1. はじめに
子育て世帯にとって自動車は、保育園や習い事の送迎、日々の買い物、帰省や週末のお出かけまでを支える生活基盤である。チャイルドシートやベビーカーの積載、子どもの乗せ降ろしなど、妊娠・出産を機に車の買い替えや購入を検討する家庭は少なくない。一方で、子育て世帯が「いつ」「何を基準に」「どのメーカー・車種を」選んでいるのか、その実態は十分に明らかになっていない。そこで本調査では、生後1歳以上の子どもを持つママを対象に、自動車の保有状況から購入・検討の実態、選択基準までを明らかにした。
本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
2. 調査
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:生後1歳以上の子どもを持つコズレ会員(ママ)
調査期間:2026年5月13日(水)〜2026年6月4日(木)
有効回答数:369名
3. 結果・考察

📊 本章で言及する全グラフ(図1〜図23)は、記事末尾にまとめて掲載しています。
各小見出しの「→ 図〇」の番号と対応していますので、あわせてご参照ください。
子育て世帯の自動車保有率は約77%(→ 図1)
自動車を「保有している」と回答した割合は約77%にのぼった(→ 図1)。
送迎や買い物など子育てに伴う移動需要が大きく、公共交通だけでは補いにくい場面が多いことが背景にあると考えられる。
子育て世帯は自動車市場の有力なターゲット層であり、継続的な接点づくりが重要と考えられる。
妊娠・出産を機に約3割が購入、約1割が検討中(→ 図2)
妊娠や出産を機に「買い替え/購入した」が約32%、「検討している」が約13%と、合わせて約45%が車に動きを見せていた(→ 図2)。
結婚や出産といったライフイベントが、車という高関与商材の購買トリガーになっていることが示唆される。
妊娠期から乳幼児期は車購入の有力な接点であり、この時期の訴求が効果的と考えられる。
検討開始は「妊娠中」、購入は「0歳」がピーク(→ 図3・図4)
車の検討を始めた時期は「妊娠中」が約28%で最多であった(→ 図3)。一方、実際に購入した時期は子どもが「0歳」のときが約27%で最も多かった(→ 図4)。
妊娠中に情報収集を始め、出産前後で購入に至るという流れが見て取れ、検討から購入までに一定のタイムラグがあることが示唆される。
妊娠期からの早期接触が、その後の購入候補入りを左右すると考えられる。
検討期間は「1ヶ月〜3ヶ月」が最多の短期決戦(→ 図5)
検討開始から購入までの期間は「1ヶ月〜3ヶ月」が約42%で最多であった(→ 図5)。「1週間以内」「1週間〜1ヶ月」を合わせた1ヶ月未満も約31%にのぼる。
出産までの限られた時間で判断する必要があり、比較検討が短期間に集中していることが背景にあると考えられる。
短期間で意思決定が進むため、検討初期に候補へ入ることが受注の鍵になると考えられる。
検討段階の車種はミニバン、メーカーはトヨタが中心(→ 図6・図7)
検討した車種は「ミニバン」が約45%で最多、続いて「ワンボックス」が約34%であった(→ 図6)。検討したメーカーは「トヨタ」が約53%で突出していた(→ 図7)。
スライドドアや積載性に優れた車種が支持され、ブランドへの信頼や情報の入手しやすさがトヨタへの集中を後押ししていると考えられる。
ミニバン×大手メーカーが検討の中心であり、この軸での認知獲得が重要と考えられる。
約6割が1店舗のみ訪問、過去の購入店では約9割が再購入(→ 図8・図9・図10)
訪問した販売店の数は「1か所」が約60%と過半を占めた(→ 図8)。過去に購入した販売店へは約57%が「行かなかった」一方(→ 図9)、訪問した人の約90%が再びその店で購入していた(→ 図10)。
比較検討が限定的である一方、一度関係を築いた店舗の再来店時には高い確率で成約しており、既存顧客との関係性の強さが示唆される。
既存顧客の再来店を促す仕組みが、効率的な成約につながると考えられる。
保有も購入もトヨタ・ミニバンが最多(→ 図11・図12・図13)
購入前に保有していたメーカーは「トヨタ」が約35%で最多であった(→ 図11)。実際に購入した車種は「ミニバン」が約33%(→ 図12)、購入メーカーは「トヨタ」が約36%で最も多かった(→ 図13)。
保有時から購入時までトヨタが一貫して上位にあり、ブランドの乗り換えが起きにくいことや、ミニバン需要の高さが背景にあると考えられる。
既存ブランドの維持力が強く、他メーカーは早期接点での切り替え訴求が求められると考えられる。
新車が約52%、購入額は200万円未満が最多(→ 図14・図15)
購入したのは「新車」が約52%、「中古」が約48%とほぼ拮抗していた(→ 図14)。購入金額は「〜200万円」が約31%で最多、「200万円〜300万円」が約25%で続いた(→ 図15)。
