子どもの初めての銀行口座、ゆうちょ銀行が47%で圧倒~「ファースト口座開設」実態調査2026

  • LINEで送る

1. はじめに

子育て世帯にとって、児童手当や出産祝い金、お年玉の管理は身近な悩みである。近年、子ども名義の口座、いわゆる「ファースト口座」を開設する家庭が増えており、金融機関各社もキャラクター特典や優遇金利などで子育て世帯の獲得を図る動きを強めている。しかし、実際にどの程度の家庭が開設しているのか、銀行選びで何を重視し、開設後どこまで満足しているのかという実態は十分に把握されていない。そこで本調査では、1歳以上の子どもを持つママを対象に、ファースト口座の開設状況、開設のきっかけや銀行選びの基準、開設後の満足度、開設に至らない理由などの実態を明らかにした。

本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

2. 調査

調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:オンラインリサーチ
調査対象:1歳以上の子どもを持つママ
調査期間:2026年7月28日~2026年8月20日
有効回答数:209名

3. 結果・考察

📊 本章で言及する全グラフ(図1〜図11)は、記事末尾にまとめて掲載しています。

各小見出しの「→ 図〇」の番号と対応していますので、あわせてご参照ください。

子どもの口座はすでに約62%が開設済み(→ 図1)

「既に開設している」は約61.7%と過半数を占め、「これから開設する予定・検討中」の約20.6%、「開設する予定はない」の約17.7%を大きく上回った(→ 図1)。児童手当や出産祝い金の受け皿として、子ども名義の口座を持つことがすでに一般的な選択肢になりつつあると考えられる。一方で、開設予定がない層も約2割弱存在しており、子育て世帯全体への浸透にはなお余地が残されている可能性がある。

開設のきっかけは「出産祝い金・児童手当の管理」がトップ(→ 図2)

開設したきっかけとしては「出産祝い金や児童手当を管理するため」が約67.4%で最多となり、「お年玉やお小遣いを貯蓄するため」の約60.5%が続いた(→ 図2)。一方「将来の教育資金を準備するため」は約18.6%にとどまり、中長期的な資産形成よりも、まとまった資金を受け取った時点での管理ニーズが開設の主な動機になっていることがうかがえる。

金融機関にとっては、出産や児童手当支給といったライフイベントのタイミングを捉えた訴求が有効と考えられる。

銀行選びの最大の決め手は「親のメイン銀行と同じであること」(→ 図3)

開設した銀行を選んだ理由は「親(あなた)が普段メインで使っている銀行だから」が約50.4%と半数を占め、「近くに店舗やATMがあって便利だから」の約25.6%が続いた(→ 図3)。子ども向けの金利やキャラクター特典を理由に挙げた割合はいずれも1割未満にとどまり、口座選びにおいては特典よりも親自身の利便性が優先される傾向がうかがえる。一方で、親世代のメインバンクであることを理由に挙げていない層が約50%いることにも注目すべき点であろう。親の口座がなくとも、子どもの口座を獲得できる機会はあるということを示唆している。

開設先は「ゆうちょ銀行」が約47%でトップ(→ 図4)

実際に開設した銀行は「ゆうちょ銀行」が約47.3%と際立って多く、「地方銀行」の約14.0%、「三菱UFJ銀行」の約10.9%が続いた(→ 図4)。銀行選びにおいて「普段使いの銀行」を選ぶ傾向とあわせて考えると、全国に店舗・窓口網を持つゆうちょ銀行の手軽さが、子ども名義口座の受け皿として選ばれやすい一因になっていると考えられる。

都市銀行やネット銀行にとっては、ゆうちょ銀行が事実上のデフォルト選択肢になっている状況を踏まえた差別化施策が求められる。

金利への満足度は「ある程度満足」派が最多、約4割は評価が分かれる(→ 図5)

開設した銀行の金利に対する満足度は、「ある程度満足している」が約45.7%と最多であった(→ 図5)。「非常に満足している」の約16.3%と合わせると満足派は6割超に達する一方、「あまり満足していない」約24.8%、「全く満足していない」約13.2%を合わせた不満派も約4割にのぼる。銀行選びの理由として子ども向けの優遇金利が上位に挙がらなかったことを踏まえると、金利は開設前よりも開設後に評価が分かれやすい要素である可能性が示唆される。

