1.はじめに
「習い事をいつから始めるか」、「どんな習い事をするか迷う」、「子どもの興味を伸ばしたい」など、ママパパの中には子どもの習い事について迷っている方もいらっしゃると思います。子どもの将来を考えた時にできるだけベストな選択をしてあげたいですよね。そこでコズレでは、「子どもにどのような習い事をさせたいか」、「人気の習い事の男女差」、「習い事にかける月額」、「世帯年収と習い事の関連性」、「習い事のメリット・デメリット」などを明らかにするために調査を行いました。本レポートでは、子どもの習い事の実態調査をご報告いたします。
2.調査
調査主体 :弊社コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法 :インターネットリサーチ
調査対象 :妊娠中または子どもがいるママパパ
調査期間 :2020年1月6日(月)~2020年2月4日(火)
有効回答者数 :2775名
3.トピック
・9割以上のママパパが子どもに習い事をさせている・させたいと考えている
・未就学期では習い事をしているのは少数派。6歳以上では60.4%に
・習い事をさせたい人の割合は、世帯年収に比例
・すでにしている習い事ランキング 1位:水泳、2位:英語・英会話、3位:通信講座
・子どもにさせたいスポーツの習い事 1位:水泳、2位:ダンス、3位:体操
・子どもにさせたいスポーツ以外の習い事 1位:英語・英会話、2位:ピアノ、3位:習字
・習い事にかけてもよいと思う月額と世帯年収は比例する
・習い事にかけてもよいと思う月額は、「月額5000円~1万円未満」が全国的に最多
・世帯年収と英語やプログラミングを習わせたいと思う人の割合が比例
・幼保無償化の影響を受けて習い事への意欲・関心が高まった人は22.7%
・子どもが習い事をするメリット 1位:興味・関心が広がる、2位:将来の役に立つ、3位:自信がつく
・子どもが習い事をするデメリット 1位:お金がかかる、2位:子どもの遊ぶ時間・自由時間が減る、3位:送り迎えが大変
4.結果・考察
9割以上のママパパが子どもに習い事をさせている・させたいと考えている
ママパパに「子どもに習い事をさせたいと思うか」をうかがったところ、 すでに子どもを出産している人は「すでにしている」13.4%、「させたいと思う」81.4%、「させたいと思わない」5.2%という結果になりました(図1)。第一子を妊娠中の人は「させたいと思う」95.5%に(図2)。9割以上のママパパが子どもの習い事に肯定的であるということが分かりました。
未就学期では習い事をしているのは少数派。6歳以上では60.4%に
子どもの年齢別に、習い事をすでにしている人の割合を見てみると、年齢が上がるにつれ習い事をする割合が高くなっています(図3)。子どもが3歳~5歳では28.0%ですが、6歳以上では60.4%に。年長にあたる年齢や小学校にあがるタイミングで習い事を始める人の割合が高いことが分かります。
習い事をさせたい人の割合は、世帯年収に比例
世帯年収別に見てみると、わずかな差ではありますが、世帯年収が上がるほど習い事への興味・関心が高くなることが分かります(図4)。
なお、すでに習い事をしている人が習い事にかけている月額は、0歳(0ヶ月~5ヶ月)と1歳では「1000円~3000円未満」が最多。0歳(6ヶ月~11ヶ月)では「1000円~3000円未満」と「5000円~1万円未満」が同率。2歳以上では「5000円~1万円未満」の割合が最多となっています(図5)。
すでにしている習い事ランキング 1位:水泳、2位:英語・英会話、3位:通信講座
子どもがすでに習い事をしている人(n=244/複数回答可)にどのような習い事をしているかを質問したところ、1位「水泳」、2位「英語・英会話」、3位「通信講座」という結果になりました。
【すでにしている習い事】
第1位:水泳・・・32.4%
第2位:英語・英会話・・・22.5%
第3位:通信講座(こどもチャレンジなど)・・・20.1%
第4位:塾(公文、知育、受験対策系など)・・・16.0%
第5位:ピアノ・・・10.2%
子どもにさせたいスポーツの習い事 1位:水泳、2位:ダンス、3位:体操
子どもにさせたいスポーツの習い事ランキングで1位は「水泳」59.2%、2位「ダンス」25.4%、3位「体操」19.1%という結果になりました(図6)。「水泳」は男の子・女の子共に1位でしたが、男の子の2位は「サッカー」・3位は「武道」、女の子の2位は「ダンス」・3位は「体操」と男女差がありました。
そのうち、一番力を入れてほしいと思う習い事も聞いてみたところ、女の子はランキング順でしたが、男の子は1位「水泳」、2位「武道」、3位「サッカー」と2位・3位が逆転。それぞれの習い事に対して一番力を入れてほしい理由をうかがったところ、下記のようなコメントが多く寄せられました。
水泳:「基礎体力がつきそうだから」、「いざという時に泳げると安心だから」
武道:「体力・礼儀が身につくから」、「自分の身を守れるように」
サッカー:「自分・パートナーがやっていたから」、「自分・パートナーがサッカー好きだから」
ダンス:「リズム感・身体の使い方・表現力を鍛えられるから」、「チームで頑張るものだから」
体操:「身体の柔軟性が高まりそうだから」、「体の基礎ができ運動能力が高まりそうだから」
