「抱っこ紐」市場調査2026

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1. はじめに

抱っこ紐は新生児期から乳幼児期にかけて日常的に使用する育児アイテムであり、子育て世帯にとって出産準備の中でも優先度の高い購入品の一つである。一方で、ブランドや機能の選択肢が多岐にわたり、いつ、何を基準に選ぶべきか判断に迷う母親も少なくないと考えられる。近年はSNSやクチコミを通じた情報収集の機会も増えており、実際の購入行動や重視ポイントの実態は明らかになっていない。そこで本調査では、抱っこ紐の購入経験や検討時期、ブランドの認知・比較検討、購入理由、買い替え実態を明らかにした。

本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

2. 調査

調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:生後半年以降の子どもを持つママ
調査期間:2026年5月11日~2026年6月10日
有効回答数:521名

3. 結果・考察

📊 本章で言及する全グラフ(図1〜図12)は、記事末尾にまとめて掲載しています。

各小見出しの「→ 図〇」の番号と対応していますので、あわせてご参照ください。

抱っこ紐の購入率は約83%、検討は「即決」が約29%で最多(→ 図1・図2)

抱っこ紐を実際に購入した経験がある人は約83%に上り、多くの子育て世帯にとって定番の育児アイテムとなっていることがうかがえる(→ 図1)。一方、購入検討にかかった期間は「即決(購入を決めるのに迷わなかった)」が約29%で最多となり、1週間以内に決めた人を合わせると相当数に上ることが示唆される(→ 図2)。この背景には、事前の情報収集や周囲の推奨によってブランドや商品像がすでに固まっており、実店舗や販売サイトを訪れた時点で購入を即決できる状態にある家庭が多いことが考えられる。

抱っこ紐は比較検討よりも事前の情報接触の質が購買決定を左右しやすいカテゴリーであると考えられる。

検討・購入とも妊娠後期(7〜8ヶ月)に集中(→ 図3・図4)

抱っこ紐の検討を始めた時期は「妊娠7~8ヶ月」が約30%で最多であり、次いで「妊娠9~10ヶ月」が約20%と続く(→ 図3)。実際の購入時期も同様に「妊娠7~8ヶ月」が約28%、「妊娠9~10ヶ月」が約27%と、妊娠後期に購入行動が集中している(→ 図4)。この背景には、出産準備の一環として、里帰りや入院準備を意識し始めるタイミングで抱っこ紐の必要性を実感する家庭が多いことが示唆される。

出産準備が本格化する妊娠後期こそ、抱っこ紐の情報発信やプロモーションを届けるべき最重要フェーズであると考えられる。

認知・比較検討ともエルゴベビーが圧倒的トップ(→ 図5・図6)

抱っこ紐のブランド認知率は「エルゴベビー」が約79%で最多となり、「アップリカ」約65%、「ベビービョルン」約53%が続く(→ 図5)。比較検討の段階でも「エルゴベビー」が約68%と突出しており、認知から比較検討まで一貫して圧倒的な存在感を示している(→ 図6)。この背景には、長年の実績や口コミの蓄積により、エルゴベビーが「まず候補に挙がるブランド」として定着していることが考えられる。

新規・競合ブランドにとっては、比較検討の土俵に上がる前段階、すなわち認知形成の段階から差別化を図る必要があると考えられる。

実購入もエルゴベビーが約39%で最多、購入場所は店舗中心(→ 図7・図8)

実際に購入したブランドは「エルゴベビー」が約39%で最多となり、「アップリカ」約19%、「ベビービョルン」約11%が続く(→ 図7)。認知・比較検討段階に比べて購入時のシェアはやや分散する傾向がみられ、価格帯や店頭在庫など実購入時特有の要因が影響している可能性がある。購入チャネルは「ベビー用品店(アカチャンホンポ)」が約31%で最多となり、実店舗での購入が中心である一方、EC全体の利用は3割弱にとどまる(→ 図8)。

実物を確認してから購入したいというニーズが強く、店頭での体感・試着導線の強化が販売機会の拡大につながると考えられる。

購入理由は新生児対応、最重視点は安定感・フィット感(→ 図9・図10)

