Cozre Report
調査レポート

『男の子を持つママに聞いた、子ども(男の子)に習わせたいスポーツは?』~好きだったあの人がやっていたスポーツではなく、夫がやっていたスポーツ?~


【はじめに】
体操クラブ、習字、公文式、絵画、英会話、水泳等。私が幼少期に習っていた、いや、習わされていたものである。どれか1つでも身についたものがあるかと聞かれれば、自信をもって「無い」と答えることができるが、自分にとっての向き不向きを幼いころから知りえたことは親に感謝している。さて、直近行われたある調査によると、子どもに習わせたい習い事ランキングで堂々1位になったのは「プログラミング」らしい。あいにく今から30年以上前の私の幼少期には、そのような習い事は聞いたこともなかったが、これも時代の変化と言えようか。

ところが、どれほど時代が変化しようと「スポーツ」に関しては、その競技内容に大きな違いは無いように思える。近年目新しいものとしては「ダンス」くらいなものだろう。私自身、幼少期に体操や水泳等のスポーツ教室に通っていたが、思い返してみても、なぜこのような競技を習いに行っていたのかわからない。幼いながら体操教室や水泳に自分から行きたいと言ったと親から聞いた覚えも無いので、おそらく親が選択し通うことになったのだろう。

もし、多くの子育て家庭において、私同様、親が幼少の子どものスポーツに関する習い事を決めるとしたら、その理由はいったい何が考えられるのだろうか。単に親が観戦するのが好きなスポーツだからか、親自身がやっていたスポーツだからか、それとも、、、

季節はまさにスポーツの秋になりつつあるが、本レポートでは「親(*ママにターゲットを絞る)が幼少の子どものスポーツに関する習い事をいかなる理由で決めるのか」を明らかにしたい。

そこで、本レポートでは「子どもに習わせたいスポーツ」に関し調査を行った。

【調査】
弊社コズレ子育てマーケティング研究所では、2018年7月24日(火)から2018年7月26日(木)にかけて、子どもに習わせたいスポーツに関するアンケート調査をインターネット上で行った。調査対象は末子のお子さんの年齢が0歳~2歳のママで、「就学以降、最もお子様(末子:1人の場合はそのお子様)に習わせたいスポーツは何ですか」等について質問をした。有効回答者数は1968名であった。

【分析と結果考察】
本レポートでは、「末子に男の子を持つママ(n=1,055)」にターゲットを絞り分析した結果を記す。まず第1に、「就学以降、最もお子様(末子:1人の場合はそのお子様)に習わせたいスポーツは何ですか」という質問をし、1つだけ選択して頂いた。結果、水泳が最も多く(29.57%)、次いでサッカー(13.36%)、野球(12.61%)と続く(図1参照)。水泳は子どもの体を強くするイメージがあり、また費用も他競技に比べそれほどかからないため、他に比べ圧倒的に多くなるのも理解できる。同様にサッカー、野球が比較的上位になるのもイメージできよう。

図1 子ども(男の子)に習わせたい「スポーツ」
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単位;%

ところで私の関心は、子どもに習わせたいスポーツとしてママが思い浮かべる、その心の奥に隠された理由である。ここに私は2つの仮説を立てた。1つ目は、子どもの父親(ママからみて夫、パパ)が学生時代に、最も注力して取り組んでいたスポーツであること、2つ目は、学生時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツであることだ。そこで第2に、「あなたのお子様の父親が学生時代(中学・高校でのクラブ活動、部活動など)に、最も注力して取り組んでいたスポーツは何ですか」という質問をし、1つだけ選択して頂いた。結果、野球が最も多く(18.96%)、次いでサッカー(16.11%)、バスケットボール(11.47%)と続く(図2参照)。アラフォーの私が学生時代を思い返してみても、野球、サッカー、バスケットボールは非常に人気が高く、この結果は容易に受け入れることができる。

図2 子ども(男の子)の父親が、学生時代(中学・高校)に最も注力して取り組んでいた「スポーツ」
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第3に、「中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人もしくは憧れの人が取り組んでいたスポーツは何ですか」という質問をし、1つだけ選択して頂いた。結果、サッカーが最も多く(29.19%)、次いで野球(22.09%)、バスケットボール(17.25%)と続く(図3参照)。前問のお子様の父親が学生時代に、最も注力して取り組んでいたスポーツの結果と若干の順位の変動こそあれ大差はない。再び私事で恐縮だが、学生時代を振り返ると、たしかに野球部、サッカー部、バスケットボール部の友人はモテたし、憧れている女生徒も多かった。彼女たちは、いざ自分が子どもを持つと、当時の思い出を振り返り同様のスポーツを子どもにやらせたいと思っても何ら不思議ではない。

