Cozre Report
調査レポート

『女の子を持つママに聞いた、子ども(女の子)に習わせたいスポーツは?』~やりたかったスポーツではなく、自分がやっていたスポーツ?~


【はじめに】

前回、『男の子を持つママに聞いた、子ども(男の子)に習わせたいスポーツは?』というタイトルのもと、それは「中学・高校時代に最も印象に残っている異性の好きな人や憧れの人が取り組んでいたスポーツ」だからというよりも「子どもの父親が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」だからということのほうが強く影響を及ぼしているようであると調査結果を書かせて頂いた(参照;https://cozre.co.jp/blog/1553/)。今回は、前回同様、「親(*ママにターゲットを絞る)が幼少の子どものスポーツに関する習い事をいかなる理由で決めるのか」という問いに対し、女の子を持つママに対象をしぼった調査結果を記したい。

【調査】
弊社コズレ子育てマーケティング研究所では、2018年7月24日(火)から2018年7月26日(木)にかけて、子どもに習わせたいスポーツに関するアンケート調査をインターネット上で行った。調査対象は末子のお子さんの年齢が0歳~2歳のママで、「就学以降、最もお子様(末子:1人の場合はそのお子様)に習わせたいスポーツは何ですか」等について質問をした。有効回答者数は1968名であった。

【分析と結果考察】
本レポートでは、「末子に女の子を持つママ(n=913)」にターゲットを絞り分析した結果を記す。まず第1に、「就学以降、お子様(末子:1人の場合はそのお子様)に最も習わせたいスポーツは何ですか」という質問をし、1つだけ選択して頂いた。結果、水泳が最も多く(32.64%)、次いでダンス(14.90%)、器械体操/新体操(5.70%)と続く(図1参照)。水泳は前回の男の子を持つママに聞いた結果同様、他に比べ圧倒的に多いが、ダンスや器械体操/新体操は女の子を持つママ特有である。他には、バレーボール(4.60%)やテニス(4.27%)より武道(5.04%)のほうが多いことが興味深い。あくまで、子ども(女の子)自らが習いたいスポーツではなく、ママが子ども(女の子)に習わせたいスポーツの結果であり、おそらくママ自身がこれまで生きてきて「武道」を習っていたほうが良かったと思う経験があったからであろう。

図1 子ども(女の子)に習わせたい「スポーツ」

図1

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ところで私の関心は、ママが思い浮かべる子どもに習わせたいスポーツ、その心の奥に隠された選択の理由である。ここに私は2つの仮説を立てた。1つ目は、子どもの母親(パパからみて妻、ママ)が学生時代に、最も注力して取り組んでいたスポーツであること、2つ目は、中学・高校時代にとくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツであることだ。そこで第2に、「あなたが中学・高校時代に、最も注力して取り組んでいたスポーツは何ですか」という質問をし、1つだけ選択して頂いた。結果、テニスが最も多く(14.34%)、次いでバレーボール(12.60%)、バスケットボール(12.16%)と続く(図2参照)。アラフォー男の私が学生時代を思い返してみても、女子にとってこれらは人気が高く、この結果を容易に受け入れることができる。

図2 子ども(女の子)の母親が、学生時代(中学・高校)に最も注力して取り組んでいた「スポーツ」

図2

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第3に、「あなたが中学・高校時代に、とくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツは何ですか」という質問をし、1つだけ選択して頂いた。結果、ダンスが最も多く(20.04%)、次いでバスケットボール(7.67%)、テニス(7.23%)と続く(図3参照)。前問の、お子様の母親が学生時代に最も注力して取り組んでいたスポーツの結果と異なり、「ダンス」が他に比べ圧倒的に多いことが興味深い。時流にものり、今日まさにダンスブームであることは疑いようもない事実であるが、バスケットボールやテニス、バレーボールに比べ、これほどまでに「ダンス」をママたちが学生時代を振り返ってみても取り組みたかったと考えていることは驚きである。

図3 中学・高校時代にとくに取り組みたかった、もしくは習いたかった「スポーツ」

図3

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さて、ここからが本レポートのクライマックスであるが、上記第1に質問した「子どもに習わせたいスポーツ」と第2に質問した「学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」とが同じであった各競技の回答者数とその割合を図4の真ん中の列に、また、上記第1に質問した「子どもに習わせたいスポーツ」と第3に質問した「中学・高校時代に、とくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツ」とが同じであった各競技の回答者数とその割合を図4の右の列に記した。たとえば水泳であれば、「子どもに習わせたいスポーツ」として回答したママは298人(32.64%)で、「子どもに習わせたいスポーツ」と「学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」が一致したのが20人(6.71%)、「子どもに習わせたいスポーツ」と「中学・高校時代に、とくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツ」が一致したのが26人(8.72%)である(図4参照)。ポイントは、「子どもに習わせたいスポーツ」と「学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」の一致率と、「子どもに習わせたいスポーツ」と「中学・高校時代に、とくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツ」の一致率のどちらが高いかである。

