調査レポート

子育てママの美容エステ利用実態 “子連れOK”と“コスパ重視”が選ばれる決め手に

  • LINEで送る

1. はじめに

美容系エステ市場は、新型コロナウイルスの影響で一時的に縮小したものの、男性の美容意識の高まりなどを背景に回復傾向にあり、今後も成長が見込まれる分野である。近年では、子育て中の母親をターゲットとした施策が注目されているおり、本記事では、2024年12月〜2025年1月まで実施した「0歳以上の子どもを持つママ」を対象とした調査結果をもとに、美容系エステの利用実態と購買行動の変化について分析する。

本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

2. 調査

調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:0歳以上の子を持つ女性
調査期間:2024年12月9日(月)〜 2025年1月15日(水)
有効回答者数:688名

 

3. 結果・考察

約1割の利用率、残る9割にアプローチの余地

妊娠以降に美容系エステを実際に利用した女性は全体の約1割に留まる。これは利用経験者がまだ少数派である一方、非利用者に対しては今後の訴求次第で大きな開拓余地があることを意味する。現状の認知施策や・導線設計を見直すことが求められる。

 

選ばれるのは「個人経営サロン」 満足度も高い

エステの利用先としては、「個人経営の美容サロン」および「大手以外のサロン」がそれぞれ約4割を占めており、大手チェーンによる独占的なシェアではない。ブランド力や知名度、全国展開の有無よりも、アクセスのしやすさや口コミ、体験ベースの信頼感が選択要因になっていると推察される。満足度は平均4.06点と高水準であり、一度使えば評価されやすい傾向がある。初回限定プランや無料体験など、心理的ハードルを下げる施策が効果的といえる。

 

利用後の評価:「必要なサービスだった」が8割超

利用後に「美容系エステは必要なサービスだった」と感じた人は8割を超えた。これは、体験を通じてサービスの価値が明確に伝わることを示しており、未利用層への訴求においては“利用後のベネフィット”に焦点を当てたアプローチが有効であると考えられる。

 

利用前後で変化する選択基準:コスパ重視がより顕著に

利用前の重視ポイントとしては「施術メニュー」「自宅からの距離」「価格」が上位を占めていた。中でも「価格重視」は利用前の51.14%から、利用後には73.13%にまで上昇しており、コストパフォーマンスに対する意識が利用経験を通じて強まっていることがうかがえるが、単なる割引ではなく「この価格でこの技術力」といった納得感の訴求が求められる。
また、「技術力」「子連れでOK」についても10ポイント前後の上昇が見られ、これらがリピートにおける重要要素と言えるだろう。

 

「子連れOK」が差別化要因として浮上

「子連れでOK」のニーズは利用後に大きく上昇し、最も重視する項目としては、「価格」に次いで2位に浮上した。託児サービスの有無やベビーカー対応など、子どもと来店できるかどうかが施設選びにおいて大きな判断基準となっている。競合他社が対応していない場合には、大きな差別化ポイントとなるだろう。

 

4. 調査項目

● 妊娠以降の美容系エステ利用経験
● 妊娠以降最初に利用した美容系サロン
● 利用する際基準にしたこと
● 利用する際最も重要視したこと
● 利用したサービスの満足度
● 利用後の推奨度
● 今利用する場合の美容系サロンの選択基準
● 今利用する場合の最も重要視する選択基準

※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せください。

 

5. おわりに

美容系エステは、利用すれば高く評価されるサービスである。したがって、初回利用のハードルを下げる施策(無料体験、子連れ歓迎の明記、価格保証など)を強化することが有効だと考えられる。また、価格訴求においては、単なる安さではなく、「価格と技術のバランス」や「自分に合った対応」といった納得感が重要視されている。子育て世帯を主なターゲットとする場合、「子連れで気兼ねなく通える環境整備」が今後の標準となるため、託児やベビーカー対応といった設備や対応の充実が、選ばれる理由となるだろう。

 

コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中ママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、今できる支援とは何かを明らかにしていきます。

本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。

(コズレ子育てマーケティング研究所 早川、水島

 

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。

出典:「子育てママの美容エステ利用実態 “子連れOK”と“コスパ重視”が選ばれる決め手に(株式会社コズレ)」
https://cozre.co.jp/15623/
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/

 

この記事の著者

株式会社コズレ 取締役 早川修平の写真

著者: 早川 修平(株式会社コズレ 取締役/MBA)

NTT東日本にて法人営業、マーケティング、経営企画を経験後、慶應義塾大学大学院(在学中、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院へ留学)にてMBAを取得。戦略コンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」にて自動車・金融業界など幅広いクライアント向けにマーケティング戦略立案、ビジネスプロセス改善の支援に従事。

その後、子育て世代向けWebメディア「コズレ」を創業期から運営責任者として牽引し、会員数100万人超のプラットフォームへと成長させる。累計500件以上の子育て世帯を対象とした市場調査を主導し、育児用品メーカーや子育て関連サービス企業向けに、定量・定性データに基づくマーケティング戦略やプロモーション施策を多数提案・実行している。また、子育て世代の購買行動やニーズを踏まえたマーケティング手法に関するセミナーや講演会の講師も務める。

  • LINEで送る

子育てビッグデータ×マーケティング
の知見をご提供します

コズレ子育てマーケティング研究所は、120万人以上のママパパによる独自調査パネルと、570万件を超える回答データ・10年以上の運営で培ったビッグデータを活用し、子育て世帯をターゲットとする企業のマーケティング活動を支援しています。

子育て世帯向けマーケティングのヒントが詰まった各種資料やセミナーアーカイブを無料で提供中です。ぜひご活用ください。

資料ダウンロードはこちら


セミナーアーカイブ配信はこちら



また、支援に関心がある方は、以下リンクからお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら