調査レポート

子育て世帯における携帯キャリア選定に関する市場調査~約2割がキャリア変更、サブブランドへの移行が顕著に~

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1. はじめに

現在携帯キャリア市場は、競争の激化、料金プランの複雑化、販売代理店の収益源の多様化、さらにはセキュリティリスクの増大など、さまざまな動きがみられる。一方で、出産・子育て期にあるユーザーは、生活スタイルの変化に伴い、家計や時間の使い方をよりシビアに見直すようになることから、通信サービスの選定にも子育て期特有のニーズと行動現れるのではないだろうか。そこで今回は、2024年12月〜2025年2月に実施した「子育て世帯における携帯キャリア選定に関する市場調査」の結果をもとに、携帯キャリアのシェアや選定時に重視されるポイントなどについて分析を行った。

本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

2. 調査

調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:生後0歳以上のコズレ会員
調査期間:2024年12月27日(金)〜2025年2月13日(木)
有効回答者数:360

3. 結果・考察

約2割がキャリア変更 背景にあるのは“家計の見直し”意識

子育て世帯の23.38%が携帯キャリアを変更しており、変更後の満足度は平均3.97点であり、「変えてよかった」と感じている様子がうかがえる。その背景には、出産や子育てによる‘’家計の再設計‘’があると考えられる。特に第1子誕生時は、収入や支出に対する意識が大きく変わるタイミングであり、携帯料金など“固定費見直し”が優先される傾向がある。

 

大手からサブブランドへシフト ―Y!mobile、UQモバイル、楽天モバイルが人気

キャリア変更前は、au、docomo、SoftBankといった大手3社が主流であったが、変更後にはY!mobile、UQモバイル、楽天モバイルといったサブブランドや新興キャリアのシェアが拡大している。これは、「料金の安さ」や「サービスのシンプルさ」を重視する層が、積極的にサブブランドを選択していることを示している。子育て世帯が“コストパフォーマンス+分かりやすさ”のバランスを重視する傾向にある。

 

キャリア変更の決め手は? 圧倒的1位は「料金の安さ」

キャリアを変更した理由として最も多かったのは「携帯通話料の月額が安くなる」(79.49%)で、圧倒的なトップである。次いで「特典がもらえる」(46.15%)、「家族で同一のキャリアにするため」(34.62%)が続く。また「自宅の通信料が安くなる」(21.79%)といった回答もあり、携帯と自宅インターネットのセット契約が一定の効果を上げていることが示唆される。

最も重視した項目としてもこの順位は大きくは変わらず、「料金重視」が明確なトレンドであることがわかる。これは、育児用品や教育費など支出が増える子育て世帯にとって、非常に合理的な判断と言えるだろう。

 

変えない理由も明確に ―「今のままで満足」「手間がかかる」

キャリアを変更していない層では「docomo(ドコモ)」が27.24%で最多、「au」、「Y!mobile(ワイモバイル)」がそれぞれ13.62%と続いている。未変更の理由としては「今の携帯キャリアに満足している」(61.48%)、「変更するのが手間・面倒」(43.19%)が上位に挙げられている。

これは逆に言えば、『不満が出てきたとき』『乗り換えが簡単になったとき』には、一気に変更が進む可能性があることを示唆している。興味深い点としては、「家族プランなど他にも影響するから」(11.28%)という理由で、キャリア選定が”家族単位”で行われていることがうかがえる。

 

キャリア選びで一貫して重視されるのは“通信費の安さ”

キャリアを変更していない人も含めて「今から契約するなら何を重視するか?」という問いに対しても、「月額料金の安さ」が圧倒的に最上位であった。これは、変更経験の有無にかかわらず、すべての子育て世帯に共通する強いニーズであるといえる。また「携帯端末を安く買える」(45.07%)という回答も多く、端末の買い替えタイミングがキャリア見直しの契機になっていることが示されている。

 

4. 調査報告

  • 携帯電話・スマートフォンの所持率
  • 携帯キャリア変更の有無
  • 変更前の携帯キャリア
  • 変更後の携帯キャリア
  • 契約変更時の選択基準
  • 最も重視した選択基準
  • 変更後の満足度
  • 現在契約中の携帯キャリア(未変更者)
  • キャリアを契約変更をしていない理由
  • 今後新たに契約する場合の選択基準
  • 今後新たに契約する場合の最重要選択基準

 

5. おわりに

今回の調査により、子育て世帯が通信費に対して非常に高い関心を持っていることが明らかになった。サブブランドや新興キャリアへの関心は今後も広がる可能性があり、乗り換え支援のわかりやすさや「家族割」「子育て支援」を打ち出した提案がより効果的であると考えられる。

結婚、出産・子育てという人生の大きな転機において、キャリアの見直しは一気に進む傾向がある。このタイミングで、ユーザーの「不安」や「負担」をいかに軽減できるかが、ブランドへの信頼獲得に直結するだろう。

株式会社コズレでは、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。

本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。

(コズレ子育てマーケティング研究所 早川、水島)

 

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。

出典:「子育て世帯における携帯キャリア選定に関する市場調査(株式会社コズレ)」
https://cozre.co.jp/15572/
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/

 

この記事の著者

株式会社コズレ 取締役 早川修平の写真

著者: 早川 修平(株式会社コズレ 取締役/MBA)

NTT東日本にて法人営業、マーケティング、経営企画を経験後、慶應義塾大学大学院(在学中、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院へ留学)にてMBAを取得。戦略コンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」にて自動車・金融業界など幅広いクライアント向けにマーケティング戦略立案、ビジネスプロセス改善の支援に従事。

その後、子育て世代向けWebメディア「コズレ」を創業期から運営責任者として牽引し、会員数100万人超のプラットフォームへと成長させる。累計500件以上の子育て世帯を対象とした市場調査を主導し、育児用品メーカーや子育て関連サービス企業向けに、定量・定性データに基づくマーケティング戦略やプロモーション施策を多数提案・実行している。また、子育て世代の購買行動やニーズを踏まえたマーケティング手法に関するセミナーや講演会の講師も務める。

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