1. はじめに
EC利用やSNSの普及により、育児用品や日用品の購入においてもネット上の口コミ・評価が重要な判断材料になりつつあると考えられる。一方で、子育て層が口コミ・評価をどの程度参考にし、どの情報源を重視し、どのような不安を抱えているのか、その依存度の実態は十分に明らかになっていない。加えて、サクラや過度なPRへの懸念も指摘されるなか、購買行動における口コミの位置づけを把握することはマーケティング上の重要課題である。そこで本調査では、妊娠中以上の子を持つコズレ会員を対象に、口コミ・評価への依存度と購買行動への影響を明らかにした。
本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
2. 調査
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:妊娠中および0歳以上の子を持つコズレ会員
調査期間:2026年6月17日(水)〜2026年7月14日(火)
有効回答数:538名
3. 結果・考察

📊 本章で言及する全グラフ(図1〜図14)は、記事末尾にまとめて掲載しています。
各小見出しの「→ 図〇」の番号と対応していますので、あわせてご参照ください。
参考にする情報源は「ネット上の口コミ・評価」が最多(→ 図1)
商品購入時に参考にする情報源では、「ネット上の口コミ・評価」が約73%と最も多く、「最も参考にする情報源」としても約46%でトップとなった(→ 図1)。メーカー・ブランドの公式サイトや店頭で得られる情報などを上回っており、商品を提供する側からの情報だけでなく、実際に購入・使用した人の評価が重視されていることがわかる。子育て層の商品選びでは、商品の機能や特徴を知るだけでなく、「実際に使った人がどう感じたか」を確認することが、購入判断における重要な情報源になっていると考えられる。
口コミの中で最も参考にされるのは「SNS」で約52%(→ 図2)
ネット上の口コミ・評価のうち、参考にする情報源では「SNS(Instagram/X/TikTokなど)」が約72%と最も多く、「最も参考にする情報源」としても約52%でトップとなった(→ 図2)。次いで、「ECサイト」や「子育て情報サイト」が上位を占めた。SNSでは、文章による評価だけでなく、写真や動画を通して商品のサイズ感や使用場面などを確認することができる。子育て層にとって、実際の生活の中で商品がどのように使われているのかを具体的にイメージできる情報が、商品選びの参考になっている可能性がある。
口コミを参考にする最大の理由は「失敗・後悔を防ぐため」で約77%(→ 図3)
口コミ・評価を参考にする理由は「購入後の失敗や後悔を防ぐため」が約77%で最も高く、「実際の使用感や品質を確認するため」が約63%、「公式情報にはないデメリットを知るため」が約46%で続いた(→ 図3)。口コミは商品の魅力を知るためだけではなく、「自分に合わなかったらどうしよう」「買ってから困ることはないか」といった購入前の不安を解消するための情報として活用されていることがうかがえる。特に、公式情報だけでは判断しにくい使用感やデメリットを事前に確認できることが、口コミを参考にする大きな理由になっていると考えられる。
約98%が口コミを「参考にする」と回答(→ 図4)
口コミ・評価を「ほぼ毎回参考にする」「たまに参考にする」と回答した割合は、合わせて約98%に達した(→ 図4)。「ほとんど参考にしない」「まったく参考にしない」はごく少数にとどまり、多くの子育て層が商品購入時に何らかの形で口コミを確認している。口コミ・評価は、一部の商品を慎重に選ぶときだけ利用されるものではなく、子育て層の商品選びのプロセスに広く組み込まれている情報源になっていることがうかがえる。
良い評価よりも「悪い評価」を確認する割合が多い(→ 図5)
口コミ・評価で特に確認する内容では、「悪い評価の内容(デメリット)」が約78%と最も多く、「良い評価の内容(メリット)」が約68%、「実際の使用感や品質」が約54%と続いた(→ 図5)。図3でも「購入後の失敗や後悔を防ぐため」が口コミを見る最大の理由となっており、子育て層は単に評価の高さを見るのではなく、悪い評価の理由まで確認したうえで、自分にとって許容できるデメリットなのかを見極めていることがうかがえる。商品情報を発信する際にも、メリットだけを伝えるのではなく、使用条件や注意点、商品が向いているケースなど、購入後のミスマッチを防ぐための情報を充実させることが重要と考えられる。
特に口コミを参考にするのは「大型育児用品」で約80%(→ 図6)
特に口コミ・評価を参考にする商品では、「大型育児用品(ベビーカーなど)」が約80%と最も多く、「子ども用衛生用品」が約54%、「子ども用玩具・知育用品」が約52%と続いた(→ 図6)。ベビーカーなどの大型育児用品は、価格だけでなく、サイズや使いやすさ、収納性など、購入後の生活との相性を確認したいポイントが多い。購入後に簡単には買い替えにくい商品ほど、他の利用者の経験を参考にしながら慎重に選びたいという意識が高まることがうかがえる。
口コミは「比較・検討時」に確認され、そのまま購入の決め手にも(→ 図7・図8)
口コミ・評価を見るタイミングでは、「複数の商品を比較・検討している時」が約51%と最も多く、「購入候補の商品を探している時」が約43%と続いた(→ 図7)。一方、口コミ・評価が購入の決め手になることが「頻繁にある」「たまにある」と回答した割合は、合わせて約96%にのぼった(→ 図8)。このことから、口コミは購入直前に確認するだけの情報ではなく、商品を探し、候補を比較・検討する段階から活用され、最終的な商品選択にも影響する情報となっていることがうかがえる。商品が比較候補に入る段階から購入を決める段階まで、購買プロセスの幅広い場面で口コミが重要な役割を担っていると考えられる。
約97%が「口コミを参考にして買って良かった」一方、期待外れの経験も(→ 図9・図10)