子育て期は出費がかさむ時期であり、価格を抑えつつ中古も選択肢に入れる現実的な購買行動が表れていると考えられる。
価格訴求と中古を含めた提案が、子育て世帯の取り込みに有効と考えられる。
購入の決め手は「スライドドア」、最重視理由でも約46%(→ 図16・図17)
車を購入した決め手は「スライドドアで子どもの乗せ降ろしが楽」が約79%で最多であった(→ 図16)。最も重視した理由でも同項目が約46%と突出していた(→ 図17)。
子どもの乗せ降ろしやチャイルドシートの設置など、育児負担の軽減に直結する機能が選択を強く左右していることが示唆される。
育児動線の利便性を軸にした訴求が、子育て世帯への最も響くメッセージと考えられる。
検討層もミニバン×トヨタ志向(→ 図18・図19)
検討中の車種は「ミニバン」が約44%、「軽自動車」が約40%で続いた(→ 図18)。検討中のメーカーは「トヨタ」が約60%で最も多かった(→ 図19)。
購入者と同様にミニバンと大手メーカーへの志向が強く、検討段階から定番の選択肢が意識されていることが示唆される。
検討層に対しても定番カテゴリでの想起獲得が優先課題と考えられる。
新車・中古は約4割が未定、予算は200〜300万円が最多(→ 図20・図21)
新車・中古の意向は「まだどちらにするか決めていない」が約42%で最も多かった(→ 図20)。想定予算は「200万円〜300万円」が約42%で最多であった(→ 図21)。
検討初期にあたる層が多く、価格帯のイメージは固まりつつも購入形態は流動的であることが示唆される。
未確定の検討層には、新車・中古を横断した予算ベースの提案が有効と考えられる。
検討層の購入予定時期は「未定」「1年以内」が拮抗、選択基準は積載性(→ 図22・図23)
購入予定時期は「未定」が約31%、「1年以内」が約29%と拮抗していた(→ 図22)。車を選ぶ基準は「荷物がたくさん積める」が約81%で最多であった(→ 図23)。
検討者は実用性、とりわけ積載性を重視しており、購入時期を見極めながら情報を集めている段階にあると考えられる。
積載性などの実用価値を継続的に訴求し、購入時期の到来に備えることが重要と考えられる。
4. 調査項目
- 自動車の保有状況
- 妊娠・出産を機の車の購入/検討状況
- (購入者)購入前に保有していたメーカー
- (購入者)車の検討を始めた時期/実際に購入した時期
- (購入者)検討開始から購入までの期間
- (購入者)検討した車種/検討したメーカー
- (購入者)訪問した販売店の数
- (購入者)過去に購入した販売店への訪問/その店での再購入
- (購入者)購入した車種/購入したメーカー
- (購入者)新車・中古の別/購入金額
- (購入者)購入の決め手/最も重視した理由
- (検討者)検討している車種/検討しているメーカー
- (検討者)新車・中古の意向/想定している購入予算
- (検討者)購入予定時期/車を選ぶ際の基準
※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
5. おわりに
子育て世帯の自動車保有率は約77%と高く、妊娠や出産を機に約3割が車を購入し、約1割が検討中であった。ライフイベントが車という高関与商材の購買トリガーになっていることがうかがえる(図1・図2)。
購入者は妊娠中から検討を始め、子どもが0歳のときに購入するケースが多く、検討期間は1ヶ月〜3ヶ月の短期決戦が中心であった。訪問する販売店は1か所に絞られる傾向が強く、過去に購入した店へ行けば約9割が再びそこで購入していた(図3〜図5、図8〜図10)。
選ばれる車はミニバン、メーカーはトヨタが購入前・購入時を通じて中心であり、新車と中古はほぼ拮抗、購入額は200万円台までが大半を占めた。購入の決め手は「スライドドアで子どもの乗せ降ろしが楽」が突出しており、育児動線の利便性が選択を強く左右していた(図12・図13、図14〜図17)。
検討中の層も車種はミニバン、メーカーはトヨタへの志向が強い一方、新車・中古の別や購入時期は未定が多く、これから購買へ向かう層であった。選ぶ基準としては積載性が最も重視されており、実用価値を軸とした継続的な接点づくりが求められる(図18〜図23)。
コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 早川)
【グラフ】図1〜図23(全グラフまとめ)

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。
出典:「「自動車」市場調査2026(株式会社コズレ)」https://cozre.co.jp/blog/19946
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)



