1. はじめに
厚生労働省によると、日本人の果物摂取量は1975年をピークに長期的に減少している。「令和5年 国民健康・栄養調査」では成人の1日あたりの果物摂取量平均が約93gと報告され、健康日本21の目標(200g)を大きく下回っている。特に若い世代では摂取量がさらに低く、社会全体として十分な果物摂取が続いていない実態が明らかになっている。
一方、子育て世帯においては、果物はビタミン補給などの「子どもの健康管理」や、多様な味覚を形成する「食育」の観点から、日々の食卓に欠かせない重要なカテゴリーである。そのため、多くの保護者にとって、子どもの成長というライフステージの変化に合わせて食材選びの基準をアップデートすることは重要事項と考えられる。
本レポートでは、2025年12月~2026年1月に実施した『子育て世帯の「果物」購買行動市場調査』の結果を基に、果物の購入頻度や購買理由、子どもに与える頻度や子どもが生まれてから購入の増減があった果物の種類、ブランド認知の実態等について分析を行った。
本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
2. 調査
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:生後0歳6ヶ月以上の子を持つ親
調査期間:2025年12月16日(火)〜2026年1月13日(火)
有効回答者数:572名
3. 結果・考察

子育て世帯では約94%に果物購入習慣

子育て世帯における果物購入習慣は定着しており、93.71%の家庭が日常的に果物を購入している。購入頻度では「週1~2回」が最も多く(46.08%)、全体の63%以上が週1回以上果物を購入することが分かった。果物は、子どもの健康や食育の観点から、家庭の食卓に欠かせない存在であり、非常に高いリピート率を示している。
「生後6~11ヶ月」に購買行動が劇的な転換


出産を機に果物の「種類」や「量」に大きな変化が生じることが明らかになった。具体的には、52.29%の家庭で購入する果物の種類が変わり、64.05%以上の家庭で購入量に変化が生じた。この変化は、特に「0歳6ヶ月~11ヶ月」で顕著に現れ、子どもが離乳食を始めるタイミングに合わせて果物の役割が変わることが影響していると考えられる。このライフステージをターゲットにしたマーケティングが、購買意欲を喚起する有効な手段となるだろう。
購買の起点は「子どもが食べるかどうか」


子どもに与える頻度は、「毎日」が最も多く(29.19%)、次いで「週1~2回」(23.53%)であり、9割以上の家庭が週1回以上果物を与えていることがわかった。購入理由は、「子どもが好きだから」が約74%で最も多く、「ビタミンがとれる」(37.91%)や「子どもの健康に良い」(31.37%)が主な理由として挙げられた。この結果は、育児において子どもの嗜好を重視する傾向や、健康管理のために果物を取り入れたいという保護者の意識を反映している。
最も多く購入されている果物は「バナナ」で、91.50%の家庭が購入している。一方で、みかんやりんごはバナナに比べて購入頻度は劣るものの、49.89%、47.06%の家庭で購入されている。
果物を選ぶ際に最も重視される要素は「甘さなど味(74.51%)」、次いで「価格」(46.19%)や「子どもの食べやすさ」(44.23%)であった。
情報源の8割が「店頭」に偏る果物購買と、デジタル事前認知の空白 

購買場所と情報収集の経路を分析すると、購買プロセスが依然としてオフラインが中心であることが明らかになった。
メインの購入場所は 「スーパー」が96.73%と圧倒的であり、 参考にする情報源は「店頭」が83.22%に上る。 広告の影響を受けて購入した経験がある層は20.26%に留まっている。
多くの生活者は、店舗の棚を見てから購入を決定する「非計画購買」に近い行動をとっている。これは裏を返せば、来店前にブランドを意識させる「事前アプローチ」が十分でない可能性がある。競合がひしめく店頭の棚で比較される前に、生活者の脳内シェアを奪う「Zero Moment of Truth (ZMOT)」の攻略が、指名買いを促進する鍵となる。
果物選択におけるブランド認知の役割

