1. はじめに
2025年7月に実施した『ハンドブレンダー利用実態調査〜子育て家庭における調理の工夫と「手間」への考え方~』を本日公開する。共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化により、家庭内で担うべき役割や時間の使い方は変わりつつある。特に、毎日欠かせない調理は、単なる家事であると同時に家族の健康や団らんを支える重要な営みであり、限られた時間の中で、手間のかけ方に工夫が求められる。そこで、コズレ会員を対象に「ハンドブレンダー」の利用実態や、購入ブランド、使用目的、料理の手間への考え方などについて詳しく調査・分析を実施した。
本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
2. 調査
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:妊娠中および長子0歳以上の子を持つ女性
調査期間:2025年7月4日(金)~2025年7月14日(月)
有効回答者数:401名
3. 結果・考察
約55%がハンドブレンダーの所有経験あり
ハンドブレンダーを「購入したことがある」のは約28%、「購入したことはないがもらったことがある」のは約27%であり、所有経験があるのは約55%であった。一方、「購入したことがなく、もらったこともない」のは約45%であり、ハンドブレンダーは調理器具の中でも「所有率が二極化するアイテム」であることがうかがえる。この結果から、ハンドブレンダーは必需品というよりも、「あると便利」「あると料理の幅が広がる」調理器具として認識されていると考えられる。料理頻度や料理スタイルによってニーズが大きく分かれる可能性がある。
市場シェアトップは「BRUNO」で約44%
購入ブランドでは「BRUNO」が44%と突出しており、次いで「Braun」「テスコム」「T-fal」「Panasonic」などが続いた。全体としては分散傾向が見られたが、BRUNOの認知度やブランド戦略の成功がうかがえる。
購入時に重視したことは、機能・価格が上位
「機能」が最も多く約65%、「価格」が約54%。次いで、「洗いやすさ」「離乳食向け機能」が多く、ブランドイメージやクチコミよりも重視された。
購入場所は、家電量販店が約34%、楽天・Amazon合わせて約42%を占める
「家電量販店」が最も多く約34%、次いで「楽天」が約27%、「Amazon」が約16%であり、楽天・Amazonでの購入が約42%を占める。「機能」を重視する商品にも関わらず、オンラインでも購入されやすいのが特徴といえる。
使用目的は「離乳食や幼児食を短時間で準備する」が最多で約66%
ハンドブレンダーの使用目的では、「離乳食や幼児食を短時間で準備する」が最も多く、約66%であった。次いで「効率よく調理を済ませる」が約45%、「手作業による疲れや負担を減らす」が約23%となり、子育て期による調理時間の短縮ニーズが強く現れ、「効率・負担軽減」が主な目的であることがわかった。
また、「食材をなめらか/細かくすることで子どもや家族が食べやすくする」が約2割を占めており、ハンドブレンダーが「食べる人に合わせた調理」に貢献していることがわかる。
一方、「添加物や市販品を避け、安心できる食材で手作りしたい」といった「安心・安全な食事作り」を目的とする割合は5%未満にとどまった。これは、使用者の主な関心が「健康志向」よりも「時短・効率性」にあることを示している。ハンドブレンダーは「安全・無添加な手作り志向のツール」というより、実用性・効率性を追求するための道具として位置づけられている。
ハンドブレンダーによる「余裕」「達成感」
ハンドブレンダーの使用によって得られた心理的な効果としては、「負担が軽減され余裕が持てた」や「思い通りに調理ができて達成感があった」といったポジティブな反応が上位を占め、約36%であった。これらの結果から、ハンドブレンダーは単なる時短ツールとしてだけでなく、精神的なゆとりや達成感の向上にも寄与していることがうかがえる。
一方、「洗うのが面倒」が約25%、「音が大きくて不快」「飛び散ったりうまく混ざらずストレスを感じた」といったネガティブな反応も1割強見られ、操作性やメンテナンスの煩雑さが使用満足度を左右する要因となっていることがわかる。
また、ハンドブレンダーによる「没頭感」や「心地よさ」といった感性価値に関する項目については、1割未満と少数にとどまった。これは、ハンドブレンダーが「楽しむ」ための道具というよりは、あくまで「効率できに目的を達成するための手段」として認識されている傾向を示している。
ハンドブレンダーにより、料理への関心・満足度向上
ハンドブレンダーによって、料理への関心・満足度が「向上した」のは約66%であり、「向上しなかった」(約7%)を大きく上回る結果となった。この差は顕著であり、ハンドブレンダーが調理行為そのものへの前向きな意識変化を促していることがわかる。
確かに、「洗うのが面倒」「音が大きくて不快」といった使用時のストレスや不満の声は一定数見られるが、それ以上に「料理の効率向上」や「調理負担の軽減」がもたらすポジティブな効果が評価されていることが明らかである。実際、前述のように「余裕が持てた」「達成感があった」といった反応が上位に挙がっており、調理工程の円滑化が心理的充足感にも繋がっていると考えられる。
約7割が「できるだけ料理の手間は省きたい」
ハンドブレンダーの所有経験に関わらず、「できるだけ料理の手間は省きたい」(約72%)、「手間のかかる料理はできれば避けたい」(約50%)といった手間の削減を望む意識が上位を占めた。これは、調理に対する多くの人の基本的な価値観として、「効率化」や「時短」が最重視されていることを示している。
一方で、「手間も楽しみの一部」や「手間によって達成感や愛情が得られる」といったポジティブな意味づけを手間に対して持っている人は1割未満と少数にとどまった。つまり、料理における「手間」は、必ずしも豊かさや創造的な時間として評価されているわけではないことが明らかである。
4. 調査項目
●子育て期のママが料理する頻度
●ハンドブレンダーの購入有無
●購入したことがあるブランド
●購入時に重視したこと
●購入金額
●購入場所
●使用目的
●ハンドブレンダー使用中の感情
●ハンドブレンダーによる料理への関心・満足度
●「料理の手間」に対する考え
※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せください。
5. おわりに
コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 村尾、早川)
【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。
出典:『ハンドブレンダー利用実態調査 〜子育て家庭における調理の工夫と「手間」への考え方~(株式会社コズレ)』https://cozre.co.jp/blog/15697
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)