1.はじめに
ママパパが子育てをどう感じているのかについて明らかにするために、「子育てで楽しいことは何か?」、「子育てで大変なことは何か?」、「2人目以降の子育てならではの大変さとは?」などについて調査をしました。その他、「子育てをもっと楽しむためにはどうすれば良いか」についても伺っています。分析結果とともにご報告いたします。
2.調査
調査主体 :弊社コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法 :インターネットリサーチ
調査対象 :妊娠中または子どもがいるママパパ
調査期間 :2019年7月1日(月)~2019年7月31日(水)
有効回答者数 :2755名
3.トピック
・子育ては「楽しいと思う」という方が96.5%
・2歳・3歳の子どもの親は「子育てが楽しいと思う」と思う割合が他の年齢と比べて低い
・子育てで楽しいと思うことは、「子どもの成長を感じられる」ことという方が約9割
・子育ては「大変だと思う」という方が96.3%
・2歳・3歳の子どもの親は「子育てが大変だと思う」と思う割合が他の年齢と比べて高い
・子育てで大変だと思うことは、第一子妊娠中の人と出産後の人で差異がある
・子育てで大変なことは「パートナーに相談した」という方が66.1%と最多
・2人目以降の子育てならではの大変さとは「上の子に我慢させてしまう」という方が63.0%
4.結果・考察
子育ては「楽しいと思う」という方が96.5%。
子育ては楽しいと思うかを伺ったところ、「楽しいと思う」と回答した方が96.5%と大多数という結果に(図1)。「楽しい」と回答した方のコメントとしては、「成長していく子どもを見るのはやっぱり楽しい」や「子供がいる事で楽しい事が増えたし、笑ってくれて頼ってくれる事が嬉しいので母親になって良かったと思う」といった声が多く寄せられました。一方、「楽しいと思わない」と回答した方からは、「思うようにいかず苦しむことも悩むことも多いから」や「自分の時間が無くなってしまうのと、全く自分の思う通りにいかない子育ては大変!楽しいなんて思ってる余裕は無いです。ただ自分を犠牲にしている分、幸せを感じられる瞬間は多々あります。」というコメントもありました。
2歳・3歳の子どもの親は「子育てが楽しいと思う」と思う割合が他の年齢と比べて低い
子どもの年齢別で見てみると、2歳・3歳のママパパは「子育てが楽しいと思う」の割合が他の年齢と比べると低くなりました(図2)。この時期のママからは、「イヤイヤ期で、毎日奮闘中だから。歯磨きイヤ、薬飲むのもイヤ、ご飯も食べたくない、食べてても途中でやめて、遊び始める。」という声も。子どものイヤイヤ期に直面している間は、「楽しいと思わない」方が増える傾向にあると言えそうです。
子育てで楽しいと思うことは、「子どもの成長を感じられる」ことという方が約9割
子育てで楽しいと思うことは何かを伺ったところ、「子どもの成長を感じられる」ことという方が約9割と大多数でした(図3)。第一子を妊娠中の方と出産経験のある方の意見を比較してみると、第一子妊娠中の方は「子どもと楽しさと喜びを共有する」と「親として成長できる」を、出産経験のある方は「子どもが頼ってくれる・自分を必要としてくれる」と「育児用品や子ども服など買い物をする」をより楽しいと感じていることが分かりました。
子育ては「大変だと思う」という方が96.3%
次に、子育ては大変だと思うかを伺ったところ、「大変だと思う」と回答した方が96.3%に(図4)。子育ては楽しくもあり大変でもあるということが分かる結果となりました。「大変だと思う」と回答した方からは、「子供に振り回されて自分に余裕がなくなるから」や「ワンオペ育児だから子どもも父親より私に懐き、何をするにもママ、ママだからしたい事は何も出来ないのが大変なところであるけど、頼ってくれてると思うと嬉しい面でもある」というコメントが寄せられました。
また、わずかではありますが、出産後の人の方が「大変だと思わない」と回答した方が多くなりました。出産経験がありかつ「大変だと思わない」と回答した方からは、「大変さもあるけど、楽しい事の方が何倍も多いから」や「パパや両親など子育てを手伝ってくれるから」というコメントがありました。
2歳・3歳の子どもの親は「子育てが大変だと思う」と思う割合が他の年齢と比べて高い
こちらも子どもの年齢別で見てみると、2歳・3歳の子どもの親は他の年齢の親と比べると「子育てが大変だと思う」と回答した方の割合が高い傾向に(図5)。実際に、「イヤイヤ期の真っ只中で中々こちらの言う事を聞いてくれなかったりするからイライラしてしまう」や「意思の疎通が取れなかったり、タイミングが合わなかったりでお互いにイライラしてしまうことがある。理想と現実の狭間で葛藤したりとなかなか大変だと思ってます。」というコメントがあり、イヤイヤ期は子どもの成長の証と分かってはいても毎日向き合うことの大変さが伺える結果でした。
子育てで大変だと思うことは、第一子妊娠中の人と出産後の人で差異がある。
