1. はじめに
2023年4~5月に実施した『「乳児用液体ミルク」市場調査2023』について本日、公開する。
液体ミルクは、2018年8月に『乳及び乳製品の成分規格等に関する省令』の改正に伴い、国内での製造・販売が可能になった。そして、2019年3月に江崎グリコが日本初の乳児用液体ミルク「アイクレオ赤ちゃんミルク」を販売開始した比較的新しいカテゴリーの商材である。利用にあたってお湯が必要となる粉ミルクと異なり、開封してすぐに利用できることから日常から災害時まで使えるアイテムとして子育て世帯から高い関心を集めている。そこで株式会社コズレでは、子育て世帯における液体ミルクの市場動向について調査・分析を実施した。
なお、本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「5.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
※「乳児用液体ミルク」の2024年市場調査は以下よりご覧いただけます。
2. 調査
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:妊娠中、産後の女性
調査期間:2023年4月28日(金)~2023年5月9日(火)
有効回答者数:982名
3. 結果・考察
長子が生後半年~2歳までの家庭では4割強が購入経験あり
長子が生後半年~2歳の家庭の回答に絞り込んで集計をしたところ、42.4%のママが液体ミルクを購入したことがあると回答。発売開始から4年が経過し、液体ミルクの認知度の高まりと共に、購入する人の割合も増えていることがうかがえる。
初回購入のシェアは「明治ほほえみ らくらくミルク」が約6割、「江崎グリコアイクレオ 赤ちゃんミルク」が続く
初回購入のシェアについての調査では、「明治ほほえみ らくらくミルク」が60.3%。続いて「江崎グリコアイクレオ 赤ちゃんミルク」が20.6%、「雪印ビーンスターク 液体ミルクすこやかM1」が9.5%、「森永はぐくみ 液体ミルク」が7.6%という結果となった。
粉ミルクでトップシェアの明治が、液体ミルクの初回購入においても2位以下に大きな差をつけている。
初回購入の購入チャネルは実店舗での購入が約88%
初回購入時の購入チャネルについては、ベビー用品店やドラッグストアなど実店舗での購入が約88%と高い割合となった。店頭に行く前の段階で認知を高め、実店舗で実際に手に取って確認してもらう対象に入ることが重要と言える。
なお、具体的にどのくらいの期間で検討・購入に至るかの調査結果は、プロモーションのプランニングに際して提示させていただきたい。
初回購入時の最重視ポイントは「持ち運びに便利」、サンプリングも上位に
初回購入時に重視したポイントでは、「持ち運びに便利」が最も多く、次いで「パッケージの形状(缶・パック・パウチ)」「内容量・サイズ」が続く。なお、「サンプル(試供品)を使用」も上位に入り、実際に試すことが購入に繋がっていることが読み取れる。
初回購入の検討率は各社同率だが、購入率が高いのは明治
初回購入時の検討率を見ると、ブランド間に大きな差は見られない。いずれも率は高く、知ってもらえれば検討してもらえるということが分かる。販売されているブランドの数が限られていることも影響していると思われる。一方、購入率は「明治ほほえみ らくらくミルク」が80%近くと他ブランドに比べて高い数値となっている。認知度の高さに加え、検討をされたら購入されやすい点が、シェアの高さにつながっている。
別ブランドの購入経験は生後0ヶ月、3ヶ月〜6ヶ月が多い
ブランドスイッチについての調査では、別のブランドを購入した時期が「生後0ヶ月」と「生後3~6ヶ月」で高くなっていることがわかる。初めての使用後すぐにスイッチした層と、ある程度使用して生後3ヶ月頃からスイッチしていく層があると推測できる。すぐにスイッチする層は赤ちゃんの好み、ある程度使用してからスイッチする層は赤ちゃんの成長や使用感などが影響していることも考えられる。
4.おすすめのプロモーション
調査結果から、長子が生後半年~2歳までの子どものいる家庭では4割強が液体ミルクの購入経験があること、明治ほほえみのシェアが非常に高く、購入チャネルは約88%が実店舗で購入していることがわかった。
そこで、顧客を獲得するにあたっては、ママパパが実店舗に足を運ぶ前に認知を高め、手に取って確認をする際の選択肢に含めてもらうことが重要であるといえる。また、そのためにはサンプリングで試用の機会を提供することも有効な手段の1つである。
これらを効率よく行うには、購入検討を行うタイミングにあわせたリーチ、各セグメントで重視される商品選択基準によりそった情報提供を行う必要がある。
「適切なタイミング」についての具体的な内容については、プロモーションのプランニングに際して調査結果を提示させていただきたい。
5.調査項目
初回購入に関する項目
●購入経験(長子年齢:生後半年~2歳のみ抜粋)
●シェア
●価格×シェア
●初回購入の検討開始・購入時期
●月齢×認知度(※近似曲線)
●初回購入の検討期間
●購入チャネル
●初回購入時に重視したポイント
●高シェアブランド購入者の最重視ポイント
●検討率(考慮人数/認知人数)
●購入率(購入人数/考慮人数)
ブランドスイッチに関する項目
●別のブランドを購入した経験
●重視したポイント
●スイッチ先のシェア
●スイッチ元のシェア
※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。
掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
6. おわりに
コズレでは、子どもの年齢をセグメントしたプロモーションはもちろん、商材の特徴とママたちの購買特性を踏まえたきめ細かいプロモーションのご提案が可能です。
例えば、子育て層における液体ミルク購入の場合、
・子どもの月齢、年齢
・母乳とミルクの割合
・世帯年収
などの属性でターゲティングして絞り込んだプロモーションがおすすめです。
なお、上記はあくまで一例ですのでご希望の属性がある場合にはご相談ください。
プロモーションをご検討の際はぜひお問合せください。
株式会社コズレでは、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。(株式会社コズレ 早川・槇本)
【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。
出典:『「乳児用液体ミルク」市場調査2023(株式会社コズレ)』
https://cozre.co.jp/blog/10067
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)