1. はじめに
音楽教室は、子どもの音楽的な感性や表現力を育てる場として、多くの子育て世帯に知られている。一方で、いつから始めるべきか、どのような教室を選ぶべきかといった判断の難しさや、通いやすさ・費用面への不安などから、実際の利用に至っていない家庭も少なくない。こうした背景を踏まえると、音楽教室は認知度に比べて利用状況や検討実態が十分に明らかになっていない分野であるといえる。そこで本調査では、コズレ会員を対象に、音楽教室の利用状況を把握するとともに、保護者が重視している項目や関心のある情報を明らかにした。
本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
2. 調査
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:0歳以上の子を持つコズレ会員
調査期間:2025年11月20日(木)〜2025年12月9日(火)
有効回答数:607名
3. 結果・考察

音楽教室の認知度では「ヤマハ音楽教室」が約91%と圧倒的
音楽教室の認知度において、「ヤマハ音楽教室」が約92%と最多であり、次いで「カワイ音楽教室」が約59%、「島村楽器 音楽教室」が約46%と上位を占めた。この結果から、音楽教室というカテゴリ自体は多くの保護者に広く知られており、特に大手ブランドの認知率が非常に高い市場であることが分かる。
音楽教室の利用率は約4%にとどまる

音楽教室の利用実態について、全回答者(0歳以上)では「現在通っている」「過去に通っていたが現在は通っていない」がそれぞれ約2%にとどまり、利用経験率は合計で約4%と極めて低水準である。「検討・利用したことはない」が約88%を占めており、音楽教室は認知度は高い一方で、利用には至っていない家庭が大多数であることが明らかになった。一方、3歳以上のお子さまを持つ家庭では「現在通っている」が約6%、「過去に通っていたが現在は通っていない」が約4%であり、利用経験率は合計で約11%と全回答者に比べ割合は多いことが示された。
「妊娠中・0歳」から検討・利用開始されている
検討開始時期は「妊娠中」が約12%、「0歳」が約16%と、出産前後の早い段階から検討を始める家庭が一定数存在している。一方、「6歳以上」も約24%を占めており、音楽教室は乳幼児期に限らず、小学生以降でも検討対象となっていることが分かる。実際に通い始めた時期では、「0歳」「4歳」「6歳以上」がそれぞれ約20%と最多であり、利用開始のタイミングは一様ではない。このことから、音楽教室は「早期教育」としての側面と、「習い事」としての側面の両方を併せ持つサービスであり、家庭ごとに導入タイミングが大きく異なることがうかがえる。
最初に通った教室では「個人経営の教室」が最多

最初に通った音楽教室では、「個人経営の教室」が約44%と最多であり、次いで「ヤマハ音楽教室」が約36%と二分する結果となった。高い認知度を持つヤマハ音楽教室は、ブランドへの信頼感や教育ノウハウの蓄積が選択理由になっていると考えられる。一方で、個人経営の教室がより多くの家庭に選ばれている点からは、自宅からの近さや知人からの紹介といった生活圏に密着した要素も、教室選びにおいて重要な役割を果たしている可能性がある。
交通手段は「徒歩」「車(送迎)」、月額料金は「7,000円未満」


音楽教室までの交通手段では、「徒歩」(約56%)や「車(送迎)」(約40%)が中心であり、公共交通機関の利用率は限定的であった。また、片道時間では「5〜15分未満」が約48%と最多であり、「30分未満」が約92%を占めた。月額料金では、「5,000〜7,000円未満」が約48%と最多であり、「1万円未満」が約92%を占めており、保護者が許容している価格帯はある程度明確である。音楽教室は「高額な教育投資」というよりも、家計の中で無理なく続けられる習い事として位置づけられている可能性が高い。
音楽教室選びでは「通いやすい立地」が最重要項目

