1. はじめに
2025年6月〜2025年7月に実施した「自動車所有率と購入ハードルに関する実態調査」を本日公開する。近年、自動車免許は保有しているものの、あえて自家用車を所有しない家庭が増えており、カーシェアリングの普及や公共交通の利用、さらにはライフスタイルの多様化などを背景に、「免許所有=自動車所有」という前提が必ずしも成り立たなくなってきている。そこで、コズレ会員を対象になぜ車を持たないのか、所有することに対するメリット・デメリット、そして将来的に購入する場合の条件や心理的・経済的ハードルについてについて詳しく調査・分析を実施した。
本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
2. 調査
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:長子妊娠中および0歳以上の子を持つ女性
調査期間:2025年6月27日(金)~2025年7月6日(日)
有効回答者数:499名
3. 結果・考察
免許を所有している人のうち、約17%が自家用車非所有
約90%が自動車免許を所有しており、免許所有者のうち約83%が自家用車を所有している。つまり、免許所有者のうち約17%は自家用車を所有しておらず、「運転はできるが自動車は持たない」という選択をしている層が一定数存在することがわかる。
妊娠・出産・子育てをきっかけとした自動車購入は約37%
妊娠・出産・子育てをきっかけに自動車を購入したことがあるのは約37%であり、自動車を所有するうちの約45%であった。つまり、自動車所有者の約半数近くが、ライフステージの変化を契機に購入を決断していることになる。一方で、残りの55%の自動車所有者はそれ以前に購入していたと考えられ、出産・子育て期に突入する前から自動車のある生活を前提としていた層も一定数存在する。
自動車非所有のメリットは「節約できる」「手間がない」
自動車を所有しないことによるメリットでは、「車にお金をかけず節約できる」が最多で約66%、次いで「車検やメンテナンスなどの手間がない」が約52%であり、費用負担や維持管理の手間を回避できる点が主な理由として挙げられた。さらに、「駐車場が不要」や「カーシェアなど必要な時だけ利用できる」といった選択肢の柔軟さを挙げる声も多く、所有に縛られない身軽な移動スタイルを好む傾向もうかがえる。これらの回答からは、特に都市部や生活圏に公共交通・シェアサービスが整っている地域において、「自家用車を持たないこと」が合理的な選択となっている実態が見て取れる。
自動車非所有のデメリットは「荷物が多い時・悪天候時の移動が不便」
自動車を所有しないことによるデメリットでは、「荷物が多い時の移動が不便」「雨の日や悪天候時の外出が大変」が約7割と上位を占めており、天候や荷物量に左右されやすい移動手段の不自由さが大きな課題となっていることがわかった。次いで「目的地に直接行けない・行き先が限られる」が約3割であり、移動の自由度や行動範囲の制限を感じている人も少なくない。特に小さな子どもを連れての移動や、郊外・公共交通が発達していない地域での生活においては、自家用車の有無が日常のストレスや行動の選択肢に直結することがうかがえる。
自動車非所有のうち「将来購入したい」のは約55%
現在、自動車を所有していないが「将来購入したい」のは約55%であった。一方、「購入したくない」と回答したのは約14%と一定数存在することがわかる。この結果は、自動車が必ずしも全員にとって必要不可欠なものではなくなりつつあることを示している。実際には、維持費の高さや駐車場の確保といった経済的負担に加え、公共交通機関やカーシェアの普及、環境意識の高まり、運転への不安感など、所有を避けたい理由は多様化していると考えられる。特に都市部を中心に、「必要なときだけ使えれば十分」「所有しない方が身軽で合理的」といったライフスタイルを選ぶ人が一定数いると考えられ、こうした層の存在は、単なる“非購入者”ではなく、あえて所有しないという選択をしている「非所有志向層」と位置づけることができる。
将来自動車を購入したい理由は「日常の移動を楽にしたい」
現在自動車を所有していない人のうち、将来自動車を購入したい理由として、「日常の外出や子どもの送迎を楽にしたい」が最も多く約55%であった。これは、子育て期における移動の負担を軽減したいという実用的なニーズの強さを示している。その他にも、「旅行先で自由に移動したい」「公共交通機関に頼らず行動したい」といった回答も多く、自由で柔軟な移動手段を確保したいという思いが全体を通じてうかがえる。
このことから、将来的な購入意向の背景には、「行きたいときに、行きたい場所へ、スムーズに移動したい」という生活の質(QOL)向上への欲求が大きく関係していると考えられる。特に子育て層や家族持ちにとっては、荷物の多さや時間の制約、天候などの外的要因によるストレスを避けるため、自動車が移動手段として「安心・確実な選択肢」として求められていると言える。
自動車購入には「維持費・購入費が抑えられる」ことが条件
現在自動車を所有していない人のうち、将来自動車を購入するための条件として「維持費が抑えられる」が最も多く約78%であった。次いで「自動車本体の価格が手頃になる」が約68%と上位を占めており、費用負担の軽減が自動車購入の最大の条件であることが明らかになった。それに伴い、「購入時の補助金やキャンペーンが充実している」が約30%を占め、購入ハードルを下げるための制度的・一時的な支援に対するニーズもうかがえる。
これらの結果から、将来的に自動車を購入したいと考えている層であっても、「経済的に無理のない条件が整わなければ踏み切れない」という慎重な姿勢が読み取れる。特に子育て世代では教育費や生活費がかさむため、自動車購入が生活全体に与える影響は大きく、「利便性の高さ」と「経済的な現実」のバランスが鍵となっている。
4. 調査項目
●自動車免許、自家用車の所有率
●ライフステージの変化による自動車購入の有無
●自動車所有のメリット、デメリット
●自動車非所有のメリット、デメリット
●将来自動車を購入したいか
●自動車を購入したい理由
●自動車を購入するための条件
※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せください。
5. おわりに
コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 村尾、早川)
【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。
出典:『自動車所有率と購入ハードルに関する実態調査|約45%が「子育てを機に購入」したと回答(株式会社コズレ)』https://cozre.co.jp/blog/15719
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)