子どもにさせたいスポーツ以外の習い事 1位:英語・英会話、2位:ピアノ、3位:習字
子どもにさせたいスポーツ以外の習い事ランキングで1位は「英語・英会話」、2位は「ピアノ」、3位は「習字」となりました(図7)。男の子は1位「英語・英会話」・2位「習字」・3位「ピアノ」でしたが、女の子は1位「ピアノ」・2位「英語・英会話」・3位「習字」と順位に差異がありました。
一番力を入れてほしいと思うスポーツ以外の習い事も聞いてみたところ、男の子・女の子ともにランキングと同じ順番でした。それぞれの習い事に対して一番力を入れてほしい理由をうかがったところ、下記のようなコメントが多く寄せられました。
英語・英会話:「将来に役立つから」、「子どもの頃から始めた方がよさそうだから」
ピアノ:「手先が器用になりそうだから」、「リズム感が身につくから」、「脳の発達に良さそうだから」
習字:「字は綺麗な方が良いと思うから」、「集中力がつきそうだから」
習い事にかけてもよいと思う月額と世帯年収は比例する
すでにしている習い事も含め、習い事にかけてもよいと思う月額を聞いたところ、「5000円~1万円未満」の回答割合が一番高くなりましたが、世帯年収ごとに見ると、世帯年収が高いほど習い事にかけてもよいと思う月額が高くなり、比例する結果となりました(図8)。
習い事にかけてもよいと思う月額は、「月額5000円~1万円未満」が全国的に最多
地域別で見ても、どのエリアも一番多い割合は「月額5000円~1万円未満」でした(図9)。北海道のエリアでは、「月額5000円~1万円未満」と回答した方が5割以上に。
世帯年収と英語やプログラミングを習わせたいと思う人の割合が比例
2020年度より小学校で始まる英語とプログラミングを、子どもに習わせたいと思うかどうかを尋ねたところ、「英語を習わせたいと思う」が62.2%だったのに対し、「プログラミングを習わせたいと思う」は23.3%と差がある結果となりました(図10)。男の子と女の子でもわずかながら差が出て、英語を習わせたいと思うのは女の子のママパパの割合が高く、プログラミングを習わせたいと思うのは男の子のママパパの割合が高くなりました。
また、世帯年収が上がるにつれ、子どもに「英語やプログラミングを習わせたい」と思う人の割合が高くなるということが明らかになりました(図11)。ただ、「プログラミングを習わせたいと思わない」と回答した方の割合は世帯年収が上がると共に高くなる傾向に。世帯年収の高いママパパは、「分からない」と回答した方の割合が少なく、「習わせたい」か「習わせたくない」かの意思を持っている方が多いと言えそうです。
幼保無償化の影響を受けて習い事への意欲・関心が高まった人は22.7%
幼保無償化の影響を受けて習い事への意欲・関心が高まったかどうかを尋ねたところ、「意欲・関心が高まった」という人は22.7%でした(図12)。2019年11月にコズレで調査した「増税とキャッシュレスに関する調査」で、幼保無償化の対象者で子育てに関する費用が減った方に使い道をうかがったところ、「習い事・教育費」と回答した方が28.4%でした。これらの結果から、約2~3割の方が幼保無償化に伴い習い事への興味・関心が高まったということが言えます。
子どもが習い事をするメリット 1位:興味・関心が広がる、2位:将来の役に立つ、3位:自信がつく
子どもが習い事をするメリットとしては、1位「興味・関心が広がる」83.5%、2位「将来の役に立つ」67.5%、3位「自信がつく」61.4%という結果になりました(図13)。例えば、教育関連企業などではサービス提供時にこのような観点から子どもと親に関わり、教材などを企画・制作する際にもこういった観点を踏まえるとより満足度の向上につながると思われます。
子どもが習い事をするデメリット 1位:お金がかかる、2位:子どもの遊ぶ時間・自由時間が減る、3位:送り迎えが大変
子どもが習い事をするデメリットをうかがったところ、1位「お金がかかる」78.7%、2位「子どもの遊ぶ時間・自由時間が減る」55.6%、3位「送り迎えが大変」52.0%となりました(図14)。最近、幼稚園・保育園・小学校・学童などに習い事へ行くための送迎バスが来るサービスも増えてきています。共働き世帯の増加や子どもの安全のためにも、そういった習い事への送迎サービスへのニーズは今後より高まるのではないかと思われます。
今回は、子どもの習い事に関して、スポーツとスポーツ以外の習い事に分けて調査を実施しました。また、2020年度より小学校で始まる英語とプログラミングの授業に関しても、現状、ママパパの関心が明らかになりました。今後も、コズレは「子育ての喜びをもっと大きく!」という想いをもって子育て世帯への情報発信を行なってまいります。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。 (コズレ子育てマーケティング研究所 増田)
【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。
出典:「子どもの習い事に関する調査(株式会社コズレ)」 http://www.cozre.co.jp/blog/3161/
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)