そのブランドを選んだ理由は「新生児から使用可能」が約47%で最多となり、僅差で「安定感・フィット感」約45%が続く(→ 図9)。最も重視した購入理由としては「安定感・フィット感」が約17%で最多となり、「新生児から使用可能」約17%、「着脱のしやすさ」約17%が僅差で並ぶ(→ 図10)。この背景には、新生児期から長期間にわたって使用する前提で、装着時の身体的な負担軽減や安全性を重視する家庭が多いことが示唆される。

訴求メッセージにおいては、新生児対応の可否と装着時の安定感を両輪で打ち出すことが有効であると考えられる。

買い替え経験者は約23%、理由は着脱のしやすさが最多(→ 図11・図12)

抱っこ紐を買い替えた経験がある人は約23%にとどまり、多くの家庭は最初に購入した抱っこ紐を継続して使用していることがうかがえる(→ 図11)。買い替えた経験を持つ人の中では、買い替え時のブランド選定理由として「着脱のしやすさ」が約45%で最多となり、「肩・腰への負担」約25%、「安定感・フィット感」約24%が続く(→ 図12)。この背景には、子どもの成長に伴う抱っこの頻度や姿勢の変化により、初回購入時以上に日常使いでの負担軽減が重視されるようになることが考えられる。

買い替え需要を取り込むには、初回購入時とは異なる「使用感の進化」を訴求軸とする必要があると考えられる。

4. 調査項目

  • 購入経験
  • 最初の購入を検討した期間
  • 検討開始時期
  • 購入時期
  • 認知しているブランド
  • 比較検討したブランド
  • 実際に購入したブランド
  • 購入チャネル
  • そのブランドの購入理由
  • 最も重視した購入理由
  • 買い替えた経験
  • 買い替え時の購入理由

※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

5. おわりに

本調査から、抱っこ紐は妊娠後期にかけて検討・購入が集中する育児アイテムであり、比較検討の段階からエルゴベビーが圧倒的な支持を集めていることが明らかになった。検討期間は「即決」が最多を占め、事前の情報収集が購買決定の速さに直結している可能性が示唆される(図1・図2、図5・図6)。

実際の購入に際しては、エルゴベビーが引き続き最多シェアを維持しつつも、認知・比較検討段階に比べるとやや分散がみられ、購入場所は実店舗が中心でEC利用は限定的であった。新生児からの使用可否や安定感・フィット感が重視される点も踏まえると、店頭での体感訴求が購買を後押しする鍵になると考えられる(図3・図4、図7〜図10)。

買い替え経験者は約23%にとどまるものの、買い替え理由としては着脱のしやすさが最多となり、初回購入時とは異なる観点が重視される傾向がみられた。今後、初回購入から買い替えに至るまでの一連の購買行動を捉えたプロモーション設計が求められる(図11・図12)。

コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 早川)

【グラフ】図1〜図12(全グラフまとめ)

「抱っこ紐」市場調査2026 図1〜図12 グラフまとめ
【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。
出典:「「抱っこ紐」市場調査2026(株式会社コズレ)」https://cozre.co.jp/blog/20518
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)

この記事の著者

株式会社コズレ 取締役 早川修平の写真

著者: 早川 修平(株式会社コズレ 取締役/MBA)
NTT東日本にて法人営業、マーケティング、経営企画を経験後、慶應義塾大学大学院(在学中、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院へ留学)にてMBAを取得。戦略コンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」にて自動車・金融業界など幅広いクライアント向けにマーケティング戦略立案、ビジネスプロセス改善の支援に従事。
その後、子育て世代向けWebメディア「コズレ」を創業期から運営責任者として牽引し、会員数100万人超のプラットフォームへと成長させる。累計500件以上の子育て世帯を対象とした市場調査を主導し、育児用品メーカーや子育て関連サービス企業向けに、定量・定性データに基づくマーケティング戦略やプロモーション施策を多数提案・実行している。また、子育て世代の購買行動やニーズを踏まえたマーケティング手法に関するセミナーや講演会の講師も務める。
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