調査レポート

妊娠・出産期の「美容家電」購入実態調査2026

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1. はじめに

美容家電市場は拡大を続けているが、子育て世帯における購入実態は十分に明らかになっていない。妊娠・出産を経たママは自分の時間を確保しづらくなるため、時短や自宅ケアを叶える美容家電の需要が高まるのではないか、という仮説が想定される。しかし、この層が実際にどの美容家電を、どのような理由で購入しているのかを示すデータは乏しい。そこで本調査では、長子0歳以上の子を持つ親を対象に、妊娠以降の美容家電12カテゴリの購入実態と、その背景にある購入理由・きっかけ・妊娠出産の影響を明らかにした。

本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

2. 調査

調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:長子0歳以上の親
調査期間:2026年4月20日(月)〜2026年5月31日(日)
有効回答数:417名

3. 結果・考察

📊 本章で言及する全グラフ(図1〜図5)は、記事末尾にまとめて掲載しています。

各小見出しの「→ 図〇」の番号と対応していますので、あわせてご参照ください。

妊娠以降の美容家電購入はヘアドライヤーが突出、他カテゴリは1割未満(→ 図1)

妊娠以降に購入した美容家電の購入率は、ヘアドライヤーが約14.9%、ヘアアイロンが約8.9%であった(→ 図1)。一方、リフトアップ美顔器・スチーマー・光美容器・脱毛器といった、いわゆる自分磨き系の専用家電はいずれも約2.2%以下にとどまり、電動洗顔ブラシは約0.0%であった。子育て期は時間・予算の配分が子ども優先になりやすく、自分向けの美容投資が後回しになる構造があると考えられる。その中で購入が進むのは、日々の身支度に使う日用グルーミング家電に限られると示唆される。

当初の「時間がないから美容家電を購入する」という仮説は、美容家電全般としては支持されにくく、この層に届く軸は「美容」ではなく「日常の身支度を効率化する実用家電」であると考えられる。

ヘアドライヤー購入者の約47%が妊娠・出産の影響を認める(→ 図2)

唯一まとまった購入規模となったヘアドライヤーについて、購入が妊娠・出産の影響を受けているかを尋ねたところ、「強く影響している」約11.3%と「やや影響している」約35.5%の合計で約46.8%が影響を認めた(→ 図2)。一方で「あまり」「全く」影響していないの合計は約53.2%であった。半数弱がライフステージの変化を購入の背景に挙げており、妊娠・出産が一定の購入ドライバーになっていることがうかがえる。ただし過半は影響を否定しており、純粋な妊娠・出産需要とは言い切れない。

ヘアドライヤーは子育て期に購入が喚起されうる数少ない美容家電であるが、需要の核は妊娠・出産そのものではなく、日常の利便性にあると考えられる。

購入理由のトップは「時短になるから」約59.7%(→ 図3)

ヘアドライヤーの購入理由を尋ねたところ、「時短になるから」が約59.7%で突出して多かった(→ 図3)。次いで「外出せず自宅でケアできるから」「自分へのご褒美として購入した」が各約11.3%であった。子育て中の時間不足を背景に、髪を乾かす時間を短縮できる速乾性が、選択理由の中心になっていると考えられる。美容効果そのものよりも「早く済む」という実用価値が評価されている可能性がある。

ヘアドライヤーをこの層に訴求する際は、速乾性・時短性能を前面に出すことが有効であると考えられる。

きっかけ首位は「もともと欲しかった」約50%、時間不足が後押し(→ 図4)

ヘアドライヤーを購入したきっかけでは、「もともと欲しかった(妊娠・出産と無関係)」が約50.0%で最多であった(→ 図4)。これに「育児中の時間不足を感じた」約22.6%が続き、「妊娠をきっかけに必要だと感じた」は約3.2%にとどまった。以前から潜在的な購入意欲が存在し、育児期の時間不足がその意欲を顕在化・後押しした構図がうかがえる。妊娠そのものを直接のきっかけとする回答は少ない。

育児期の時間不足は、まったく新しい需要を生むというより、既存の購入意欲を「今、買う」へと転換させるトリガーとして機能していると考えられる。

ヘアアイロンは購入者の約8割が「影響なし」、ドライヤーと対照的(→ 図5)

