調査レポート

子育て世帯における「リノベーション」市場調査 2025 (認知・関心・住まいの課題・関連企業の認知度等)

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1. はじめに

リノベーションを含む住宅市場は、コロナ禍を契機に注目が高まった分野である。現在、新築住宅の着工戸数は減少傾向にあり、住宅市場の構造は「新築=フロー型」から「既存住宅=ストック型」へと移行している。既存住宅の多くは築30年、40年を超えており、改修・再生の必要性が高まっている。このため、政府も既存住宅やリフォーム市場の活性化を政策として打ち出しており、制度面からの後押しも進んでいる。子育て世帯においては、出産や子どもの成長の節目(第一子誕生、入園、小学校入学など)を機に「住み替え」や「家の改修」を検討する家庭も多く、リノベーションへの関心が高まる機会となっている。
本レポートでは、2025年10月に実施した『子育て世帯における「リノベーション」市場調査 2025』の結果を基に、現在の住まいやその課題、リノベーションの認知度、関心の有無とその理由等について分析を行った。

本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

2. 調査概要

調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:妊娠中及び生後0歳以上の子を持つコズレ会員
調査期間:2025年10月3日(金)〜2025年10月15日(水)
有効回答数:572名

3. 結果・考察

リノベーションという言葉の認知は9割を超える

「リノベーション」という言葉の認知度は9割以上に達している。「意味がよく分からない」と回答した層はわずか5%にとどまっており、言葉そのものはターゲット層に広く浸透し、その意味も概ね理解されていると考えられる。

 

認知経路はテレビが多数を占める

リノベーションを知ったきっかけとして最も多かったのは「テレビ」で、7割近くを占めた。次いで「SNSなどインターネット」が約2割となっている。マスメディアにより認知が広げられているのは明らかである。

 

高い認知度に反し、具体的な検討の対象には至っていない

「リノベーション」という言葉の認知度は極めて高いが、住まい選びにおける具体的な選択肢としては、優先度は低いのが現状である。住まい選びで「新築戸建て」を検討したいと回答した層が7割を超える一方で、「リノベーション」を検討した層は約15%にとどまった。この大きなギャップは、認知がまだ具体的な検討フェーズにまで至っていないことを示している。

リノベーションへの関心と、検討を阻む障壁

高い認知度が検討に結びつかない背景には、子育て世帯が抱える期待と不安が存在する。ここでは、リノベーションへの関心の源泉と、その検討を妨げる心理的障壁を分析する。

リノベーションに関心を持つ理由のトップは、「新築よりも価格が抑えられる」ことで、約8割が回答した。しかしその一方で、不安や懸念に感じることとして「費用」と「業者・会社選び」を挙げた層がそれぞれ約半数にのぼった。価格面への期待と不安が表裏一体となっており、最終的な費用の見通しが立てづらいことが、検討を阻む最大の要因と考えられる。

 

住まいの現状には課題を感じている層が多数

現在の住まいに満足している世帯は約3割にとどまり、多くの家庭が何らかの課題を感じていることが調査で明らかになった。具体的には、約4割が「家の広さ」、約3割が「間取り」を課題として挙げている。
妊娠や出産を契機に、世帯構成や生活動線が大きく変化することは、住環境への課題意識を顕在化させる主要因の一つである。
特に子育て期には、育児用品やベビー家具の増加によって収納スペースやリビング動線が圧迫されやすく、「家が手狭になった」と感じる傾向が強まる。
また、子どもの成長に沿った「将来的な子ども部屋の確保」や「家族のプライベート空間の再設計」、さらには在宅勤務など新しい働き方への対応ニーズも加わり、間取りの最適化を求める意識が高まりやすい。こうした子育て世帯の生活変化は、リノベーション市場における潜在需要を形成しており、今後の事業機会として注目に値する。

 

