1. はじめに
共働き世帯の拡大により、家族間の予定や子どもの行事・習い事を効率的に管理する必要性が高まっている。こうした背景のもと、家族でカレンダーを共有できる「スケジュール共有アプリ」が注目を集めている。しかし、子育て世帯における利用率や選ばれるアプリ、利用目的の実態は十分に明らかになっていない。そこで本調査では、スケジュール共有アプリの利用実態・ブランド認知・選定理由・利用開始時期を明らかにした。
本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
2. 調査
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:3歳以上の子どもを持つ親
調査期間:2026年1月8日〜2026年2月5日
有効回答数:194名
3. 結果・考察

📊 本章で言及する全グラフ(図1〜図13)は、記事末尾にまとめて掲載しています。
各小見出しの「→ 図〇」の番号と対応していますので、あわせてご参照ください。
利用率は約37.6%にとどまり、未利用層が多数(→ 図1)
家族とスケジュールを共有するためのアプリを利用しているのは約37.6%であり、利用していない層が約62.4%と多数を占めた(→ 図1)。子育て世帯では予定管理のニーズが高いと想定されるものの、アプリによる共有はいまだ普及途上にあると考えられる。裏を返せば、未利用層という大きな潜在市場が残されている状況である。特に、幼稚園・小学校へと進むにつれて管理すべき予定は増えるため、年齢の上昇に伴って共有ニーズと利用率が高まる可能性がある。
未利用層が過半を占める現状は、新規利用者の獲得余地が大きいことを示唆している。
未利用の最大理由は「必要性を感じない」約45.8%(→ 図2)
利用していない理由は「アプリを使う必要性を感じない」が約45.8%で最多であり、「家族がアプリに慣れていない」約17.6%、「過去に使ったが定着しなかった」約16.0%、「紙の手帳で管理できている」約15.3%が続いた(→ 図2)。機能や価格への不満よりも、そもそもの必要性認識の低さや既存手段での充足が主因と考えられる。
未利用層の開拓には、機能訴求よりも「共有がもたらす負担軽減」という価値の可視化が有効と考えられる。
認知・利用ともにTimeTreeが圧倒的(→ 図3・図4)
知っているアプリは「TimeTree」が約82.2%で突出し、「Googleカレンダー」約30.1%、「Yahoo!カレンダー」約15.1%が続いた(→ 図3)。利用したことがあるアプリでも「TimeTree」が約79.5%と圧倒的であった(→ 図4)。家族共有に特化したTimeTreeが、子育て世帯において事実上の標準的存在になっていると考えられる。
新規参入ブランドはTimeTreeとの正面競合を避け、特定ニーズに特化した差別化が求められる。
最初の選択・比較検討でもTimeTreeが中心(→ 図5・図6)
最初に利用したアプリは「TimeTree」が約75.3%、「Googleカレンダー」約15.1%であった(→ 図5)。比較検討の段階でも「TimeTree」約79.5%、「Googleカレンダー」約31.5%が中心であり、検討対象そのものがこの2ブランドにほぼ収れんしている(→ 図6)。初回選択時点で想起される選択肢が限られていることがうかがえる。
検討リストに入るための第一想起の獲得が、シェア拡大の最大の鍵になると考えられる。
利用目的は「家族の予定管理」がほぼ必須機能(→ 図7)
利用目的は「家族の予定管理」が約95.9%でほぼ全員に共通し、「子どもの行事/習い事の管理」約75.3%、「仕事のスケジュール管理」約38.4%が続いた(→ 図7)。単なる個人カレンダーではなく、家族・子どもの予定を束ねるハブとして使われている実態が示唆される。
子どもの行事管理を起点とした訴求が、子育て世帯の利用動機と合致しやすいと考えられる。
選定理由・最重視点は「共有のしやすさ」(→ 図8・図9)
利用した理由は「家族と予定を共有しやすいから」が約86.3%で最多、「無料で使えるから」約50.7%、「子どもの予定の管理がしやすいから」約45.2%が続いた(→ 図8)。最も重視した点でも「共有のしやすさ」が約65.8%で突出し、「無料で使えること」約19.2%を大きく上回った(→ 図9)。価格よりも共有体験そのものが決定要因と考えられる。
競合優位の源泉は価格訴求ではなく、共有時のUX(使い勝手)にあると考えられる。
認知経路は「家族からの紹介」が最多(→ 図10)
