調査レポート

【ベビー用品企業・ブランド別】認知・購入・ブランドイメージ調査

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1.はじめに

本レポートでは、妊娠中の女性および0歳の子を持つ女性を対象に、ベビー用品を提供する企業・ブランドに対する認知やイメージについて調査を行った。認知率の高低が購入にどのように影響するのか、企業・ブランドのイメージ付けがなぜ必要なのかなどを考察する。

2.調査概要

調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所

調査方法:インターネット・リサーチ

調査対象:0歳の子を持つ女性500名、妊娠中の女性500名

調査期間:2024年11月18日(月)〜2024年12月9日(月)

3.結果・考察

「知っている」企業・ブランド

妊娠中の女性500名、0歳の子を持つ女性500名それぞれにおいて、「知っている」企業・ブランドの上位は、「ピジョン」、「コンビ」、「アップリカ」、「エルゴベビー」という結果になった(図1)。上位4社の認知率は、妊娠中の女性では8~9割、0歳の子を持つ女性では9割にのぼる。0歳の子を持つ女性の方が、妊娠中の女性よりも多くの企業・ブランドを知っている割合は高く、下位企業・ブランドのそれぞれの認知率を見てもよく分かる。

上位4社のうち「エルゴベビー」に注目すると、妊娠中の女性の認知率は78.20%に対して、0歳の子を持つ女性の認知率は93.20%である。エルゴベビーといえば、抱っこひもが人気のカテゴリであり認知率向上に貢献しているひとつの要素であるが、最近ではバウンサーやハイチェアといった生後で使用するカテゴリも充実してきていることから、0歳の子を持つ女性の認知率向上にも寄与している可能性がある。

 

図1 「知っている」企業・ブランド

認知率が高い企業・ブランドは、購入経験の割合も高い

妊娠中の女性481名、0歳の子を持つ女性500名それぞれにおいて、「購入したことのある」企業・ブランドは、認知率の高い上位4企業・ブランドが占めた(図2)。上位から「ピジョン」、「コンビ」、「アップリカ」、「エルゴベビー」である。この上位4企業・ブランドとくらべ、認知率が低い企業・ブランドの購入率は、妊娠中の女性では1割を切り、0歳の子を持つ女性では2割を切っている。

ベビー用品を提供する企業・ブランドの商品を購入してもらうには、まず「知ってもらう」ことが重要なのは明らかである。産後すぐ使用する抱っこひもやベビーカーなど、検討期間が短い商材であれば、いかに妊娠中の女性に知ってもらうかが重要であることは言うまでもない。

 

図2 「購入したことのある」企業・ブランド

「ピジョン」の企業・ブランドイメージは、「信頼できる」「親しみやすい」「品質が良い」

各企業・ブランドに対して抱くイメージを、①信頼できる、②品質が良い、③親しみやすい、④自慢できる、⑤商品ラインナップが豊富、⑥デザインがおしゃれ、⑦現代風(今風)、⑧革新性がある、⑨個性的、⑩高級感がある、の10項目で調査した。

まず、「ピジョン」の企業・ブランドイメージは、「信頼できる」、「親しみやすい」、「品質が良い」が上位3項目であり、妊娠中や子育て中の女性にとって、安心感を与える要素が多い印象である(図3)。

 

図3 「ピジョン」の企業・ブランドイメージ

一方、「サイベックス」の企業・ブランドイメージは「ピジョン」のイメージとはまるで違う(図4)。「デザインがおしゃれ」、「現代的(今風)」、「高級感がある」が上位3項目であった。「ファッション性」や「革新性」を想像させることから、トレンドに敏感な女性達へ向けたイメージづくりを行っていることがよく分かる。

 

図4 「サイベックス」の企業・ブランドイメージ

最後に「ストッケ」の企業・ブランドイメージの結果を見てみることにする(図5)。0歳の子を持つ女性では「デザインがおしゃれ」が9.00%であった。妊娠中の女性と0歳の子を持つ女性の8割が「とくに印象がない」と回答していることから、「ストッケといえば○○」のようなイメージ付けが必要であろう。

 

図5 「ストッケ」の企業・ブランドイメージ

4.おわりに

本調査を通じて、ベビー用品を展開する企業・ブランドの認知率や購入経験、ブランドイメージを明らかにした。ベビー用品は、検討から購入までの期間が短いことが特徴であるため、いかに「知ってもらう」かが重要になる。各企業・ブランドの認知率向上のためには、「信頼性」や「品質の良さ」といった安心感、「ファッション性」や「革新性」といったインパクト、などのイメージ付けも効果的だろう。ベビー用品市場において、購入者が商品やブランドを選ぶ際に重要視する価値観が、世代やライフスタイルによって異なる可能性があるため、今後、さらに細分化されたターゲット層ごとのニーズを掘り下げていく必要がありそうだ。

(子育てマーケティング研究所 村尾、山内)

 

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。

出典:「【ベビー用品企業・ブランド別】認知・購入・ブランドイメージ調査(株式会社コズレ)」
(https://cozre.co.jp/blog/13719)
(子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)

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