調査レポート

子育て世帯における「宅配生協」市場調査 ~利用率・推奨度・利用意向等~

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1. はじめに

宅配生協は、高齢化、共働き世帯の増加、健康志向の高まりなど、近年の社会の変化に応えるサービスであると考えられる。
本レポートでは、2025年7月に実施した『子育て世帯における「宅配生協」市場調査~利用率・推奨度・利用意向等~』の結果を基に、子育て世帯の宅配生協の利用状況、推奨度、非利用者の意向等について分析を行った。

本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

 

2. 調査

調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:妊娠中及び0歳以上の子を持つコズレ会員
調査期間:2025年7月7日(月)〜2025年7月14日(月)
有効回答者数:381名

 

3. 結果・考察

日常の買い物で最も大きな負担は「重い・かさばる荷物」

子育て世帯が日常の買い物において最も大きな負担として挙げたのは「重いものやかさばるものを持ち運ぶのが大変」で、回答者の約6割にのぼった。次いで「子ども連れだとゆっくり買い物できない」が半数近くに達した。
これらは、妊娠中・乳幼児のいる世帯に特有の購買課題であると考えられる。こうした物理的な負担と時間的制約の二重苦が、宅配サービスへのニーズを高めている可能性がある。

 

宅配生協の利用率は約2割

現在宅配生協を利用している割合は21%で、そのうち約4割が地域のコープを利用している。一方で、6割以上は宅配生協を利用した経験がないと回答しており、伸びしろとなりうる層が存在することが示唆された。

 

利用開始のきっかけは「実家での利用」「妊娠・出産」

利用開始のきっかけは、「実家で利用していた」が約3割で最多となり、次いで「育児雑誌や妊娠・出産ガイドブックで見かけた」が2割近くを占めた。
後者は、妊娠・出産期が新たな顧客獲得の機会であることを示している。
前述の通り、「重い・かさばる荷物を運ぶのが大変」や「ゆっくり買い物することが困難」な状況は、妊娠期から子育て期に目立って見られることが背景にあると考えられる。

 

最大のメリットは「割安配送」と「重い荷物の宅配」

利用理由では、「配送手数料が割安(または無料)」が半数を超えて最も多く、次いで「重いものを届けてもらえる」が4割以上を占めた。
後者は先に示した購買課題の直接的な解決策であり、宅配生協が子育て世帯のニーズに的確に応えていることを裏付けている。
加えて「家事の負担を軽減できる」「食品の品質が良い」「時間や場所に左右されずに選べる」「取り扱い品目が豊富である」も2割以上の支持を集めている。利便性や品質など、評価するポイントは世帯ごとに多岐にわたっているようだ。

 

利用者の満足度は8割超、推奨度も高水準

利用者の満足度は非常に高く、8割以上が満足していると回答した。さらに推奨度も約78%と高く、その半数近くは実際に知人やSNSを通じて生協を推奨した経験があることが分かった。
この結果は、宅配生協が利用者から高いロイヤルティを獲得していることを示唆していると言えよう。例えば、紹介キャンペーン等はこのロイヤルティを活かしたプロモーション手段として有効であると考えられる。

 

不満点は「固定日配達」、一方で「不満なし」も3割

利用者の不満点として最も多く挙げられたのは「配達日や時間が固定されている」で約3割を占めた。しかし「特に不満はない」と回答した人も3割近く存在しており、サービス全体としては比較的高い受容度が保たれていることがわかる。

 

未利用者の宅配生協認知度は依然として限定的

未利用者の認知状況では、「玄関先まで届けてもらえる」という基本的な特長は6割以上が知っていた。しかし、宅配生協の利点全般の認知はまだ十分ではなく、情報浸透に課題がある。「重いもの」「大きいもの」を運ぶことに加え、子連れ世帯が特に困難と感じる問題「ゆっくり買い物ができない」に対しても、宅配生協は有効な解決手段となり得るといったポイントの認知が広まることで、新規会員を獲得する可能性は高まるのではないだろうか。

 

未利用理由の最多は「送料・手数料への不安」

未利用理由では「送料や手数料がかかる」が約44%で最も多く、「実店舗より割高」が約41%で続いた。価格面の不安が大きなハードルとなっていることがうかがえる。
一方、半数近くが今後の利用には前向きであると回答している。そのため、子育て世帯向けの「子育て割」や「重いものを届けてもらえる」といったメリットなどを周知することが有効であろう。これらを実際の利用者の声と共に伝えることで、新規利用の拡大も期待できるだろう。

 

4. 調査項目

  • 日常の買い物で感じている負担や困っていること
  • 宅配生協の利用経験
  • 現在利用している宅配生協
  • 宅配生協利用のきっかけ
  • 宅配生協の利用理由
  • 宅配生協の満足度
  • 宅配生協の推奨度
  • 宅配生協を人にすすめた経験
  • 利用者の不満や困りごと
  • 未利用者の宅配生協について知っていること
  • 宅配生協を利用していない理由
  • 宅配生協の今後の利用意向

※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい

 

5. おわりに

妊娠・出産によって生じる買い物への課題に対して、宅配生協の特徴が解決策として評価されていること。その結果、子育て世帯から高いロイヤルティを獲得していることが分かった。

妊娠・出産は、新たな顧客獲得の機会といえる。この機会を活かすためには、ターゲットを正確に捉え、その属性のニーズに合わせた訴求を行うことが重要となる。

なお、コズレは、出産予定日・出生日、住所に基づいたセグメンテーションができるプロモーションメニューを提供している。具体的な事例については、お問い合わせいただきたい。

(コズレ子育てマーケティング研究所 早川、水島)

 

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。

出典:「子育て世帯における「宅配生協」市場調査~利用率・推奨度・利用意向等~(株式会社コズレ)」
https://cozre.co.jp/15971/
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/

 

この記事の著者

株式会社コズレ 取締役 早川修平の写真

著者: 早川 修平(株式会社コズレ 取締役/MBA)

NTT東日本にて法人営業、マーケティング、経営企画を経験後、慶應義塾大学大学院(在学中、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院へ留学)にてMBAを取得。戦略コンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」にて自動車・金融業界など幅広いクライアント向けにマーケティング戦略立案、ビジネスプロセス改善の支援に従事。

その後、子育て世代向けWebメディア「コズレ」を創業期から運営責任者として牽引し、会員数100万人超のプラットフォームへと成長させる。累計500件以上の子育て世帯を対象とした市場調査を主導し、育児用品メーカーや子育て関連サービス企業向けに、定量・定性データに基づくマーケティング戦略やプロモーション施策を多数提案・実行している。また、子育て世代の購買行動やニーズを踏まえたマーケティング手法に関するセミナーや講演会の講師も務める。

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