調査レポート

乳幼児向けマーケットにおける「初めての習い事」需要の最新動向|親の関心と選択基準とは?

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1. はじめに

少子化が進む中で、子どもの習い事を取り巻く状況は大きく変化している。教育資源が一人の子どもに集中する傾向が強まり、それに伴い、子ども一人あたりにかけられる教育費も増加している。その結果、習い事の数や種類は多様化している。また、親の価値観の変化や子ども自身のニーズの多様化も、習い事の選択に大きな影響を与えていると考えられる。

今回、2024年11月から2025年1月にかけて実施した調査「乳幼児向けマーケットにおける『初めての習い事』需要の最新動向|親の関心と選択基準とは?」を公開する。本調査では、生後1歳以上の子どもを持つ家庭を対象に、「初めての習い事」をどのように選び、何を期待しているのかについて、調査・分析を行った。

本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

 

2. 調査

調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:生後1歳以上の子を持つコズレ会員
調査期間:2024年11月28日(木)〜 2025年1月6日(月)
有効回答者数:354名

 

3. 結果・考察

約3割が子どもに習い事をさせたことがある

 

 

生後1歳以上の子を持つコズレ会員354名のうち、子どもに習い事をさせたことがある割合は約3割であった。一方、約7割の習い事をさせたことがない層の障壁としては「子どもが小さすぎて早いと思っている(タイミングの問題)」「費用や送迎など物理的・経済的制約がある」「子どもがどのような習い事に興味があるか分からない」などが考えられる。

 

人気ジャンルは「教育系と運動系」高い満足度と必要性の再認識

  

「初めての習い事」として最も選ばれているのは「幼児教育系通信講座」(約26%)であり、次いで「水泳」(約17%)、「英語・英会話(通塾)」(約12%)、「体操」(約12%)が続いた。このことから、教育系と運動系に人気があることがわかった。

また、平均満足度は4.06点と高水準を示している。実際に習い事を経験した家庭の約84%が、「必要なサービスだった」と回答していることから、商品提供者にとっては、継続利用やリピートにつながるような仕組みづくりが重要だと考えられる。

 

習い事の選定基準:利用前後で変化する「親の価値観」

習い事を選ぶ際に重視したこととして、「子どもの興味・関心を広げるため」が一貫して最も多く、子どもの内発的動機を引き出すことを重視していることがわかる。続いて「子どもが興味を持っているから」が多く、子ども自身の関心を起点にしている家庭が多いと考えられる。一方、利用経験を経て「子どもの将来の選択肢を広げるため」「向いていることを見つけるため」といった目的志向の理由が上昇する。

 

習い事を選ぶ基準の最重視項目になると子どもの興味・関心はもちろんのこと、「子どもの向いていることを見つけるため」が上昇してくる。つまり、親は習い事に対して「子どもが興味を持ったことから好奇心を育て、学びを深めながら将来の可能性を広げてほしい」と期待していることが読み取れる。

 

「今の楽しさ」と「未来の可能性」の両立

これらの結果は、習い事に対する親の関心が、単なる「楽しさ」から「成長支援」へとシフトしていることを示している。子どもがもともと興味をもっている分野に取り組むことは、自然と集中力や継続意欲が高まりやすく、成果にもつながりやすい。加えて、「褒められる経験」や「子ども自身の”できた”という実感」といった成功体験を積みやすく、それがモチベーションの持続にも効果があるのではないだろうか。また、子どもの興味に寄り添う形で習い事を始めることは、親子の対話や応援のきっかけにもなり、親子間の絆形成にも寄与すると考えられる。

習い事がこのような「子ども本人の内発的動機」と「親の外的期待」の両方を満たす手段であると位置づけられていることから、単なる教育・運動の機会を提供するサービスとしてだけではなく、「自己肯定感を高める機会」「人間力を育む場」といった側面も訴求する必要があるだろう。

 

4. 調査項目

  • 習い事をしたことがあるか
  • 最初にした習い事
  • 習い事の選択基準
  • 習い事の最重要選択基準
  • 初めての習い事の満足度
  • 初めての習い事の必要性
  • 現在の習い事の選択基準
  • 現在の習い事の最重要選択基準

※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

 

5. おわりに

コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中ママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、今できる支援とは何かを明らかにしていきます。

本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。

(コズレ子育てマーケティング研究所 水島、早川)

 

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。

出典:『乳幼児向けマーケットにおける「初めての習い事」需要の最新動向|親の関心と選択基準とは?(株式会社コズレ)』https://cozre.co.jp/15225/
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/

この記事の著者

株式会社コズレ 取締役 早川修平の写真

著者: 早川 修平(株式会社コズレ 取締役/MBA)

NTT東日本にて法人営業、マーケティング、経営企画を経験後、慶應義塾大学大学院(在学中、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院へ留学)にてMBAを取得。戦略コンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」にて自動車・金融業界など幅広いクライアント向けにマーケティング戦略立案、ビジネスプロセス改善の支援に従事。

その後、子育て世代向けWebメディア「コズレ」を創業期から運営責任者として牽引し、会員数100万人超のプラットフォームへと成長させる。累計500件以上の子育て世帯を対象とした市場調査を主導し、育児用品メーカーや子育て関連サービス企業向けに、定量・定性データに基づくマーケティング戦略やプロモーション施策を多数提案・実行している。また、子育て世代の購買行動やニーズを踏まえたマーケティング手法に関するセミナーや講演会の講師も務める。

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