調査レポート

子どもの成長に伴って冷凍食品の需要は拡大~子育て世帯における「冷凍食品」市場調査2026

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1. はじめに

共働き世帯の増加や日々の忙しさを背景に、冷凍食品は家庭の食卓を支える身近な存在として定着している。とりわけ妊娠・出産・子育ての時期は、家事にかけられる時間や食に対する意識が大きく変わり、食品の選び方や使い方にも変化が生じやすい。しかし、子育て世帯が冷凍食品をどのように取り入れ、ライフステージの移行とともにその使い方や重視する点がどう変わっていくのかは、これまで十分に明らかにされてこなかった。そこで本調査では、妊娠中以上の子を持つコズレ会員を対象に、冷凍食品の利用実態やライフステージの移行に伴う購買行動の変化を明らかにした。

本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

2. 調査

調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:妊娠中および0歳以上の子を持つコズレ会員
調査期間:2026年6月17日(水)〜2026年7月14日(火)
有効回答数:524名

3. 結果・考察

📊 本章で言及する全グラフ(図1〜図13)は、記事末尾にまとめて掲載しています。

各小見出しの「→ 図〇」の番号と対応していますので、あわせてご参照ください。

子育て世帯の約87%が冷凍食品を購入/喫食、利用理由は「時間・手間の節約」が中心(→ 図1・図2)

冷凍食品を現在購入・喫食していると回答した割合は約87%にのぼり、子育て世帯の大多数が日常的に冷凍食品を取り入れていることがわかった(→ 図1)。冷凍食品を利用する理由では、「調理時間を短縮できるから」が約81%と最も多く、「忙しい時でもすぐに食事を用意できるから」が約64%、「調理や後片付けの手間を減らせるから」が約46%と続いた(→ 図2)。味や保存性といった冷凍食品そのものの特徴以上に、食事の準備にかかる時間や手間を減らせることが、利用を支える大きな理由となっている。特に今回の回答者では共働き世帯が約71%を占めており、仕事と育児を両立するなかで、毎日の食事づくりに十分な時間を確保することが難しい家庭も多いと考えられる。冷凍食品は単なる「調理を楽にする食品」ではなく、時間に余裕がない日でも食事を用意するための、子育て家庭の生活を支える選択肢として定着していることがうかがえる。

認知は「ニチレイ」「味の素」が上位、最も購入は「味の素」(→ 図3)

冷凍食品ブランド・メーカーの認知率では、「ニチレイフーズ」が約82%、「味の素冷凍食品」が約80%、「ニッスイ」が約70%と、大手メーカーが上位を占めた(→ 図3)。一方、「最もよく購入するメーカー」では「味の素冷凍食品」が約28%で最も多く、「ニチレイフーズ」が約16%、「くらし良好(コープ・生協など)」が約11%と続いた。認知では上位メーカーが7~8割に達しているのに対し、最も購入するメーカーについては特定の1社に大きく集中していない。冷凍食品はメーカー名だけで選ばれるのではなく、商品カテゴリーや味、価格、その日の用途、店頭での品揃えなど、複数の条件を踏まえて商品が選択されている可能性がある。「メーカーを知っていること」と「そのメーカーを最もよく購入すること」の間には差があり、高いブランド認知だけでは実際の購入先までは決まらない市場であることがうかがえる。

支出は「1,000〜3,000円未満」が中心、子どもの成長に伴い支出増加傾向(→ 図4・図5)

冷凍食品への1か月あたりの支出額は、「1,000円以上~3,000円未満」が約52%と最も多く、「1,000円未満」が約23%と続いた(→ 図4)。高額なまとめ買いというよりも、日々の食生活のなかで一定額を継続的に支出する家庭が中心となっていることがわかる。さらに、ライフステージの変化に伴う支出の変化を見ると、「増えた」と回答した割合は、妊娠前から妊娠中への移行で約26%、妊娠中から子どもが0~1歳になるまでで約46%、0~1歳から2~3歳になるまでで約52%と、子どもの成長に伴って高まる傾向がみられた(→ 図5)。妊娠・出産によって家事負担が増えるだけでなく、子どもが成長して家族と同じ食事をとる機会が増えることで、冷凍食品を利用する場面そのものが広がっている可能性がある。冷凍食品への需要は出産を境に一度だけ高まるのではなく、子どもの成長とともに段階的に変化していくことが示唆される結果となった。