口コミを参考にして「購入して良かった」と感じたことが「頻繁にある」「たまにある」と回答した割合は、合わせて約97%に達した(→ 図9)。一方、口コミを参考にしたにもかかわらず「期待外れだった」経験についても、「頻繁にある」「たまにある」の合計は約66%となった(→ 図10)。口コミを活用することで納得できる商品選びにつながっている一方、口コミを確認すれば必ず自分に合った商品を選べるわけではないこともわかる。同じ商品でも、子どもの年齢や家庭の生活スタイル、使用環境などによって評価は変わり得る。単なる「良かった・悪かった」という評価だけでなく、「誰が、どのような状況で使って、どう感じたのか」までわかる口コミほど、自分に合う商品かを判断する材料になりやすいと考えられる。
口コミは信頼されている一方、約8割が「サクラ・過度なPR」を警戒(→ 図11・図12)
口コミ・評価を「とても信頼している」「やや信頼している」と回答した割合は、合わせて約93%となった(→ 図11)。ただし、「とても信頼している」は約11%にとどまり、「やや信頼している」が約82%と大半を占めた。さらに、口コミ・評価にサクラや過度なPRが含まれているのではないかと「不安になることがある」と回答した割合は約78%にのぼった(→ 図12)。つまり、子育て層は口コミを重要な情報として信頼しながらも、その内容を無条件に信用しているわけではないことがわかる。「本当に利用者の声なのか」「広告やPRではないのか」と、情報の背景まで見極めようとする姿勢がうかがえる。口コミの影響力が大きいからこそ、企業側には高評価を増やすことだけでなく、PRやモニター投稿であることを明確にするなど、情報の透明性を確保することがより重要になっていると考えられる。
口コミがないと約半数が購入から離脱。存在そのものが安心材料に(→ 図13)
検討している商品に口コミ・評価がなかった場合、「他の商品を検討する」が約42%、「購入を見送る」が約10%となり、合わせて約53%がその商品の購入から離れる方向の行動を取ると回答した(→ 図13)。口コミの内容だけでなく、「実際に購入・使用した人の声が存在すること」そのものが、安心して商品を検討するための材料になっていることがうかがえる。特に発売直後の新商品など、まだ利用者の声が少ない商品では、商品情報だけでは購入前の不安を解消しきれない可能性がある。一方、図13ではサクラや過度なPRへの警戒も強く表れている。口コミを増やすことだけを目的とするのではなく、実際の利用体験が伝わる口コミをどのように蓄積していくかが重要と考えられる。
約3人に1人は口コミを「投稿しない」。見る人と書く人にはギャップも(→ 図14)
自身が口コミ・評価を投稿する場面では、「主に特典がある場合に投稿する」が約37%で最も多く、「投稿しない」が約32%、「主に満足度が高い場合に投稿する」が約20%と続いた(→ 図14)。図4では約98%が口コミを参考にしている一方、自らは口コミを投稿しない人が約3割存在しており、口コミを「見る」ことと「書く」ことには大きな温度差があることがわかる。また、投稿のきっかけとして「特典」が最も多い一方、図13ではサクラや過度なPRへの警戒も強い。投稿を促す仕組みを設ける場合には、インセンティブの有無を明示するなど、口コミを集めやすくすることと、口コミへの信頼性を保つことの両立が重要と考えられる。
4. 調査項目
- 購入時に参考にする情報源/最も参考にする情報源
- ネット上の口コミ・評価の中で参考にする情報源/最も参考にする情報源
- 口コミ・評価を参考にする理由
- 口コミ・評価を参考にする程度
- 口コミ・評価で特に確認する内容
- 口コミ・評価を特に参考にする商品
- 口コミ・評価を見る主なタイミング
- 口コミ・評価が購入の決め手になる頻度
- 口コミ参考で「購入して良かった」と感じた経験
- 口コミ参考でも「期待外れ」だった経験
- 口コミ・評価への信頼度
- サクラ・過度なPRへの不安の有無
- 口コミ・評価がない場合の購入意向の変化
- 自身の口コミ・評価の投稿行動
※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
5. おわりに
【情報収集フェーズ】購入時に最も参考にされる情報源は「ネット上の口コミ・評価」であり、公式サイトや店頭を上回って第一の判断軸となっている。口コミの中でも特にSNSが重視され、写真や動画を伴うリアルな投稿が子育て層の情報収集の中心になっていると考えられる。
【比較・検討フェーズ】口コミを参考にする最大の動機は「失敗・後悔の回避」であり、約98%が日常的に口コミを参照している。特にデメリット情報が重視され、大型育児用品など高関与商材ほど依存度が高い。口コミは比較・検討段階を中心に参照されている。
【購買・満足フェーズ】口コミは約96%にとって購入の決め手となり、約97%が口コミ参考による満足を実感している。一方で約66%は期待外れの経験も持ち、口コミがない商品では約53%が購入から離脱する。口コミの有無と質が購買と満足を大きく左右している。
【信頼・課題フェーズ】口コミへの信頼は約93%に及ぶものの、その多くは「やや」という留保付きであり、約78%がサクラや過度なPRへの不安を抱えている。投稿行動では特典が有効に働く一方、投稿しない層も一定数存在する。透明性と誠実な情報発信が、口コミ依存時代の信頼獲得の鍵になると考えられる。
コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 村尾、早川)
【グラフ】図1〜図14(全グラフまとめ)

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。
出典:「「子育て世帯における口コミ・評価が購買に与える影響」市場調査2026(株式会社コズレ)」https://cozre.co.jp/blog/21382
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)



