「チャイルドシート」市場調査2026

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1. はじめに

チャイルドシートは、6歳未満の幼児を自動車に乗せる際に着用が義務付けられた、子育て世帯にとって不可欠な安全装備である。一方で、価格帯・機能・安全規格は年々多様化しており、はじめて選ぶママ・パパにとっては「何を基準に、いつ、どこで選べばよいのか」が分かりにくいという課題がある。近年はR129(i-Size)など新たな安全規格への対応も進み、比較検討や買い替えの判断はいっそう複雑になりつつある。そこで本調査では、生後1歳以上の子どもを持つママを対象に、チャイルドシートの認知・比較検討・購入・買い替えに至る一連の実態を明らかにした。

本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

2. 調査

調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:生後1歳以上の子どもを持つコズレ会員のママ
調査期間:2026年4月20日(月)〜2026年5月19日(火)
有効回答数:232名

3. 結果・考察

📊 本章で言及する全グラフ(図1〜図22)は、記事末尾にまとめて掲載しています。

各小見出しの「→ 図〇」の番号と対応していますので、あわせてご参照ください。

チャイルドシートの保有率は約81%(→ 図1)

生後1歳以上の子どもを持つママのうち、チャイルドシートを購入した経験があると回答した割合は約81%であった(→ 図1)。着用の義務化や安全意識の高まりを背景に、保有はほぼ一般化していると考えられる。一方で残る約19%は、不使用及びお下がりやレンタルなどで代替している層と考えられる。この層は、フリマアプリ、レンタルサービスの浸透に伴い、拡大傾向にあると想定される。

保有が前提化したなかで、未購入層をどう捉えるかが市場維持の論点になると考えられる。

検討・購入のピークは妊娠後期に集中(→ 図3・図5)

購入を検討し始めた時期は妊娠後期が約47%、妊娠中期が約26%であり、実際に購入した時期も妊娠後期が約60%と突出していた(→ 図3・図5)。出産準備の一環として、出産間近のタイミングで一気に検討から購入まで進む傾向がうかがえる。

妊娠中期から後期にかけてが、情報接触と購入を促す最重要のタイミングであると考えられる。

約3人に1人が「即決」で購入(→ 図4)

検討にかけた期間は「即決」が約33%で最多であり、1週間以内に決定した層を合計すると約65%に達した(→ 図4)。出産準備で時間的余裕が限られるなか、あらかじめ目星をつけて短期間で決断する購買行動が示唆される。

短期決戦であるため、最初の接触機会で比較の決め手を提示できるかが鍵になると考えられる。

認知はアップリカ・コンビが二強(→ 図6)

知っているブランドはアップリカが約67%、コンビが約65%と拮抗して上位を占め、続く西松屋(約50%)・Joie(約43%)を引き離した(→ 図6)。長年の販売実績を持つ国内老舗ブランドが、認知の面で依然として強い基盤を保っていると考えられる。

比較検討では二強が拮抗、購入はアップリカが先行(→ 図7・図10)

比較検討したブランドはアップリカ・コンビがいずれも約57%で並んだが、実際に最初に購入したブランドはアップリカが約27%、コンビが約23%とアップリカがやや先行した(→ 図7・図10)。比較段階では拮抗していた両者の差が、最終的な購入で開いている点が注目される。

僅差の比較が購入で差に転じる背景には、店頭体験や価格、在庫などの最終的な後押し要因がある可能性がある。

約83%が購入前に実物を確認、主役はアカチャンホンポ(→ 図8・図9)

比較検討の際に実物を見に行ったと回答した割合は約83%にのぼり、その場所はアカチャンホンポが約46%で最多、次いで西松屋が約24%であった(→ 図8・図9)。サイズ感や着脱のしやすさなど、実物でしか確認しにくい要素が選定に影響していると考えられる。

大型ベビー用品専門店の店頭が、比較検討の主戦場になっていると考えられる。

購入の最重視理由は「安全性」、次いで「価格」(→ 図11・図12)

そのブランドを選んだ理由(複数回答)は安全性が約59%、価格が約53%、シート回転機能が約43%と続いた。最も重視した理由を一つ選ぶと安全性が約37%、価格が約20%であった(→ 図11・図12)。R129などの規格意識が安全性への関心を支えていると考えられる一方、最終判断では価格が無視できない要素となっている。

安全性で関心を引きつけ、価格で最終決定を後押しする訴求設計が有効であると考えられる。

購入チャネルは店頭が主流、ECも約4分の1(→ 図13)

最初に購入した場所はアカチャンホンポが約28%、西松屋が約21%と店頭が中心であったが、EC(楽天・Amazon等)を合算すると約25%を占めた(→ 図13)。実物を店頭で確認したうえで、購入はオンラインで完結させる動きがうかがえる。

店頭での体験とECでの購入をつなぐO2O導線の設計が有効であると考えられる。

価格帯は1〜2万円台と3〜4万円台の二峰性(→ 図14)

最初に購入したチャイルドシートの価格は「10,000〜20,000円未満」と「30,000〜40,000円未満」がいずれも約21%で並び、二峰性を示した(→ 図14)。エントリー価格帯と多機能・高価格帯に需要が二分されていると考えられる。

価格帯ごとに訴求軸を分けた商品・販促設計が求められると考えられる。

約98%が「買ってよかった」と回答(→ 図15)

