1. はじめに
子育て世帯にとって、ファミリーカーは、日常生活を支える足といえる。そのため、その購入は生活の質を左右する重要な購買行動の一つである。一般的に、車の選定は父親が主導権を握るというイメージが根強いが、果たしてその認識は実態と合致しているのだろうか。母親の意見は、購入決定のプロセスにおいてどれほどの影響力を持つのだろうか。
本レポートでは、2025年12月に実施した「ファミリーカー購入における母の関与と重視点2025」の結果を基に、妊娠以降の車の購入経験や購入時の関与状況、重視点や選択時の主導権、ママ視点で欲しい機能等について分析を行った。
本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
2. 調査
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:妊娠中及び生後0歳以上の子を持つ女性
調査期間:2025年12月2日(火)〜2025年12月16日(火)
有効回答数:474名
3. 結果・考察

約3割が妊娠後に車を購入。時期は「0歳まで」が半数以上

「妊娠以降に車を購入した経験がある」と回答した母親は約3割(29.96%)に上る。その中で、購入時の子どもの月齢に注目すると、「妊娠中」が28.87%と最も多く、次いで「0歳0ヶ月〜5ヶ月」(14.79%)、「1歳」(13.38%)と続く。「妊娠中」から「0歳11ヶ月まで」を合計すると、その割合は半数を超える(55.63%)点が特徴的である。
まず注目すべきは、この購入タイミングである。本結果は、出産というライフイベントが、子どもの送迎や荷物の増加といった具体的な生活の変化を見越し、車の購入や買い替えを促す極めて大きなきっかけになっていることを示唆している。マーケティングの観点から見れば、この「妊娠〜0歳期」は、子育て世帯に対してアプローチを行う上で極めて重要なタイミングであることは明らかである。
意思決定の約65%は母が関与。購入の最終決定権を握る

意思決定プロセスにおける母親の影響力が明らかになった。ファミリーカーの購入プロセスにおける母親の関与度を見ると、「情報収集」の段階では父親の関与が比較的高いものの、「候補車種のピックアップ」以降のフェーズでは母親の関与度が大きく高まる傾向が見られる。特に、具体的な検討段階である「店舗への来店・試乗」においては、「非常に関与した」と回答した母親が44.60%と最多であった。
さらに、最終的な購入決定者について尋ねたところ、「パートナーと自分で共同(38.13%)」と「主に自分(母親)(26.62%)」を合わせると、約65%(64.75%)の家庭で母親が最終的な意思決定に関与していることが判明した。
このデータは、ファミリーカー選びが夫婦の共同作業であり、特に母親の意見が最終決定に強く反映される実態を示している。したがって、プロモーション活動においては、父親だけでなく、母親の納得感を得ることが極めて重要であるといえる。
母が主導するのは「乗り降りのしやすさ」など、子育て視点での実用性

