構築しているだろうか。消費者がどのように自社を認知しているか理解しているだろうか。より適切なマーケティング・マネジメントを行うためにも再度見直してみてはいかがだろうか。

 

以上、自社や自社製品・サービスが、どのように認知されているのかを知りたい方、そもそもどのように消費者に認知させるべきなのか、もしくはプロモーション策を立てる必要があるのか等でお悩みの方は、ぜひともコズレ子育てマーケティング研究所にご連絡ください。新たな視点をご提供させていただきます。

また、A社~F社の具体的企業名など、本調査の詳細レポート等はお気軽にお問い合わせください。

(コズレ子育てマーケティング研究所 飯野)

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