Cozre Report
調査レポート

ロボット掃除機を使用しないのは何故?~自由記述回答の分析から見える心理~


【はじめに】
 2018年7月20日に厚生労働省より公表された「平成29年国民生活基礎調査」によると、児童のいる世帯における母の仕事の状況は「仕事あり」の割合が70%を超え上昇傾向にある。働く母が増える一方で気になるのが、働く母の家事負担だ。内閣府の調査によれば、2011年から2016年の5年間で、母親の育児時間を除く家事関連時間は、わずか15分しか短縮されていない。そのような状況の中、働く母の救世主となりえるのが「時短家電」である。時短家電には、その工程や要す時間を短縮してくれるものだけでなく、従来は人間が行っていた家事労働そのものを代替することで新しい時間を生み出してくれるものさえある。そんな時短家電の一つが「ロボット掃除機」である。

【調査】
 ところで、弊社コズレ子育てマーケティング研究所が独自に行った調査によると、ロボット掃除機を発売する代表的企業であるA社の製品認知率は95.85%と非常に高いのに対し、その製品所有率は11.12%と極めて低くなっている。子育て世帯が「時短家電」たとえばロボット掃除機を使用しない(所有しない)理由はどこにあるのだろうか。

 そのような子育て世帯のロボット掃除機使用に対する障壁を可視化するため、我々は2018年6月27日(水)から6月29日(金)にかけて、子育て層のロボット掃除機使用に関する実態調査をインターネット上で行った。調査対象は子どものいる男女1801名で、「ご存知のロボット掃除機を教えてください」、「A社のロボット掃除機を持っていますか」等について質問をした。

【分析と結果考察】
 まず、A社のロボット掃除機を所有していないと答えた被験者の未所有理由についての結果が図表1である。

 

図表1  A社ロボット掃除機未所有の理由(複数回答)【n=1532】
図表1
単位;%

 

 それによると「価格が高いから」が58.09%でもっとも多く、ついで「家が狭いから」が20.37%、「本当にきれいになるのか不安だから」が18.8%と続く。この結果だけを見ると、未所有者の所有障壁は価格となり、子育て層へのマーケティング施策として価格に関するキャンペーン等が有効との結論になる。

 次に、「お子さまとの生活の中で、ロボット掃除機を使用することにおける心配なことを教えてください」と対子ども軸での未所有者の課題を自由記述形式で質問したところ、上記の定量調査とは別の課題が可視化できた。まず、全被験者の記述内容のうち、出現頻度の高い単語を見出す作業を行った。結果、対子ども軸ではない用語(2階建てだから、賃貸だから等)を除けば(注;「価格」は前問で最多理由であったため入れている)、「故障」、「怪我」、「清掃力」、「散らかり」、「衛生面」、「音」に関連する記述が多かった(図表2参照)。

 

図表2 自由記述テキストの分類画像【n=1532】
図表2
注;上記関連する用語の記述がある場合に「1」を記入した

 

 出現頻度の高い単語に絞り分析した結果、ロボット掃除機未所有者は、「怪我」(43.08%)、「故障」(23.76%)、「清掃力」(11.42%)、「衛生面」(9.79%)の順で、ロボット掃除機の利用に関して不安を抱えているということがわかった。さらに、末子の子どもの年齢が「妊娠期」、「0歳」、「1歳以上」のロボット掃除機未所有者で、それぞれ異なるのか知るためにクロス集計を行った(図表3参照)。結果、順位には変化がなかったが、それぞれの項目の差には変化が見られた。具体的には、全体に比べ、妊娠期では「怪我」に対する不安が大きく(45.15%)、0歳では「衛生面」に対する不安が大きく(12.44%)、1歳以上では「故障」に対する不安が大きい(29.60%)ことがわかった。

図表3 ロボット掃除機利用時の心配事(自由記述)【n=1532】
図表3

単位;上段が人数、下段が%

 具体的な回答内容としては、例えば、妊娠期には、まだ思うように動けない我が子がロボット掃除機と接触することを恐れている、といった内容が見られた。また、0歳期には、はいはいの際に排気を吸うこと、ロボット掃除機をなめてしまうことを恐れている、といった内容が見られた。続く1歳期には子どものイタズラによるロボット掃除機の破損を心配している、といった内容が見られた。

 つまり、認知はしているがロボット掃除機未所有者の心の障壁は子どもの年齢ごとに重視する点が変化しており、セグメントごとに深堀することで潜在顧客の課題に響くメッセージングが可能となるだろう。

 弊社コズレ子育てマーケティング研究所ではインターネット調査における自由記述等を有効に読み解くことで、潜在顧客が抱える課題を可視化することができる。加えて、課題設定からセグメントを限定した広告メニュー等までワンストップで課題解決することができるマーケティングプランを用意しているので、是非ご検討していただきたい。

(コズレ子育てマーケティング研究所 後藤、飯野)

 
問い合わせフォーム