子育てで大変だと思うことは、第一子を妊娠中の人と出産経験のある人とでは割合や順位が大きく異なりました。第一子妊娠中の人は「親の意思ではどうにもならないことがあること」が79.5%で第1位、出産後の人は「子どもの相手をする際に体力や根気がいること」が57.8%で第1位となっています(図6)。現在、第一子を妊娠中の方は、「子どもの相手をする際に体力や根気がいる」ということを念頭に置き、産後の生活をイメージして準備しておくとギャップが少なくなるかもしれません。
【第一子妊娠中の人】
第1位:親の意思ではどうにもならないことがあること・・・79.5%
第2位:自分の体調が悪い時に育児を休めない・・・55.6%
第3位:生活や教育にお金がかかる・・・55.4%
【出産経験のある人】
第1位:子どもの相手をする際に体力や根気がいる・・・57.8%
第2位:自分の体調が悪い時に育児を休めない・・・56.8%
第3位:親の意思ではどうにもならないことがある・・・56.0%
子育てで大変なことは「パートナーに相談した」が66.1%と最多
子育てで大変なことはどうしたかという質問では、「パートナーに相談した」が一番多く66.1%となり、次いで「親に相談した」が64.4%となりました(図7)。
2人目以降の子育てならではの大変さとは「上の子に我慢させてしまう」が63.0%
また、2人目を産むかどうするか迷っているママパパもいらっしゃるのではないでしょうか。2人以上のお子さんを育てているママパパに2人目以降の子育てならではの大変さを伺ったところ、「上の子に我慢させてしまう」が63.0%。次いで、「上の子との関わり方」が55.5%、「お風呂や寝かしつけなどの日常生活」が41.8%に(図8)。今後、コズレでは2人目以降の子育てをサポートできる情報発信にも注力していきます。
子育てをもっと楽しむためには
「子育てをもっと楽しむためにはどうすれば良いか」についても伺ったところ、沢山のご意見やアイデアを頂戴しました。
その一部をご紹介します。
・妊娠の時点から、病院は自己負担額全額で、何かあれば想定外の費用が多くかかる。国や地域を含めた抜本的な援助が、必要。子育てグッズは意外とお金がかかる。クリーニングまで責任を持ったシェアサービスの充実が望ましい。
・「子育ては親がするもの」ではなく、「皆でするもの」という考えが広まれば良いと思います。母親一人で育児に行き詰まっては楽しめない。保育所の整備やベビーシッターなどをもっと利用しやすい制度があって欲しいと思います。
・せめて金銭面での補助などがもっと充実すればなと思います。妊婦加算や病院代、育児グッズにも諸々お金がかかると思うので、そこが軽減されると気持ちも楽になると思います。
・どんなときも周りが子育てを手伝ってくれるような制度があるといいと思う。好きな時に預けられていつでも必要な時に息抜きやリフレッシュができたり、予約が不要でいつでも気楽にネットで専門家に相談できるような環境があればいいと思う。
・行政からの支援がもう一歩進めば、悩みは少し減るのかなと。子どもの体も心も十人十色だから、それを万全の体制で受け止めて全力で悩めるよう、経済面や両親の体力、メンタルのサポートがあれば……。
・国のサポートがもっと充実すれば、楽しめると思う。また父親が育児に協力しないこともあるので、会社がもっと男の育休をとりやすくしたり、定時で帰れるようになればいいと思う。母親だけが大変な目にあってる家庭が多いので、世間の認識を変えられたらもっとより良い生活になるのではないかと。
・心に余裕がなければ楽しむ事はできないと思うので、預けるにしろお金がかかるし、そもそも安心して預けるためにシッターさんの教育なども日本は足りないんじゃないかなあと思います。
・社会の制度が整うことが一番だと思います。そうなるには、奥さんだけに育児を任せていた世代の男性を除き、共に協力して育児をしてきた男性と女性の政治家が頑張って制度の見直しをすることが必要だと思います。
今回は妊娠中または子育て中のママパパに、「子育てで楽しいこと・大変なこと」について調査を行いました。子育ては楽しいけれど大変であることが分かる結果となりましたが、コズレでは子育ての楽しさをもっと大きく、そして子育ての大変さをできる限りサポートしていけるよう情報発信に努めてまいります。今後もパパママを取り巻く実態調査を様々な角度から進めることにより、「子育ての喜びをもっと大きく!」という想いの実現に貢献していきたいと考えています。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。 (コズレ子育てマーケティング研究所 増田)
【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。
出典:「子育てをどう感じているのかに関する調査(株式会社コズレ)」 http://www.cozre.co.jp/blog/2505/
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)