利用アプリを知ったきっかけは「家族からの紹介」が約34.2%で最多、「アプリストアで見つけた」約20.5%、「SNSで見た」約13.7%が続いた(→ 図10)。共有アプリという性質上、すでに利用している家族を通じて広がる口コミ型の浸透が中心と考えられる。
既存ユーザーの家族内紹介を促す仕組みが、効率的な利用者拡大につながると考えられる。
選ばなかった理由は「覚えていない」が最多(→ 図11)
検討したが選ばなかった理由は「覚えていない」が約43.8%で最多であり、明確な不満理由としては「家族との共有がしにくそうだった」約15.1%、「操作が分かりにくかった」約13.7%が挙がった(→ 図11)。選定時の関与度が必ずしも高くなく、印象に残らないまま選択されている可能性がある。
第一印象段階での共有しやすさ・操作性の明確な訴求が、選定離脱の防止に有効と考えられる。
利用開始は「妊娠前から」が約半数(→ 図12・図13)
アプリを使い始めた時期は「妊娠前から使っていた」が約56.2%と最多であった(→ 図12)。検討を始めた時期も「妊娠前」が約50.7%で、出産後の3歳・6歳以上にも一定の山が見られた(→ 図13)。多くは育児を機に新規導入するのではなく、既存の習慣を子育て期にも継続している実態が示唆される。ただし、3歳・6歳以上に検討の山が見られる点は、就園・就学に伴う予定の増加が新たな導入契機となりうることを示唆している。
妊娠前からの利用者を子育て文脈につなぎとめる継続施策と、就園・就学期の予定増加を捉えた未導入層への接点づくりの両面が重要と考えられる。
4. 調査項目
- あなた自身について(居住地・就労状況・年齢・性別)
- お子さん(一番上)の今の月齢
- 家族とスケジュールを共有するためのアプリの利用有無
- 最初にアプリの利用を検討し始めた時期(子の月齢)
- 家族でアプリを使い始めた時期
- 知っているスケジュール共有アプリ
- これまで利用したことがあるスケジュール共有アプリ
- スケジュール共有アプリの利用目的
- 最初に比較検討したブランド
- 最初に利用したスケジュール共有アプリ
- そのアプリを利用した理由
- 選んだ理由の中で最も重視した点
- 利用アプリを知ったきっかけ(認知経路)
- 検討したが選ばなかった理由
- スケジュール共有アプリを利用していない理由
※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
5. おわりに
本調査からは、3歳以上の子どもを持つ家庭におけるスケジュール共有アプリの利用は約37.6%にとどまり、未利用層が多数を占める実態が明らかになった。未利用の理由は「必要性を感じない」が中心であり、機能や価格以前に必要性認識の喚起が課題と考えられる(図1・図2)。
ブランド構図に目を向けると、認知・利用経験・最初の選択・比較検討のいずれにおいても「TimeTree」が約75〜82%と独占的な地位を築いている。検討対象そのものがTimeTreeとGoogleカレンダーに収れんしており、新規参入には第一想起の獲得が大きな壁になると考えられる(図3〜図6)。
利用の実態としては、目的の中心は「家族の予定管理」(約95.9%)と「子どもの行事/習い事の管理」(約75.3%)であり、選定の最重視点は「共有のしやすさ」(約65.8%)であった。認知経路は「家族からの紹介」(約34.2%)が最多で、口コミ型の浸透が中心となっている(図7〜図10)。
利用開始時期は「妊娠前から」が約半数を占め、子育てを機に新規導入するというより既存習慣の継続が中心であった。一方で選ばなかった理由の最多が「覚えていない」(約43.8%)であった点からは、選定時の関与度の低さもうかがえる(図11〜図13)。なお本調査は3歳以上を対象としているが、幼稚園・小学校へと進むにつれて行事・習い事・学校行事などの予定量は増えるため、年齢の上昇に伴って共有ニーズと利用率が高まる可能性がある。就園・就学のタイミングを新規導入の好機と捉えた接点づくりが有効と考えられる。
コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 早川)
【グラフ】図1〜図13(全グラフまとめ)

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。
出典:「「スケジュール共有アプリ」市場調査2026(株式会社コズレ)」https://cozre.co.jp/blog/19554
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)