リノベーション会社には価格と品質の両立が求められる

リノベーション会社に期待することとして、85%が「費用の安さ」を挙げて最も多かった。次いで「デザイン力・提案力」「アフターサービス」「品質」といった項目も高く評価されている。つまり、単なる安さだけでなく、高い技術力や信頼できるサービスが総合的に求められていることがうかがえる。

 

リノベーション会社の認知にはまだ伸びしろがある

認知度が50%を超える大手リノベ会社は、「三井のリフォーム」と「積水ハウスリフォーム」のみであった。リノベーションという言葉の認知を獲得し、概念は広まっているものの、具体的な企業名の想起や検討にまでは結びついていない状況である。このことからも、リノベーション市場は依然として黎明期にあり、多くの企業にとってブランドの第一想起を獲得する機会が存在しているといえる。

4.調査項目

  • 現在の住まい
  • 同居している家族
  • リノベーションの認知度 
  • リノベーションをどう認知しているか
  • リノベーションの認知経路
  • 住まい選びの選択肢
  • リノベーションに関心がある理由
  • リノベーションに対する不安・懸念
  • リノベーションに関心がない理由
  • 住まいに関する今後の課題
  • リノベーション会社に期待すること
  • 大手リノベ会社の認知度

※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

5. おわりに

リノベーションは大きな潜在需要がある一方で、「費用の不透明さ」や「業者選定への不安」から検討に踏み切れない層が多いことがわかった。約8割が「価格」に魅力を感じつつ、約半数が「費用」に不安を抱いているというジレンマが浮き彫りになった。
この障壁を乗り越えるには、「信頼性の可視化」と「コスト感」が不可欠である。
例えば、cozreマガジンのタイアップ記事を通じ、子育て世帯の成功事例やプランニング〜完成までのプロセスの例を具体的に紹介することができる。実際のかかったコストや依頼後のイメージを持ってもらうことができるため、読者の漠然とした不安を「安心・信頼」へと転換させることができる。また、企業の「デザイン力・提案力」を訴求することで、価格以外の価値を伝えることも可能である。

また、本調査ではテレビが約7割の認知を獲得している一方で、具体的な企業想起には繋がっていないことが明らかになった。
この「認知」と「検討」の間のギャップを埋めるには、ターゲット層への直接的なアプローチが有効である。
例えば、cozreマガジンのターゲティングメールやコズレDM(ダイレクトメール)は子どもの年齢や居住エリアでセグメント配信が可能であり、「小学校入学を控えた時期」などライフステージに応じた最適な情報発信が行える。その他、プレゼントやモニターキャンペーンを活用して相談会や資料請求への参加を促す施策も有効である。

株式会社コズレでは、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。

(コズレ子育てマーケティング研究所 早川、水島)

 

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【出典の記載についてのお願い】

調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。

出典:『子育て世帯における「リノベーション」市場調査 2025(認知・関心・住まいの課題・関連企業の認知度等)(株式会社コズレ)』https://cozre.co.jp/blog/16377(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)

(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)

 

※コズレでは子育て世代の調査・子育て世代向けマーケティングのコンサルティングを承っております。詳細は下記よりお問合せください。調査・コンサルティングのご希望はこちら

この記事の著者

株式会社コズレ 取締役 早川修平の写真

著者: 早川 修平(株式会社コズレ 取締役/MBA)

NTT東日本にて法人営業、マーケティング、経営企画を経験後、慶應義塾大学大学院(在学中、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院へ留学)にてMBAを取得。戦略コンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」にて自動車・金融業界など幅広いクライアント向けにマーケティング戦略立案、ビジネスプロセス改善の支援に従事。

その後、子育て世代向けWebメディア「コズレ」を創業期から運営責任者として牽引し、会員数100万人超のプラットフォームへと成長させる。累計500件以上の子育て世帯を対象とした市場調査を主導し、育児用品メーカーや子育て関連サービス企業向けに、定量・定性データに基づくマーケティング戦略やプロモーション施策を多数提案・実行している。また、子育て世代の購買行動やニーズを踏まえたマーケティング手法に関するセミナーや講演会の講師も務める。

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