チャイルドシートが振り返って必要だったかという問いには、約98%が「必要」と回答した(→ 図15)。購入後の満足度はきわめて高く、必要性そのものへの疑念はほとんど見られないと考えられる。

再購入基準も「安全性」が突出(→ 図16・図17)

今あらためて選ぶときの基準(複数回答)は安全性が約71%で突出し、最も重要な基準を一つ選ぶと安全性が約64%に達した(→ 図16・図17)。購入時に最重視として安全性を挙げた割合(約37%)と比べると、使用経験を経て安全性の比重が一段と高まっていることがうかがえる。

実際に使った経験が、安全性を最優先する価値観をいっそう強めていると考えられる。

買い替えは約16%、時期は1歳前後(→ 図18・図21)

最初の購入以降に別ブランドへ買い替えた経験があるのは約16%にとどまり、その時期は1歳が約38%、2歳が約17%であった(→ 図18・図21)。子どもの成長に伴う適合区分の変更(ジュニアシートへの変更)が、買い替えの主な契機になっていると考えられる。

買い替え先はコンビが逆転首位、理由は価格(→ 図19・図20)

買い替え先に選んだブランドはコンビが約28%で首位となり、買い替え時に重視した理由は価格が約31%で最多であった(→ 図19・図20)。最初の購入ではアップリカが先行していたのに対し、二台目ではコンビが首位に立つ逆転が見られる。

二台目需要は価格感度が高く、この層をコンビが取り込んでいる可能性が示唆される。

未購入の最大理由は「お下がり」(→ 図22)

チャイルドシートを購入しなかった理由は「親族・知人からのお下がり」が約44%で最多、次いで「車を持っていない・車移動しない」が約27%、「プレゼントされた」が約20%であった(→ 図22)。未購入層の多くは、必要性を感じていないというより、譲渡や生活環境によって新品購入に至っていないと考えられる。

未購入層への新品需要の掘り起こしには、買い替えや安全性更新を切り口とした別アプローチが必要であると考えられる。

4. 調査項目

  • チャイルドシートを買ったことがあるか
  • 子ども(最年長児)の現在の月齢
  • 購入を検討し始めた時期
  • 購入を決めるまでにかかった検討期間
  • チャイルドシートを購入した時期
  • 知っているチャイルドシートのブランド(認知)
  • 最初の購入時に比較検討したブランド
  • 比較検討の際に実物を見に行ったか
  • 実物を見に行った場所
  • 最初に購入したチャイルドシートのブランド
  • そのブランドを購入した理由(複数回答)
  • 購入時に最も重視した理由
  • 最初にチャイルドシートを購入した場所
  • 最初に購入したチャイルドシートの価格
  • チャイルドシートは振り返って必要があったか
  • 今あらためて購入するときの選定基準(複数回答)
  • 選定基準のうち最も重要だと思うもの
  • 最初の購入以降、別ブランドへ買い替えたことがあるか
  • 買い替え先に選んだブランド
  • 買い替え時にそのブランドを選んだ理由
  • チャイルドシートを買い替えた時期
  • チャイルドシートを購入しなかった理由

※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

5. おわりに

検討・購入のフェーズでは、検討開始も購入も妊娠後期に集中し、約3人に1人が即決、約65%が1週間以内に決断していた。妊娠中期から後期にかけての短期間が、情報接触から購入までを左右する最重要局面であると考えられる(図3・図4・図5)。

認知・比較から購入のフェーズでは、アップリカとコンビが認知・比較で二強を形成し、購入ではアップリカが先行した。約83%が店頭で実物を確認し、その中心はアカチャンホンポであった。選定理由は安全性と価格が中心で、購入チャネルは店頭が主流ながらECも約4分の1を占め、価格帯は1〜2万円台と3〜4万円台に二極化していた(図6〜図14)。

評価・買い替えのフェーズでは、約98%が購入を「必要だった」と評価し、再購入基準では安全性の比重が購入時よりさらに高まっていた。買い替え経験は約16%と限定的だが、その局面ではコンビが首位に逆転し、価格が最大の決め手となっていた(図15〜図21)。

なお、未購入層の多くはお下がりや生活環境、レンタルを理由としており、必要性そのものを否定しているわけではない点も示唆された(図1・図22)。

コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 早川)

【グラフ】図1〜図22(全グラフまとめ)

「チャイルドシート」市場調査2026 図1〜図22 グラフまとめ

【出典の記載についてのお願い】

調査結果を利用する際は出典を記載してください。
出典:「「チャイルドシート」市場調査2606(株式会社コズレ)」https://cozre.co.jp/blog/19837
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)

この記事の著者

株式会社コズレ 取締役 早川修平の写真

著者: 早川 修平(株式会社コズレ 取締役/MBA)

NTT東日本にて法人営業、マーケティング、経営企画を経験後、慶應義塾大学大学院(在学中、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院へ留学)にてMBAを取得。戦略コンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」にて自動車・金融業界など幅広いクライアント向けにマーケティング戦略立案、ビジネスプロセス改善の支援に従事。

その後、子育て世代向けWebメディア「コズレ」を創業期から運営責任者として牽引し、会員数100万人超のプラットフォームへと成長させる。累計500件以上の子育て世帯を対象とした市場調査を主導し、育児用品メーカーや子育て関連サービス企業向けに、定量・定性データに基づくマーケティング戦略やプロモーション施策を多数提案・実行している。また、子育て世代の購買行動やニーズを踏まえたマーケティング手法に関するセミナーや講演会の講師も務める。

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