調査レポート

【2025年・2026年 定点調査】ベビーカー購入動向に関する市場調査

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1. はじめに

2025年と2026年に実施したベビーカー市場調査の結果を比較し、認知メーカー・ブランド、ベビーカーを購入していない理由、検討・購入時期、重視項目などについて相違点や共通点を探った。

本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

2. 調査

<2025年調査>
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:妊娠中および0歳以上の子を持つコズレ会員
調査期間:2025年3月10日(月)〜 2025年3月24日(木)
有効回答数:674名

<2026年調査>
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:妊娠中および0歳以上の子を持つコズレ会員
調査期間:2026年3月3日(火)〜2026年3月17日(火)
有効回答数:444名

3. 結果・考察

 

購入経験者の割合が「妊娠初期」「妊娠後期」で大幅に増加

末子妊娠中の家庭において、末子のためにベビーカーを「購入した」と回答した割合は、約20%(2025年)から約33%(2026年)へと増加した。一方、末子が0歳以上の家庭における同割合は、約51%(2025年)から約54%(2026年)と大きな変化は見られなかった。

これらの結果から、ベビーカーの最終的な購入率自体には大きな変化はないものの、購買のタイミングが妊娠期へと前倒しされていることが示唆される。従来よりも早い、妊娠初期からの情報提供や購買接点の設計が、これまで以上に重要になると考えられる。なお、購買の早期化に関する詳細は後述する。

購入していない主な理由は「お下がり」

末子妊娠中の家庭における未購入理由については、「出産前だから」が最多であるものの、約46%(2025年)から約36%(2026年)へと減少した。また、「購入商品を検討中だから」も上位に挙げられるが、同様に減少傾向が見られた。一方で増加が目立った理由として、「上の子で購入したから」(前年比約11%増)や、「親族・知人にお下がりをもらった(もらう)から」(前年比約6%増)が挙げられる。また、末子が0歳以上の家庭における未購入理由では、「親族・知人にお下がりをもらった(もらう)から」が40%超(2026年)と最多であり、上位3項目を「お下がり」に関する理由が占める結果となった。

これらの結果から、ベビーカーは比較的高価格帯の商品であることを背景に、コストを抑える手段として「お下がり」の活用が広がっており、上の子や親族など、信頼できる身近なネットワークを通じた共有が主流となっていることが示唆される。一方で、「レンタルした(する)から」はいずれも1%未満にとどまり、ベビーカー購入の代替手段としては限定的である。

検討開始時期は「出産前」が約75%、購入は「妊娠後期〜生後1ヶ月」が約50%

ベビーカー購入の検討開始時期について、2025年・2026年ともに「出産前」が約75%を占めているが、「妊娠初期以前(妊活中〜妊娠4ヶ月)」は約10%(2025年)から約17%(2026年)へと増加し、「妊娠中期(妊娠5ヶ月〜7ヶ月)」は約35%(2025年)から約26%(2026年)へと減少した。これにより、検討開始時期の一部がより早いタイミングへ前倒しされていることがうかがえる。一方、実際の購入時期については、2025年・2026年ともに「妊娠8ヶ月」が約17%で最多となり、「妊娠後期」や「生後直後」に集中している。特に2026年では、「生後1ヶ月」での購入が約10%と、前年から約6%増加している点が特徴的である。

検討開始時期の早期化の背景には、SNS等を通じて日常的に育児用品の情報に接する機会が増え、実際に必要となる前からブランド認知や商品理解が進んでいる可能性がある。一方で、購入は出産前後の必要なタイミングに合わせて行われており、検討と購入の間に一定の時間差が生じていることが分かる。これは、製品の高価格化を背景に、子育て世帯において慎重な購買姿勢が強まっていることを示唆している。

「アップリカ」に次ぐ「サイベックス」の躍進

ベビーカーのブランド認知度では、「アップリカ」「コンビ」が8割を超え、依然として高い水準を維持している。特筆すべきは「サイベックス」の躍進であり、約56%(2025年)から約70%(2026年)へと大幅に増加した。

実際の購入ブランドでは、こうした変化がより鮮明に表れている。「アップリカ」は約26%(2025年)から約35%(2026年)へとシェアを拡大した。また、「サイベックス」が約22%(2026年)で2位に浮上し、前年2位の「コンビ」は約19%(前年比約6%減)となり3位へと後退した。

購入者のブランドイメージでは、「定番・信頼できる」が約75%と圧倒的多数を占めている。アップリカが最終的な購買決定においてシェアを大きく伸ばしている背景には、この「信頼性」という強固なブランドイメージが、高額な育児用品選びにおいて重要な判断軸となっていることがあると考えられる。一方で、コンビも同様に「信頼できる」ブランドとして認識されているものの、圧倒的なブランド力を持つアップリカとのカニバリゼーションによって相対的にシェアが低下している可能性がある。また、サイベックスの躍進の背景には、従来の国内ブランドが訴求してきた機能性や安心感とは異なる、「デザインがおしゃれ・現代風(約62%)」「高級感(約27%)」といった付加価値が評価されている点があると考えられる。

「走行性・操作性」を「店頭」で確認して購入

ベビーカー選定における重視項目では、2025年・2026年ともに「走行性」が最多となった。また、「操作性(車輪の小回りが利く)」が約29%(2025年)から約41%(2026年)へと大幅に増加し、「価格」を上回った。操作性のニーズが高まっている背景には、ベビーカーを単なる移動手段ではなく、育児時の負担を軽減するためのツールとして捉える意識の変化があると考えられる。狭い道や公共交通機関での利用など、日常的な使いやすさがより重視されているといえる。
このようなニーズの変化に対して、メーカー側も操作性を重視した製品展開を進めている。シェアを一層拡大しているアップリカは2025年に最上位モデル「マール」を発売し、快適性に加えて走行性・操作性の高さを特徴としたモデルを展開している。また、サイベックスも2026年モデルの「メリオカーボン」において、軽量設計による押しやすさや片手での開閉機能など、走行性の向上を強く打ち出している。これらを踏まえると、ベビーカー選びにおいて価格以上に使用時の快適性や操作性を重視しており、こうした機能を強化した製品がシェア拡大の一因となっている可能性がある。

情報収集手段については、2025年・2026年ともに「店頭(店員やPOP広告等)」が最多であり、次いで「SNS上の口コミ」「公式アカウント」が上位を占めている。デジタル情報の普及が進む中でも店頭が微増し首位を維持している要因としては、前述の「操作性」や「走行性」といった身体感覚に依存する機能を確認するために、実機に触れる体験が不可欠である点が挙げられる。そのため、SNSでトレンドやブランドを認知し、公式サイトで詳細なスペックを確認した上で、最終的に店頭で実機の操作性を検証するという、デジタルとリアルを横断したハイブリッドな情報収集スタイルが、高額なベビーカー選びにおける標準的な購買行動となっていることが示唆される。

6割以上が「実店舗」で購入

ベビーカーの購入方法について、2026年は「実店舗」での購入が約66%を占め、2025年から約5%増加した。一方で、「インターネットショッピング」は約32%と、前年から約3%減少している。

実店舗の内訳を見ると、「ベビー用品店(アカチャンホンポ)」が約44%(前年比約8%増)で最多となり、2位の「ベビー用品店(ベビーザらス)」の約17%を大きく引き離している。インターネットショッピングでは、「楽天」が約39%で首位を維持しているものの、前年から約9%減少した。一方、「Amazon」は約28%と、2025年から約14%超の大幅な伸びを記録している。

このような実店舗への回帰傾向の背景には、ベビーカーの「高価格化」と「機能性重視」の高まりがあると考えられる。2026年の調査では、「70,000円以上」の高価格帯を選択する層が約21%に達し、前年の約17%から増加している。また、「操作性(車輪の小回り)」を重視する割合も約11%増加しており、高額な投資に対する納得感を得るために、店頭で押し心地やサイズ感を確認したいというニーズが強まっていることがうかがえる。

一方で、インターネットショッピングにおいてAmazonが伸長している背景には、大型セールや配送スピード、UI/UXの利便性が、効率性を重視する現代の育児世代に支持されている点があると考えられる。

総じて、アカチャンホンポのような実店舗で実機を確認し納得した上で購入する、あるいは信頼性の高い大手ECプラットフォームを選択するという、購買チャネルの絞り込みと使い分けが進んでいることが示唆される。

約6割がベビーカーレンタルに「抵抗あり」

ベビーカーのレンタル利用について、「抵抗がある」と回答した割合は約60%にのぼり(かなり抵抗がある:約15%、少し抵抗がある:約45%)、過半数の子育て世帯がレンタル利用に対して消極的であることが示された。

不安要素としては、「衛生面」が約70%と突出して高く、次いで「借りる度に生じるレンタル費用」(約39%)、「他人が使った商品を使うことへの抵抗」(約37%)が上位を占めている。また、「破損・汚損時の追加費用」や「返却手続きの手間」といった、利用に伴うリスクや負担を懸念する声も一定数見られる。

このようにレンタルに対する抵抗感が根強い背景には、乳幼児が直接触れる製品であることから、「清潔さ」と「安心感」が最優先されている点があると考えられる。信頼できる相手から譲り受ける「お下がり」とは異なり、出所の不確実性に対する不安が存在することに加え、利用料や破損リスクといった費用面を踏まえると、長期的には購入の方が合理的であり、心理的負担も小さいと判断する子育て世帯の意識が反映されていると考えられる。

4. 調査項目

  • 購入経験の有無
  • 未購入理由
  • 検討開始時期・購入時期
  • ブランド認知度
  • 検討・購入したブランド
  • 購入したブランドのイメージ
  • ベビーカー使用状況
  • 現在最も使用しているベビーカー
  • 購入したことのある・現在主に使用しているベビーカータイプ
  • 現在最も使用しているベビーカーの直前に使用していたもの
  • 重視した項目・最も重視した項目
  • 参考にした情報源
  • 購入方法・内訳
  • 購入したベビーカーの金額
  • 現在利用しているベビーカーの満足度
  • ベビーカーレンタルへの抵抗度・不安要素

※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

5. おわりに

コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。

本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。

(コズレ子育てマーケティング研究所 村尾、早川)

 

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。

出典:「【2025年・2026年 定点調査】ベビーカー購入動向に関する市場調査(株式会社コズレ)」https://cozre.co.jp/blog/18458

(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/

(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/

この記事の著者

株式会社コズレ 取締役 早川修平の写真

著者: 早川 修平(株式会社コズレ 取締役/MBA)

NTT東日本にて法人営業、マーケティング、経営企画を経験後、慶應義塾大学大学院(在学中、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院へ留学)にてMBAを取得。戦略コンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」にて自動車・金融業界など幅広いクライアント向けにマーケティング戦略立案、ビジネスプロセス改善の支援に従事。

その後、子育て世代向けWebメディア「コズレ」を創業期から運営責任者として牽引し、会員数100万人超のプラットフォームへと成長させる。累計500件以上の子育て世帯を対象とした市場調査を主導し、育児用品メーカーや子育て関連サービス企業向けに、定量・定性データに基づくマーケティング戦略やプロモーション施策を多数提案・実行している。また、子育て世代の購買行動やニーズを踏まえたマーケティング手法に関するセミナーや講演会の講師も務める。

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