子ども向け口座における優遇金利の訴求は、新規獲得だけでなく既存利用者の満足度向上策としても位置づける余地があると考えられる。

モバイルアプリは「利用していない」が最多の約44%(→ 図6)

モバイルアプリ機能への満足度を尋ねたところ、「アプリ機能は利用していない」が約44.2%と最も多く、実際に利用した層の中では「ある程度満足している」約35.7%が「非常に満足している」約11.6%を上回った(→ 図6)。子ども名義口座においてもアプリ機能自体は用意されているとみられるが、利用に至っていない家庭が半数近くに上る背景には、認知不足や利用機会の少なさがあると考えられる。

残高照会や親口座との連携機能を分かりやすく案内することが、既存利用者の利便性向上とアプリ利用率の底上げにつながると考えられる。

キャラクター特典も「利用していない」層が約36%で最多(→ 図7)

キャラクター特典・通帳デザインへの満足度は「特典・デザインなどは利用していない」が約35.7%と最多であり、次いで「ある程度満足している」約31.0%が続いた(→ 図7)。銀行を選んだ理由として子ども向けキャラクター特典を挙げた割合が1割未満にとどまっていたこととあわせると、特典の存在自体が選択時にも利用時にも十分に意識されていない可能性がある。

子どもの口座開設をきっかけにした親口座の乗り換えは約1割にとどまる(→ 図8)

子どもの口座開設をきっかけに親自身や家族の口座を動かした経験は、「子どもの口座を作っただけで、親や家族の口座を動かすことはなかった」が約84.5%と大多数を占めた(→ 図8)。「家族の共通口座を新しく作った」約7.0%、「親のメイン口座を乗り換えた」約3.9%を合わせても1割程度にとどまり、子どもの口座開設が親世代の金融行動全体に波及する効果は限定的である可能性がある。

子ども口座の開設を親のメイン口座獲得につなげるには、開設時点での特典連携など、より踏み込んだ導線設計が必要と考えられる。

開設しない理由の最多は「メリットを感じない」約35%(→ 図9)

子ども名義の口座を「開設する予定がない」理由としては、「子ども名義の口座を作るメリット(お得な金利や特典など)を感じないから」が約35.1%で最多となり、「口座を増やすと管理が面倒になるから」約32.4%、「親名義の口座でまとめて管理すれば十分だから」約29.7%が僅差で続いた(→ 図9)。開設しない層にとっては、子ども名義口座ならではの明確なメリットが伝わっていないことが、最大の障壁になっていると考えられる。

開設していない層への訴求では、管理の手間を上回るだけの具体的なメリット(金利・特典・資金管理のしやすさ等)を明確に示すことが有効と考えられる。

開設のきっかけになり得る特典はキャラクター系が約49%でトップ(→ 図10)

どのような特典があれば子ども名義の口座を作ってもよいと思うか尋ねたところ、「大人気のキャラクター通帳や、豪華なベビー・キッズ向けギフト特典」が約48.6%で最多となり、「子ども限定の特別優遇金利」約27.0%が続いた(→ 図10)。一方「どのような特典があっても、口座を作る予定はない」も同率の約27.0%存在し、特典の魅力だけでは動かない層が一定数いることもうかがえる。

未開設層の取り込みには、キャラクター特典と優遇金利を組み合わせた訴求が有効と考えられるが、特典に左右されない層への別アプローチも併せて検討する余地がある。

銀行が親と分かれることへの抵抗感は少数派(→ 図11)

お子様名義の口座を親と異なる銀行で開設することについては、「特に意識したことはない・どちらでもよい」が約46.4%と最多であった(→ 図11)。「できれば親と同じ銀行でまとめた方が良い」約30.6%も一定数存在する一方、「銀行の統一感にはこだわらず、実利が良い方を優先したい」約16.7%、「あえて異なる銀行が良い」約6.2%を合わせると、銀行の使い分けに前向きな層も2割超にのぼる。

