調査レポート

調査で見る子育て世代の家事への価値観|家事代行サービスにおける“心理的ハードル”

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1. はじめに

2025年4月~2025年5月に実施した『調査で見る子育て世代の家事への価値観|家事代行サービスにおける“心理的ハードル”』を本日公開する。育児と仕事の両立は依然として多くの家庭にとって課題とされる中、パートナーとの家事分担の見直しや家事代行などの外部サービスを検討する家庭も増え、家事に対する価値観やこだわりが多様化・変化してきている。そこで、コズレ会員を対象に「家事のシェア」に関する実態や「家事の外注」に対する価値観やニーズについて詳しく調査・分析を実施した。

本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

 

2. 調査

調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:末子妊娠中〜0歳以上の子を持つ女性
調査期間:2024年4月25日(金)~2025年5月7日(水)
有効回答者数:359名

 

3. 結果・考察

「食事の支度」「洗濯」「掃除」が主な家事

日常的に行なっている家事として、「食事の支度」「洗濯」「掃除」がいずれも8割を超えており、生活の基盤を支える家事として女性が担っている傾向が明らかになった。一方で、「トイレや風呂などの水回りの掃除」や「ゴミ出し」は、生活に不可欠な家事であるにも関わらず、実施率が相対的に低く、家事の内容ごとに分担されている様子が読み取れる。

 

家事分担に「満足している」のは約50%

家事分担に対する満足度は、「満足している」が約50%と半数にとどまり、「満足していない」と回答した人は約19%であった。多くの家庭で、ある程度の協力体制が築かれている一方で、依然として家事の負担が一方に偏っているケースも少なくないことを示している。

 

約98%が家事代行サービスの利用経験なし

家事代行サービスを利用したことがあるのはわずか約2%であった。家事分担に「満足していない」と感じている人が一定数いるにも関わらず、実際に外部サービスを活用している家庭はごく少数であり、家事の負担や不満を抱えたまま、自力でなんとか乗り切っている家庭が多いことがうかがえる。利用のハードルは依然として高く、現状では不満や悩みがあっても、それを「人やサービスに頼る」という選択肢にはなかなか結びついていない実態が明らかになった。

 

家事代行サービスに対して「罪悪感はない」のは約74%

家事代行サービスに対して、約26%は「罪悪感がある」と回答し、家事代行サービスの利用にハードルを感じていることが示された。一方で、約74%は「罪悪感はない」と回答しており、外部の手を借りること自体への抵抗感は薄れつつある様子もうかがえる。

 

家事代行サービスを「利用したい」のは約19%

約74%が「家事代行サービスに対して罪悪感はない」と回答した一方で、「家事代行サービスを利用したい」と回答したのは約19%にとどまった。罪悪感の解消だけでは外部サービスの利用に結びつかず、他の要因が大きく影響していると考えられる。

 

利用したい理由は「負担軽減」、利用したくない理由は「費用が高い」

家事代行サービスを利用したくない理由として、「費用が高い」が最も多く約60%、次いで「他人を家に入れることに抵抗がある」が約50%であった。つまり、価格の高さだけでなく、「プライベートな空間への侵入」という心理的ハードルが家事代行サービス普及の最大の壁となっている。

 

「調理」は外注への抵抗が比較的低い

「外注してもよい家事」としては「調理」が最多で約35%。メニューの考案や栄養管理など、精神的・技術的負担の大きさが関係している可能性がある。また、「片付け」や「風呂掃除」などの汚れに関する作業も上位に入っており、「やりたくない・時間がかかる・技術を要する」家事における代行サービスのニーズが高いと読み取れる。

 

「家事の効率化・バランス重視」も「外注への抵抗感」は依然として強い

結婚・出産・転職などのライフステージ変化により、「家事の効率化」や「生活バランスの重視」がより求められるようになった。一方で、家事を他人に任せることへの抵抗感は依然として強く、価値観が行動につながっていないことが示される。

 

SNSや周囲の家庭から「家事のやり方」に影響を受ける

SNSや周囲の家庭の影響を受けて、「家事のやり方や価値観が変わった」と答えた人も多く、家事は「個人的な習慣」から「他人の目が入り込む社会的行動」へとシフトしているとも言える。このことは、「見せる家事」や「正しい家事」といった無意識のプレッシャーにもつながっている可能性がある。

 

家事の負担軽減には「家庭内協力」「サービス価格の引き下げ」

家事負担軽減に最も期待されているのは、「パートナーとの家事分担の見直し、協力体制」(約57%)であり、「家電製品の進化」(約37%)や「職場の柔軟な働き方の推進」(約35%)が上位を占め、技術の進歩や社会的制度に期待していることがわかった。さらに、「家事代行サービスの普及と価格の引き下げ」(約27%)や「信頼できるスタッフとのマッチングサービス」(約20%)も挙げられ、家事代行サービスといった「他人に頼るシステム」への需要が一定数あることが示された。

4. 調査項目

● 日常的に行なっている家事
● 家事の分担に対する満足度
● 家事代行サービスの利用有無
● 家事代行サービスなどの外注に対して罪悪感を感じるか
● 家事代行サービスを利用意向
● 家事代行サービスを利用したい理由
● 家事代行サービスを利用したくない理由
● 外注に出しても良いと思う家事
● 結婚・出産・転職などによる家事への価値観変化
● 外部の影響(SNS・周囲の家庭)で変化した家事への価値観
● 家事の負担を軽減するために期待すること
● 就業状況別|日常的に行っている家事
● 就業状況別|家事代行サービスの利用有無
● 就業状況別|家事代行サービスの利用意向
● 就業状況別|利用したい理由
● 就業状況別|利用したくない理由

※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せください。

 

5. おわりに

コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。

本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。

(コズレ子育てマーケティング研究所 村尾、早川)

 

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。

出典:『調査で見る子育て世代の家事への価値観 家事代行サービスにおける“心理的ハードル”(株式会社コズレ)』https://cozre.co.jp/blog/15089

(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/

(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/

※コズレでは子育て世代の調査・子育て世代向けマーケティングのコンサルティングを承っております。詳細は下記よりお問合せください。

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この記事の著者

株式会社コズレ 取締役 早川修平の写真

著者: 早川 修平(株式会社コズレ 取締役/MBA)

NTT東日本にて法人営業、マーケティング、経営企画を経験後、慶應義塾大学大学院(在学中、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院へ留学)にてMBAを取得。戦略コンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」にて自動車・金融業界など幅広いクライアント向けにマーケティング戦略立案、ビジネスプロセス改善の支援に従事。

その後、子育て世代向けWebメディア「コズレ」を創業期から運営責任者として牽引し、会員数100万人超のプラットフォームへと成長させる。累計500件以上の子育て世帯を対象とした市場調査を主導し、育児用品メーカーや子育て関連サービス企業向けに、定量・定性データに基づくマーケティング戦略やプロモーション施策を多数提案・実行している。また、子育て世代の購買行動やニーズを踏まえたマーケティング手法に関するセミナーや講演会の講師も務める。

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