図3 中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいた「スポーツ」
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さて、ここからが本レポートのクライマックスであるが、上記第1に質問した「子どもに習わせたいスポーツ」と第2に質問した「子どもの父親が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」とが同じであった各競技の回答者数とその割合を図4の真ん中の列に、また、上記第1に質問した「子どもに習わせたいスポーツ」と第3に質問した「中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツ」とが同じであった各競技の回答者数とその割合を図4の右の列に記した。たとえば野球であれば、「子どもに習わせたいスポーツ」として回答したママは133人(12.61%)で、「子どもに習わせたいスポーツ」と「子どもの父親が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」が一致したのが77人(57.89%)、「子どもに習わせたいスポーツ」と「中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツ」が一致したのが65人(48.87%)である(図4参照)。ポイントは、「子どもに習わせたいスポーツ」と「子どもの父親が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」の一致率と、「子どもに習わせたいスポーツ」と「中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツ」の一致率のどちらが高いかである。

図4 結果概要(まとめ)
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各列 左;人数、右;割合(%)

図4の真ん中の列にある「子どもに習わせたいスポーツ」と「子どもの父親が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」の一致率を抜き出して横棒グラフに表現したのが図5である。面白いことに、子どもに習わせたいスポーツとして「卓球」と回答した6人は6人とも(100%)子どもの父親が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツが同様に「卓球」であり、次いで子どもに習わせたいスポーツとして「バレーボール」と回答した17人はそのうち12人(70.59%)が子どもの父親が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツが同様に「バレーボール」であった。「子どもに習わせたいスポーツ」として上位にあがった水泳(7.37%)、サッカー(48.23%)、野球(57.89%)は、いずれも父親が注力していたという理由から必ずしも子どもに習わせたいという理由ではないようだ(図5参照)。

図5
「子ども(男の子)に習わせたいスポーツ」と「子どもの父親が、学生時代(中学・高校)に最も注力して取り組んでいたスポーツ」とが同じ割合
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単位;%

図4の右の列にある「子どもに習わせたいスポーツ」と「中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツ」の一致率を抜き出して横棒グラフに表現したのが図6である。面白いことに、子どもに習わせたいスポーツとして「野球」と回答した133人のうち65人(48.87%)が中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツが同様に「野球」であり、次いで子どもに習わせたいスポーツとして「サッカー」と回答した141人のうち67人(47.52%)が中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツが同様に「サッカー」であった。「バスケットボール」も子どもに習わせたいスポーツとして71人のうち32人(45.07%)が中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツが同様に「バスケットボール」と回答した。読者の皆様も容易に想像できると思うが、野球、サッカー、バスケットボールは、他競技に比べママが子どもに習わせたいと思う理由は、若かりし頃好きであった人や憧れの人が取り組んでいたスポーツであることに少なからず起因しているようだ。

図6
「子ども(男の子)に習わせたいスポーツ」と「中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツ」とが同じ割合
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単位;%

最後に、「子どもに習わせたいスポーツ」は「子どもの父親が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」と「中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツ」のいずれの要因が大きいのかを検証するため、図4の真ん中の列と右列の割合の平均値の差の検定を行った。結果、「子どもに習わせたいスポーツ」と「子どもの父親が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」の一致率は30.92%、一方、「子どもに習わせたいスポーツ」と「中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツ」の一致率は16.42%(t=1.794, df=34, p <.1)と、5%で有意なほどではないが、「子どもに習わせたいスポーツ」としては、その理由として「中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツ」だからというよりも、「子どもの父親が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」だからということのほうが影響を与えているようだ。

【まとめ】
本レポートでは「親(*ママにターゲットを絞る)が幼少の子ども(男の子)のスポーツに関する習い事をいかなる理由で決めるのか」を明らかにすべく、その理由として2つの仮説(①子どもの父親が学生時代に、最も注力して取り組んでいたスポーツである、②学生時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツである)をたて、そのどちらが強く影響を与えるのかを探る調査を行った。結果、「子ども(男の子)に習わせたいスポーツ」としては、その理由として「中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツ」だからというよりも、「子どもの父親が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」だからということのほうが強く影響を及ぼしているようである。

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(コズレ子育てマーケティング研究所 飯野)

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