親のメイン銀行以外の金融機関にとっては、「異なる銀行でも問題ない」と考える層に向けて、実利面での差別化を打ち出す余地があると考えられる。

4. 調査項目

  • 開設状況
  • 開設したきっかけ
  • 開設した銀行を選んだ理由
  • 開設した銀行
  • 金利への満足度
  • モバイルアプリ機能への満足度
  • キャラクター特典への満足度
  • 親口座の乗り換え実績
  • 開設しない理由
  • あれば検討したくなる特典
  • 銀行が分かれることへの意識

※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

5. おわりに

子ども名義のファースト口座は、すでに約6割の家庭が開設しており、出産祝い金や児童手当の管理、お年玉の貯蓄といった具体的な資金管理ニーズが開設のきっかけとなっている(図1・図2)。

銀行選びにおいては、金利や特典よりも「親が普段使っている銀行であること」が最大の決め手となっており、実際の開設先も店舗網の広いゆうちょ銀行に集中する傾向がみられた(図3・図4)。

開設後の満足度は、金利・アプリ機能・キャラクター特典のいずれにおいても「利用していない」「あまり満足していない」層が一定数存在し、子どもの口座開設が親自身の口座の乗り換えにまで波及するケースも限定的であった(図5〜図8)。

一方、開設していない層はメリットの実感の乏しさを最大の理由に挙げており、キャラクター特典や優遇金利があれば検討したいとする声も一定数見られた。また、銀行が親と分かれること自体への抵抗感は総じて小さく、実利を重視する土壌がうかがえる(図9〜図11)。

コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 早川)

【グラフ】図1〜図11(全グラフまとめ)

「ファースト口座開設」実態調査2026 図1〜図11 グラフまとめ

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。
出典:「「ファースト口座開設」実態調査2026(株式会社コズレ)」https://cozre.co.jp/blog/21625
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)

この記事の著者

株式会社コズレ 取締役 早川修平の写真

著者: 早川 修平(株式会社コズレ 取締役/MBA)
NTT東日本にて法人営業、マーケティング、経営企画を経験後、慶應義塾大学大学院(在学中、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院へ留学)にてMBAを取得。戦略コンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」にて自動車・金融業界など幅広いクライアント向けにマーケティング戦略立案、ビジネスプロセス改善の支援に従事。
その後、子育て世代向けWebメディア「コズレ」を創業期から運営責任者として牽引し、会員数100万人超のプラットフォームへと成長させる。累計500件以上の子育て世帯を対象とした市場調査を主導し、育児用品メーカーや子育て関連サービス企業向けに、定量・定性データに基づくマーケティング戦略やプロモーション施策を多数提案・実行している。また、子育て世代の購買行動やニーズを踏まえたマーケティング手法に関するセミナーや講演会の講師も務める。
  • LINEで送る

子育てビッグデータ×マーケティング
の知見をご提供します

コズレ子育てマーケティング研究所は、120万人以上のママパパによる独自調査パネルと、570万件を超える回答データ・10年以上の運営で培ったビッグデータを活用し、子育て世帯をターゲットとする企業のマーケティング活動を支援しています。

子育て世帯Web調査サービスは、独自パネルを持つからこそ業界最安値水準です。
また、子育て世帯向けマーケティングのヒントが詰まった各種資料やセミナーアーカイブを無料で提供中です。
必要とされるデータが掲載されている資料をお探しの際は、AIチャットボット「調査データコンシェルジュ」にご相談ください。

子育て世帯Web調査サービスの詳細はこちら


子育て世帯調査資料の無料ダウンロードはこちら


セミナーアーカイブ配信はこちら


AIチャットボット「調査データコンシェルジュ」はこちら



📘 子育て世帯市場調査の知見をまとめた電子書籍、好評発売中!

コズレ子育てマーケティング研究所のデータ・知見を体系的にまとめた電子書籍
『子育て世帯マーケティングの教科書』をAmazon Kindleにて発売中です。
「変わらない市場の構造」と「最新トレンド」の両方をデータで解き明かした一冊。子育てマーケティングを初めて担当する方から、施策を見直したい経験者まで、幅広くお役立ていただける内容です。
Kindle Unlimitedご登録の方は無料でお読みいただけます。




マーケティング活動の支援にご関心がある方は、以下リンクからお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら