1. はじめに
家庭における「ハレの日」とは、日常の延長にある特別な時間である。とくに子育て世帯では、お食い初めや子どもの誕生日など、大切な記念日や行事、成長の節目を祝う機会として位置づけられている。こうしたハレの日における食卓は、特別感や演出が求められると同時に、家庭の事情やママパパの手間といった現実的な制約も色濃く反映される場である。
本レポートでは、2025年5月にコズレ会員を対象として実施された「ハレの日の食事」に関する調査の結果をもとに、子育て世帯におけるハレの日の食事スタイルと、子どもがどのようにハレの日の料理に関与しているかなどについて分析する。
本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
2. 調査
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:長子2歳以上の子どもを持つ女性
調査期間:2025年5月8日(木)〜2025年5月14日(水)
有効回答者数:133名
3. 結果・考察
手作り志向が根強いが、購入との併用が主流
まず、日常の料理スタイルについて確認すると、「ほとんど毎日手作りしている」と回答した家庭と、「手作りと購入を組み合わせている」と答えた家庭が、それぞれ約半数ずつ存在した。これは、家庭内における手作り志向の根強さを示す一方で、完全手作りだけでは日々の家事負担を支えきれない現実もあると想像できる。
「ハレの日の料理」においては、「一部は手作りし、一部は購入する」と回答した家庭が約70%を占めたのに対し、「すべて手作りする」と回答した家庭は13%にとどまった。これは、ハレの日という特別な場面においても、利便性とこだわりを両立させようとする意識が強く働いていることを示している。消費者の「手作り風の安心感」と「購入の簡便性」を同時に満たす製品が求められるといえる。
子どもを中心に据えた祝い事が多数派
お祝いをしたことがある行事としては、「子どもの誕生日」が最も多く約90%、次いで「クリスマス」約80%、「お食い初め」も約80%という結果となった。これらは、いずれも子どもの存在が強く関与している行事であり、「子どもを主役としたハレの日」が非常に重視されていることが分かる。
また、それらの行事で実際に「ハレの日の料理」を用意した割合はやや低下するものの、「子どもの誕生日」で約80%、「お食い初め」で約65%、「クリスマス」で約64%と、実際に料理を準備する家庭も多数を占めている。このように、祝い事に対する「気持ちの表現」としての食事が重視されている。
和食と洋食が主流、日本の伝統行事を重んじつつ子どもの好みも考慮
ハレの日に選ばれる料理ジャンルについては、「和食」と「洋食」がいずれも約70%で拮抗しており、いずれも定番の料理スタイルとして家庭に根付いていることがわかる。「お食い初め」は日本の伝統行事であり、赤飯や吸い物、尾頭付きの鯛の塩焼きなどの和食を用意する家庭が多く、日本の伝統文化を重んじる姿勢がうかがえる。一方で、比較的自由な料理スタイルが許容される「子どもの誕生日」や「クリスマス」では、子どもが好む献立や食べやすい洋食を選ぶ家庭が多い傾向がみられた。
4.調査項目
- 家庭内における料理スタイル
- お子さまとお祝いしたことがある行事・イベント
- ハレの日の料理を用意したことがある行事・イベント
- ハレの日における料理スタイル
- ハレの日に選ぶ料理ジャンル
- お子さまが、ハレの日の料理や演出に関わった内容
- ハレの日の料理や演出のアイデアをどこから得ているか
※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
5.おわりに
本調査から浮かび上がったのは、現代家庭における「ほどよい手作り志向」と「子ども中心の祝祭性」、そして「SNSを通じた情報共有」である。こうした消費者行動の変化を的確に捉え、家族の記念日や成長の瞬間を彩る“共創型”の食品体験を提供することが求められている。
今後は、機能性・味・見た目といった基本的価値に加え、情緒性や参加性といった付加価値を盛り込んだ商品開発・プロモーションを行うことが、競合との差別化を生み、持続的なブランド構築につながると考えられる。
コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 山内、早川)
【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。
出典:『子育て世帯のハレの日ごはん事情|手作り・購入バランスと子どもの参加実態は?(株式会社コズレ)』
https://cozre.co.jp/blog/15059
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)