図4 結果概要(まとめ)

図4

各列 左;人数、右;割合(%)

図4の真ん中の列にある「子どもに習わせたいスポーツ」と「学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」の一致率を抜き出して横棒グラフに表現したのが図5である。子どもに習わせたいスポーツとして「ソフトボール」と回答した7人のうち5人(71.43%)は、自身が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツも同様に「ソフトボール」であった。次いで両者が一致した割合は「卓球」、「バレーボール」の順であった。これらのスポーツは、母親自身が学生時代に注力し何らか良いと思った経験があったからこそ、我が子にも習わせたいと考えているのであろうが、一方でおもしろいことに、子どもに習わせたいスポーツとして他を圧倒して多かった「水泳」は、自身が学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツとして同じく「水泳」と答えた割合が6.71%と低く、同様にダンスも8.82%と低かった。おそらくこれらのスポーツは、母親自身が学生時代に注力していなかった、もしくは良い思い出のないものなのかもしれず、いずれも自身(母親)が注力していたという理由から必ずしも子どもに習わせたいという理由ではないようだ(図5参照)。

図5
「子ども(女の子)に習わせたいスポーツ」と「子ども(女の子)の母親が、学生時代(中学・高校)に最も注力して取り組んでいたスポーツ」とが同じ割合

図5

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図4の右の列にある「子どもに習わせたいスポーツ」と「中学・高校時代に、とくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツ」の一致率を抜き出して横棒グラフに表現したのが図6である。子どもに習わせたいスポーツとして「スケート(アイススケート)」と回答した2人のうち1人(50.00%)が中学・高校時代に、とくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツが同様に「スケート(アイススケート)」であり、次いで子どもに習わせたいスポーツとして「ソフトボール」と回答した7人のうち3人(42.86%)が中学・高校時代に、とくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツが同様に「ソフトボール」であった。興味深いのは、子どもに習わせたいスポーツとして「ダンス」と回答した136人のうち51人(37.50%)が中学・高校時代に、とくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツとして同様に「ダンス」と回答していることだ。読者の皆様も容易に想像できると思うが、ダンスは、他競技に比べママが子どもに習わせたいと思う理由は、自身の若かりし頃に取り組みたかったスポーツであることに少なからず起因しているようだ。

図6
「子ども(女の子)に習わせたいスポーツ」と「子ども(女の子)の母親が、中学・高校時代にとくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツ」とが同じ割合

図6

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最後に、「子どもに習わせたいスポーツ」は「学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」と「中学・高校時代に、とくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツ」のいずれの要因が大きいのかを検証するため、図4の真ん中の列と右列の割合の平均値の差の検定を行った。結果、「子どもに習わせたいスポーツ」と「学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」の一致率は27.87%、一方、「子どもに習わせたいスポーツ」と「中学・高校時代に、とくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツ」の一致率は25.51%(t= .315, df=34, p >.1)と、10%水準でも有意ではないが、若干、「子どもに習わせたいスポーツ」としての理由として「中学・高校時代に、とくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツ」だからというよりも、「学生時代(中学・高校)に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」だからということのほうが影響を与えているかもしれない。

【まとめ】
本レポートでは「親(*ママにターゲットを絞る)が幼少の子ども(女の子)のスポーツに関する習い事をいかなる理由で決めるのか」を明らかにすべく、その理由として2つの仮説(①子どもの母親が学生時代に最も注力して取り組んでいたスポーツである、②学生時代にとくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツである)をたて、そのどちらが強く影響を与えるのかを探る調査を行った。結果、「子ども(女の子)に習わせたいスポーツ」としては、その理由として母親自身が「学生時代(中学・高校)にとくに取り組みたかった、もしくは習いたかったスポーツである」からというよりも、「学生時代に、最も注力して取り組んでいたスポーツ」だからということのほうが若干影響を及ぼしているようであるが、今後の更なる追跡調査が必要である。

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(コズレ子育てマーケティング研究所 飯野)

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