子どもの成長とともに家族全員の食卓へ(→ 図6)

冷凍食品を主に食べる人を子どもの年齢別に見ると、「自分」「配偶者・パートナー」は各年齢を通じて高い割合を示した一方、「子ども」が食べる割合には大きな変化がみられた(→ 図6)。0歳では約10%にとどまるものの、1歳では約50%、2歳以上になると約72%まで上昇している。離乳食が進み、子どもが大人に近い食事を食べられるようになるにつれて、冷凍食品の利用対象も親から子どもへと広がっていることがわかる。つまり、子育て家庭における冷凍食品の役割は、乳児期の「忙しい親の食事を助けるもの」から、子どもの成長とともに「家族みんなの食事を支えるもの」へと変化していると考えられる。特に1~2歳前後は、冷凍食品との接点が大きく変化するタイミングとして注目できそうだ。

購入カテゴリーは麺類・食卓用おかずが中心、育児で野菜・幼児食が増加(→ 図7・図8)

購入することが多い冷凍食品のカテゴリーでは、「食卓用おかず」や「麺類」が上位となり、最も購入するカテゴリーでは「麺類」が約24%、「食卓用おかず」が約19%、「お弁当用おかず」が約17%と続いた(→ 図7)。冷凍食品が副菜や弁当の一品だけではなく、主食・主菜を含めた日常の食事づくりに幅広く利用されていることがわかる。一方、妊娠・出産を経て購入が増えたカテゴリーを見ると、「麺類」「食卓用おかず」に加え、「野菜類」が約21%、「離乳食・幼児食」が約15%と、子どもの食事や栄養に関わるカテゴリーも上位に入った(→ 図8)。妊娠・出産後も従来の時短ニーズは継続しながら、「子どもに何を食べさせるか」「限られた時間でどう栄養を補うか」という新たなニーズが加わることで、利用カテゴリーが広がっている可能性がある。子育てをきっかけに、冷凍食品の利用目的そのものが多様化していることがうかがえる。

選択基準は「価格」中心、育児を機に「子ども視点」「安全性」が浮上(→ 図9・図10)

冷凍食品を選ぶ際に最も重視することでは、「価格が手頃であること」が約36%と最も多く、「味がおいしいこと」が約23%、「調理が簡単であること」が約18%と続いた(→ 図9)。日常的に繰り返し購入する食品だからこそ、価格・味・手軽さという基本的な価値が重視されていることがわかる。一方、妊娠・出産を経て以前より重視するようになった点を見ると、「価格」「調理が簡単」といった従来の基準に加え、「子どもが好んで食べること」「添加物が少ないこと」「栄養バランスが良いこと」など、子どもの嗜好や安全性、栄養に関する項目も挙げられた(→ 図10)。ここから見えてくるのは、子どもが生まれたからといって価格や時短を重視しなくなるわけではなく、従来の「安い・おいしい・簡単」に、「子どもにも安心して食べさせられる」という条件が加わっていくという変化である。子育て世帯にとって冷凍食品は、利便性だけでなく、家族に食べさせる食品としての安心感まで含めて選ばれる商材になっていると考えられる。

情報源は「店頭」が中心、次いで「SNSの口コミ」(→ 図11)

冷凍食品について情報収集する際に最も参考にする情報源では、「店頭」が約48%と突出して多く、「SNS上の口コミ」が約18%、「友人・知人・家族の口コミ」が約7%と続いた(→ 図11)。冷凍食品は、事前に時間をかけて情報収集してから購入するというより、普段の買い物のなかで売り場を見ながら商品を知り、その場で購入を検討するケースが多いと考えられる。パッケージや売り場での見え方、陳列、店頭で伝えられる情報が、商品との重要な接点になっていることがうかがえる。一方で、SNS上の口コミも店頭に次ぐ情報源となっている。店頭で商品を見つけるだけでなく、SNSで実際の調理例やアレンジ、子どもの反応などを知るといった、店頭とデジタル双方をまたいだ情報収集も一定程度行われている可能性がある。

購入場所はスーパーが中心、生協など宅配も一定数(→ 図12)