果物のブランド認知度には多寡が見られ、特に「バナナ」や「いちご」など、日常的に接触機会の多い果物については、比較的高いブランド認知が確認された。具体的には、いちごの「あまおう」「とちおとめ」、バナナの「Dole」、シャインマスカット、夕張メロンなどが上位に並んだ。ブランドは「顧客との約束」とも換言される。これら上位のブランドは、その品質が子育て層にも認められ、認知されたブランドともいえよう。
なお、シャインマスカットは、種なしで皮ごと食べられる点が評価され、子どもに与えやすい果物として購入されるケースがある。子どもがいることによって価値が高まる属性もあり、それによって購買行動が変化することもありうる、ということである。
こうした消費行動の変化を捉えることで、育児という機会は、より一層のブランド認知拡大・選好の醸成を促す機会になると言えよう。
4. 調査項目
- 果物の購入習慣
- 購入頻度
- 子どもに与える頻度
- よく買う果物
- 購入する理由
- 購入する場所
- 1週間あたりの購入金額
- 出産後の購入する種類の変化
- 出産後購入するようになった果物
- 出産後購入しなくなった果物
- 種類に変化があった際の子どもの年齢
- 出産後の購入する量の変化
- 出産後購入量が増えた果物
- 出産後購入量が減った果物
- 量の変化があった際の子どもの年齢
- 購入する際の情報源
- 広告の影響の有無
- 果物に期待していること
- 購入しない理由
- 果物ブランドの知名度
※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
5. おわりに
本調査から、子育て世帯における果物購入習慣は定着しており、果物が日常的に取り入れられている食品であることが改めて確認された。約94%の家庭が果物を購入しており、特に週1回以上の購入が多数を占めるなど、果物は子どもの健康管理や食育を支える存在となっている。とりわけ生後6~11ヶ月の離乳食開始期に、購入する果物の種類や量が見直される点は、子育てというライフステージが購買行動に影響することを示している。
果物選択の起点は「子どもが食べるかどうか」にあり、「甘さ」や「価格」といった基本的な価値を重視しながらも、「食べやすさ」や「手間のかからなさ」といった実用的な要素が組み合わさって判断されている実態が浮かび上がった。バナナが高い購入率を維持している背景には、こうした条件を満たす“失敗しにくい果物”としての位置づけがあると考えられる。
また、購買行動の多くがスーパーなど店頭を起点とした非計画購買であるため、「これを選べば大きく外さない」という安心感が、日常の購買シーンにおいても選ばれやすさにつながっている可能性がある。特に子育て家庭においては、店頭での比較負荷の軽減が、限られた時間の中での意思決定を後押しすると考えられる。
今後の果物市場においては、来店前の段階でどのような認知を形成できるかが、指名買いや選ばれやすさに影響を与える余地は大きいだろう。
上述の分析に基づき、コズレでは以下のような例がご提案可能である。
①コズレDMによる「Pivot Pointへのダイレクトアプローチ」 によって、「子どもの月齢×住所」を指定して、はがき型DMを発送可能。離乳食開始直前の生後6ヶ月前後の世帯をピンポイントで抽出し、果物ブランドのベネフィットを直接届けることで、スーパーでの買い物における「事前認知」を強力に形成する。
②購買動機を刺激する「タイアップ記事 × プレゼントキャンペーン」 調査で明らかになった「ビタミンがとれる(37.91%)」「子どもの健康に良い(31.37%)」という具体的な購入動機に基づいたコンテンツを制作。アンケートモニターやサンプリングを組み合わせることで、認知から試食体験、そして継続購入へと繋げる。
③コズナビによる「パーソナライズされた日齢タイト・マーケティング」 子どもの「日齢・月齢」に合わせて最適な情報を届けるメルマガ「コズナビ」を活用。離乳食の進み具合に悩む「まさにその日」に、食材としての果物の利便性や栄養価を訴求することで、ターゲットのインサイトを突いたタイミングでの情報提供を実現する。
株式会社コズレでは、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 早川、水島)
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【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。
出典:『子育て世帯の「果物」購買行動調査2025~購入頻度・購買理由・ブランド認知の実態~(株式会社コズレ)』https://cozre.co.jp/blog/17709/
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)
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