ヘアアイロンでは、購入が妊娠・出産の影響を「あまり受けていない」約35.1%、「全く受けていない」約45.9%で、合計約81.1%が影響を否定した(→ 図5)。「強く」「やや」影響しているの合計は約18.9%にとどまる。購入理由でも「自分へのご褒美」「時短」が並び、きっかけは「もともと欲しかった」が約6割を占めるなど、スタイリング目的の自発的な購入が中心で、ライフステージの変化との結びつきは弱いと考えられる。

同じヘアケア家電でも、ヘアアイロンは子育て文脈での訴求が効きにくく、ヘアドライヤーとは分けたコミュニケーション設計が望ましいと考えられる。

4. 調査項目

  • お子さん(一番上のお子さん)の今の月齢
  • ヘアドライヤー:妊娠以降の購入有無/購入理由/購入きっかけ/妊娠・出産の影響
  • ヘアアイロン:妊娠以降の購入有無/購入理由/購入きっかけ/妊娠・出産の影響
  • リフトアップ美顔器:妊娠以降の購入有無/購入理由/購入きっかけ/妊娠・出産の影響
  • スチーマー:妊娠以降の購入有無/購入理由/購入きっかけ/妊娠・出産の影響
  • 光美容器:妊娠以降の購入有無/購入理由/購入きっかけ/妊娠・出産の影響
  • 頭皮ケア家電:妊娠以降の購入有無/購入理由/購入きっかけ/妊娠・出産の影響
  • 電動洗顔ブラシ:妊娠以降の購入有無/購入理由/購入きっかけ/妊娠・出産の影響
  • 毛穴吸引器:妊娠以降の購入有無/購入理由/購入きっかけ/妊娠・出産の影響
  • ウォーターピーリング:妊娠以降の購入有無/購入理由/購入きっかけ/妊娠・出産の影響
  • 脱毛器:妊娠以降の購入有無/購入理由/購入きっかけ/妊娠・出産の影響
  • アイマッサージャー:妊娠以降の購入有無/購入理由/購入きっかけ/妊娠・出産の影響
  • ヘッドマッサージャー:妊娠以降の購入有無/購入理由/購入きっかけ/妊娠・出産の影響

※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

5. おわりに

妊娠以降に購入される美容家電は、ヘアドライヤーとヘアアイロンに集中し、リフトアップ美顔器・脱毛器・光美容器など自分磨き系の専用家電はいずれも購入率が低位にとどまった(図1)。子育て期は自分向けの美容投資が後回しになりやすい構造がうかがえ、「時間がないから美容家電が売れる」という想定は、美容家電全般としては成立しにくいといえる。

唯一まとまった購入規模に達したヘアドライヤーでは、購入者の約47%が妊娠・出産の影響を認め、購入理由は「時短になるから」が約6割で突出した(図2・図3)。子育て期の時間不足が、実用的なグルーミング家電の購入を後押ししている様子が読み取れる。

ただし、購入きっかけの首位は「もともと欲しかった」であり、時間不足は新規需要を生むというより、既存の購入意欲を後押しするトリガーとして働いていた(図4)。一方、ヘアアイロンは購入者の約8割が影響を否定し、ライフステージとの結びつきは弱かった(図5)。同じヘアケア家電でも、需要の生まれ方は大きく異なる。

以上から、この層への訴求は「美容・自分磨き」ではなく「日常の身支度を時短する実用家電」という軸が有効であると考えられる。とりわけ速乾性を備えたヘアドライヤーは、子育て期の時間不足を捉えた提案余地が大きいといえる。

コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 早川)

【グラフ】図1〜図5(全グラフまとめ)

出典

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。
出典:「妊娠・出産期の美容家電購入実態調査2026(株式会社コズレ)」https://cozre.co.jp/blog/20367
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)

この記事の著者

株式会社コズレ 取締役 早川修平の写真

著者: 早川 修平(株式会社コズレ 取締役/MBA)

NTT東日本にて法人営業、マーケティング、経営企画を経験後、慶應義塾大学大学院(在学中、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院へ留学)にてMBAを取得。戦略コンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」にて自動車・金融業界など幅広いクライアント向けにマーケティング戦略立案、ビジネスプロセス改善の支援に従事。

その後、子育て世代向けWebメディア「コズレ」を創業期から運営責任者として牽引し、会員数100万人超のプラットフォームへと成長させる。累計500件以上の子育て世帯を対象とした市場調査を主導し、育児用品メーカーや子育て関連サービス企業向けに、定量・定性データに基づくマーケティング戦略やプロモーション施策を多数提案・実行している。また、子育て世代の購買行動やニーズを踏まえたマーケティング手法に関するセミナーや講演会の講師も務める。

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