最近、育児用品メーカーのマーケティング担当者から新たな商品開発が難しいという声を、頻繁に耳にするようになった。一様に、乳幼児をもつママの思考や情報探索行動がわからないからだと言う。
モノがあふれ、情報があふれ、ママが真に何を求めているのか、そしてママがどのような情報を信じて聞き入れているのか。売れる商品を開発することは難しい。
難易度が高いマーケットイン
商品開発の代表的な手法として、マーケットイン・プロダクトアウトがある。
いずれの手法も顧客のニーズに立脚することには変わりはないが、マーケットインはより顧客のニーズにフォーカスし、プロダクトアウトは自社の強みや技術にフォーカスした商品開発である。
たしかに、育児用品・サービスにおいては、マーケットインの開発は難易度が高い傾向にある。
その理由は、①直接の受益者である乳幼児が調査に答えられない、②プレママ・ママパパの調査パネルを持つ調査会社が限られている、の2点である。
乳幼児は答えられない
まず、育児用品・サービスを利用して直接的に便益を受けるのは乳幼児であるが、その感想について自ら話してもらうことはできない。そのため、代理として保護者であるプレママ・ママパパに調査をし、そこからニーズを引き出すという間接的な手法を取らざるを得ない。調査設計や示唆出しには、一定の知識や経験が求められることになる。
調査パネルを確保しにくい
次に、プレママ・ママパパは、日々、妊娠し、出産し、子どもが成長していくことから、継続的に入れ替わっていく。そのため、特に妊娠・出産のタイミングを把握し、十分な数の調査パネルを常に維持し続けることは、大手調査会社にとっても困難である。
マーケットインの共同商品開発を得意とするコズレ
弊社は、自社運営する子育てメディア「コズレ」会員である、プレママ・ママパパ70万人の独自パネルを保持しており、累計500万を超える回答を収集・分析をしてきた実績・経験を持っている。
つまり、育児用品・サービスの商品開発をマーケットインで進めるうえで、各社が直面する課題の対処法を持ち合わせているのである。この点をご評価いただき、様々な企業様から共同商品開発に関するご相談をいただく機会が増えている。
カトージ様とのベビー布団開発
弊社が参画した共同商品開発の代表的な事例として、カトージ様とのベビー布団の共同開発をご紹介したい。
カトージ様は信頼の厚いベビー用品を数多く作り続けてきた老舗メーカー。直営店も構えており、お客様からリアルな声を聞くことで、これまでもユーザーの声に根差した商品開発を行ってきた実績を持つ。また、ベビーベッドでは国内No.1の市場シェアを有す、赤ちゃんの眠りのプロ集団である。
この取り組みでは、弊社がプレママ・ママパパのニーズを調査分析し、その結果をカトージ様の技術力で商品として形にしていただいた。
先輩ママパパ1万人以上の声をカタチに
この共同開発では、弊社によるニーズの調査分析は、WEBリサーチ・グループインタビューを通じて行った。
まず、実施をしたのがプレママへのWEBリサーチである。ベビー布団購入を控える被験者への調査で、購入検討にあたっての疑問点を洗い出した。
次に、既に出産してベビー布団を利用した先輩ママパパを被験者としたWEBリサーチを実施。プレママの疑問点に対する見解や購入時に重視すべき項目について回答を得た。なお、この2回のWEBリサーチは、被験者数11,011人という大規模なものとなった。
さらに、弊社ママ編集者によるグループインタビューを実施し、これらの調査結果をさらに深掘りして、プレママ・ママパパのベビー布団に関するインサイトを明らかにした。
調査分析の結果は、カトージ様のご担当者から以下の通りご評価いただいている。
「今回の企画には、ママの気持ちに寄り添った商品開発にしたいという強い想いがありました。カトージの企業コンセプトである「楽しいベビーグッズを。」皆様にお届けするためにも、実際に使って頂くママに赤ちゃんとの時間をより楽しんで欲しい、その気持ちからママの声をカタチにすることにとことんこだわった商品開発にしたかったんです。」(株式会社カトージ 伊沢様)
「1万人もの方にご協力いただいたアンケートや、コズレの先輩ママさんとの座談会で、リアルなママの「こうだったらいいのに!」といった声をたくさん聞くことができ、とても参考になりました。使ってくださるママが「これを買ってよかった!」と思えるようなお布団セットをコズレ様と作りたいという思いが強くなりました。」(株式会社カトージ 高橋様)
※商品開発の詳細については、以下の記事を参考にしていただきたい。
「カトージ×コズレで開発中! 1万人の先輩ママのこんなベビー布団が欲しかった!」
1万人のママの声をカタチに!コズレ×カトージ限定コラボベビー布団ついに登場!
ママの声にとことんこだわった商品開発のパートナー
弊社は、こうした育児用品・サービスの商品開発に携わらせていただくことは、「子育てビッグデータを通じ、子育ての喜びを大きくする」というミッションを成し遂げる重要な手段であると位置づけている。
「ママの声にとことんこだわった商品開発」というコンセプトに共感していただける企業様はぜひ、弊社にお声がけをしていただきたい。
(コズレ子育てマーケティング研究所 飯野、早川)