母親が車を購入する際に重視した点としては、「価格(47.48%)」がトップ、次いで「車体の大きさ(40.29%)」、「乗り降りのしやすさ(スライドドア、ステップ高)(37.41%)」が続いた。
夫婦間でどちらが主導して各項目を決めたかというデータをさらに詳しく見ると、母親が特に主導権を握る傾向が強いのは、「乗り降りのしやすさ」「荷物の積みやすさ」「チャイルドシートの取り付けやすさ」といった、子育てにおける実用性と直結する項目であった。
この事実は、母親が子どもを抱っこしたままでの乗降や、ベビーカーといった大きな荷物の積み下ろしなど、日々の利用シーンを具体的に想定しながら車を評価していることを示唆する。カタログスペックだけでは伝わりにくい「子育てのしやすさ」という観点が、母親の意思決定における重要な評価軸なのである。
運転は「ほぼ毎日」。安全・便利機能へのニーズは極めて高い
母親の運転頻度は「ほぼ毎日」が49.64%と約半数を占めており、日常的な移動手段として車が不可欠であることがわかる。その上で、母親が欲しい機能を見ると、安全機能では「バックモニター(58.99%)」「前方ドライブレコーダー(57.55%)」「自動ブレーキシステム(52.52%)」が、便利な機能では「両側スライドドア(68.35%)」や「ベビーカーを積みやすい荷室形状(46.76%)」へのニーズが高いことが明らかになった。
この結果から、妊娠後に購入をした自動車を日常的に利用するメインドライバーが母親がであろうこと、そして、自分だけでなく大切な子どもの命を守るための安全機能や、日々の運転の負担を軽減する便利機能への関心が非常に高いということが推測される。
最も参考にするのは「店舗での体験」。リアルな情報収集が決め手となる
母親が参考にした情報源(複数回答可)では、「ディーラーや実車販売店舗での相談・店舗スタッフの説明」が60.43%で最多であった。さらに、その中から「最も参考にした情報源」を一つだけ選んでもらったところ、同項目が38.85%と突出し、リアルな体験が最終判断に強く影響していることが示された。次いで参考にされたのは「実車の試乗・展示会」(26.62%)であった。このデータは、カタログやWebサイト、SNSで情報収集を行いつつも、高額な買い物であるファミリーカーの購入においては、最終的に実物を見て、触れて、専門家の話を聞くというリアルな体験が意思決定を大きく左右することを示している。
これらから言えるのは、ディーラーにおける「説明の質」と「体験設計」の重要性である。母親にとって、来店時の限られた時間は、妊娠中や子ども連れであるがゆえに決して余裕のあるものではないと想定される。実際の来店シーンでは、体調や子どもを気にかけながらの商談となり、長時間にわたる網羅的な説明や、専門用語が多い説明を十分に理解することは難しいケースも少なくない。だからこそ、ディーラー側には、ママが本当に気にしているポイントを的確に押さえた説明が求められる。本調査で明らかになった「乗り降りのしやすさ」「荷物の積みやすさ」「チャイルドシートの扱いやすさ」「安全機能の実感」といった項目については、カタログ上の数値や機能紹介にとどまらず、実際の利用シーンを想定した体験型の説明を行うことが、母親の納得感を高める鍵となる。
たとえば、ベビーカーを実際に載せてみる、チャイルドシートを装着した状態で乗り降りを体験する、子どもを乗せた想定で運転席からの視界や利便性を確認するといった具体的な体験は、短時間であっても強い印象を残す。忙しいママにとっては、「すべてを詳しく説明されること」よりも、「自分の不安や疑問に直結するポイントを、端的かつ体感的に理解できること」の方が価値が高いと考えられる。
ファミリーカー購入において、母親は単なる同席者ではなく、日常利用を担う当事者であり、最終意思決定に影響力を持つ存在である。その前提に立ち、ママ視点を起点とした説明設計・体験提供を行えるかどうかが、今後のディーラーコミュニケーションにおける重要な差別化ポイントになるといえるだろう。
4. 調査項目
- 妊娠後の車購入経験
- 車購入時の子どもの月齢
- 車購入段階による母の関与度
- 車購入時の最終決定者
- 車購入時に母が重視した点
- 車を選ぶ際の主導権
- 母と父の重視点のズレ
- 重視点のズレたポイント
- 母が「自分の意見をもっと通しておけばよかった」と思う点の有無
- 母が「自分の意見をもっと通しておけばよかった」と思う点
- 情報収集した方法
- 最も参考にした情報源
- 運転頻度
- ママ視点で欲しいと思った機能
※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
5. おわりに
本稿で明らかになったように、ファミリーカーの購入決定において母親は強い影響力を持っており、その意思決定は「子育てにおける実用性」という極めて現実的な視点に基づいている。子育て世帯へのマーケティングを成功させるためには、そのインサイトを深く理解し、適切なタイミングで、共感を呼ぶメッセージを、信頼性のある形で届けることが不可欠である。
コズレでご支援可能な戦略及び攻略するための要点は、以下の3つに集約される。
①認知・興味喚起:最適なタイミングで、最適な層にアプローチする
調査で明らかになった「妊娠〜0歳期」というゴールデンタイムを逃さず、最も購買意欲が高い潜在顧客に確実にリーチするためには、精密なターゲティングが不可欠である。これを実現するのが、子どもの月齢や居住地でセグメント可能な「コズレDM」や「ターゲティングメール」である。特に「コズレDM」は、ある自動車ディーラーの事例において、「妊娠期〜2歳未満」の層を対象に5万通を送付し、250組以上の来店を達成した実績があり、高い効果が期待できる。
②理解促進:母親目線の「実用性」を伝え、共感を醸成する
調査から明らかになった母親特有の重視点である「乗り降りのしやすさ」や「荷室の使い勝手」といった実用的な価値を伝え、共感を最大化するためには、スペック訴求に留まらないストーリーテリングが不可欠である。これを実現するのが、コズレの「タイアップ記事」である。記事広告というフォーマットを用いることで、母親のインサイトに寄り添ったストーリーテリングが可能となり、商品の魅力を深く、そして共感と共に伝えることができる。オプションとして、実際の母親たちのリアルな声を集める「座談会」や、複雑な機能を直感的に理解させる「マンガ型コンテンツ」も有効である。
③来店・購買促進:信頼を醸成し、最後のひと押しを後押しする
母親が最終決定において「店舗での相談・説明」や「実車の試乗」を最重視するからこそ、来店前の段階で信頼を醸成し、最後のひと押しを後押しする客観的な根拠が求められる。この課題に応えるのが、「コズレリサーチ」の活用である。例えば、「ユーステスト」で実際に複数の母親に商品を試用してもらい、そのリアルな評価をもとに「推奨度調査」を実施。「ママ満足度No.1」といった客観的な評価(推奨ロゴ)を取得できる。このロゴは、あらゆるプロモーション活動において信頼性を高め、来店を後押しする強力な武器となる。
株式会社コズレでは、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 早川、水島)
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【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。
出典:『ファミリーカー購入における母の関与と重視点 主導権・意思決定・購買要因を分析(株式会社コズレ)』https://cozre.co.jp/blog/17280/
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)
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