音楽教室選びで重視した項目では、「通いやすい立地」が約52%と最多であり、「対面でレッスンを受けられる」「月謝費用が安い」が続いた。最も重視した項目でも「通いやすい立地」が約40%と突出している。一方、「口コミ・評判が良い」「生徒数が多く安心できる」といった教室の評価に関わる項目や、「複数の楽器を学べる」「質の良い楽器を使える」といった教室への安心感や質に関わる項目は下位となっており、「通い続けられるかどうか」が最大の判断基準となっていることが示された。
このことから、音楽教室は「質が高ければ遠くても通う」サービスというよりも、「通いやすい範囲で、一定の質が担保されていれば選ばれる」サービスであることが示唆される。
参考にした情報源は「友人・知人・家族の口コミ」「教室のホームページ」
音楽教室を選ぶ際に参考にした情報源では、「教室のホームページ」「友人・知人・家族の口コミ」がそれぞれ約40%と最多であり、次いで「教室のSNS公式アカウント」上位を占めた。最も参考にした情報源でも上位項目は変わらないものの、「友人・知人・家族の口コミ」が最多となっており、重視項目では下位であった「口コミ・評判」が情報源として最有力であることが示された。この結果から、音楽教室選びにおいては「口コミ・評判」を重視項目として明確に意識しているわけではないものの、実際の情報収集や意思決定のプロセスにおいては、身近な人からの口コミが大きな影響力を持っていることが示唆される。
未利用の理由は「月謝費用の負担が大きいから」

利用経験者のうち約6割が3歳以降に通い始めていることを踏まえ、3歳以上のお子さまを持つ家庭での未利用理由をまとめた。音楽教室に通っていない理由では、「月謝費用の負担が大きいから」が約42%と最多であり、次いで「近くに通いやすい教室がないから」「子どもが音楽に興味を示さないから」が上位を占めた。経済的負担が未利用の最大の要因であったことは、音楽教育への関心が一定程度存在していても、家計全体の中で優先順位を慎重に見極めている家庭が多い可能性がある。音楽教室は必需サービスではなく選択的支出であるため、価格は参入障壁として強く機能していると考えられる。また、「通いやすい教室がない」という回答からは、需要そのものよりも供給の立地・利便性がボトルネックになっている可能性が読み取れる。特に共働き世帯の増加を背景に、送迎負担や時間制約が教室選択に与える影響は大きいと推察される。さらに、「子どもが音楽に興味を示さない」という理由が上位に挙がった点は重要である。音楽教室側には単なるサービス提供にとどまらず、体験レッスンやイベントなどを通じて子どもの興味を喚起することが必要となる。
未利用のうち半数が「興味あり」、知りたい項目は「月謝費用の目安」


未利用者の約50%が音楽教室に「興味がある」と回答した。「興味がある」家庭が知りたい項目では、「月謝費用の目安」が約60%と最多であり、次いで「レッスン内容」「通いやすさ」が続いた。この結果から、全回答者(0歳以上)にとって音楽教室において経済的負担が重要な項目になっていることが分かる。また、習わせたい年齢では「3歳」が約38%と最多であり、「3歳以上」が約83%を占めている。本調査での回答者の約75%が3歳未満のお子さまを持つ家庭であることを踏まえ、音楽教室は将来的な選択肢として捉えられていることが示唆される。
4. 調査項目
- 音楽教室の認知度
- 利用経験の有無(0歳以上/3歳以上)
- 検討開始・購入時期
- 最初に利用したサービス
- 交通手段、片道時間
- 月額料金
- 重視した項目/最も重視した項目
- 参考にした情報源/最も参考にした情報源
- 未利用の理由(0歳以上/3歳以上)
- 未利用者の音楽教室への興味有無
- 未利用者が音楽教室について知りたいこと
- 音楽教室に通わせたいお子さまの年齢
※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
5. おわりに
コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 村尾、早川)
【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。
出典:「子育て世帯における「音楽教室」市場調査2025(株式会社コズレ)」https://cozre.co.jp/blog/17695
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)