冷凍食品を最もよく購入する場所では、「スーパーマーケット」が約63%と最も多く、「ドラッグストア」と「生協(店舗・宅配)」がそれぞれ約13%で続いた(→ 図12)。図11でも店頭が最大の情報源となっていることを踏まえると、冷凍食品は「情報を得る場所」と「実際に購入する場所」が近接している商材であることが特徴といえる。普段の食品や日用品の買い物のなかで商品を知り、そのまま購入につながるケースが多いことがうかがえる。一方で、生協など宅配チャネルも一定割合を占めている。子どもを連れての買い物負担を減らしたい子育て世帯にとっては、商品そのものの利便性だけでなく、「どこで、どれだけ手間なく購入できるか」まで含めた利便性も重要になっている可能性がある。

利用しない理由は「価格が高い」が約43%(→ 図13)

冷凍食品を利用していない層にその理由を尋ねたところ、「価格が高いと感じるから」が約43%と最も多く、「添加物や原材料に不安があるから」が約16%、「栄養面に不安があるから」などが続いた(→ 図13)。利用者側では「調理時間を短縮できる」「忙しい時でもすぐに用意できる」といった利便性が高く評価されている一方、非利用者にとっては、その利便性に対して価格が見合うかどうかが一つの壁となっていることがわかる。また、添加物や原材料、栄養面への不安もみられ、「便利だから使いたい」という価値だけでは利用につながらない層も存在する。特に子育て家庭では、自分だけでなく子どもが口にする食品として選ぶ場面も増える。価格だけでなく、原材料や栄養成分、子どもにも食べさせやすい理由などをわかりやすく伝えることが、冷凍食品への心理的なハードルを下げるうえで重要になると考えられる。

4. 調査項目

  • 冷凍食品の購入・喫食経験
  • 冷凍食品の購入・喫食頻度
  • 冷凍食品への毎月の支出額
  • ライフステージ移行別の毎月の支出額の変化
  • 冷凍食品を主に食べる人(子の年齢別)
  • 冷凍食品を利用する理由
  • 冷凍食品メーカーの認知度/最もよく購入するメーカー
  • 購入することが多い冷凍食品カテゴリー/最も多いカテゴリー
  • 妊娠・出産を経て購入が増えたカテゴリー
  • 冷凍食品を選ぶ際に重視すること/最も重視すること
  • 妊娠・出産を経て以前より重視するようになったこと/最も重視するようになったこと
  • 冷凍食品の情報収集で参考にする情報源/最も参考にする情報源
  • 冷凍食品を購入する場所/最もよく購入する場所
  • 冷凍食品を利用しない理由

※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。

5. おわりに

【導入・浸透フェーズ】冷凍食品は子育て世帯の約87%に浸透した日常商材であり、その利用理由は時間・手間の節約が中核を占める。回答者の約71%が共働き世帯であることを踏まえれば、可処分時間の逼迫を補う手段として冷凍食品が広く定着していることがうかがえる。高い浸透率はリーチの母数として魅力的だが、それ自体は「子育て世帯を狙う意義」を説明しない。意義の核心は、この普遍的な商材が子育ての進行とともに需要を積み上げていく点にある(図1・図2)。

【需要拡大フェーズ】毎月の支出が「増えた」割合は、ライフステージの移行ごとに約26%→約46%→約52%へと段階的に上昇し、子どもが食べる割合も0歳の約10%から2歳以上で約72%へと急伸した。冷凍食品は誰もが買う商材でありながら、子育て世帯でこそ支出が伸び、家族全員の食卓へと広がっていく。プレーヤーにとって、この「増える瞬間」を捉える価値は大きいと考えられる(図5・図6)。

【価値転換フェーズ】妊娠・出産を経て、購入カテゴリーには野菜類や離乳食・幼児食が加わり、選択基準にも子どもの嗜好・安全・栄養といった新たな軸が浮上した。価格と簡便性を土台としつつ、育児を機に評価軸が多様化する。価格以外の価値で差別化する余地が、この時期に開かれる(図8・図10)。

【獲得機会フェーズ】主要ブランドは高い認知を得ながらも最もよく購入するメーカーは3割弱に集約され、認知と実購入の間には大きな差が残る。購買行動が組み替わる子育ての移行期は、この差を埋め、トライアルとブランドスイッチを促す絶好の機会である。子育て世帯を狙う意義は、まさにこの「関係が築き直される瞬間」に接触できる点にあると考えられる(図3)。

コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 村尾、早川)

【グラフ】図1〜図13(全グラフまとめ)

【出典の記載についてのお願い】

調査結果を利用する際は出典を記載してください。
出典:「「子育て世帯における冷凍食品の需要拡大」市場調査2026(株式会社コズレ)」https://cozre.co.jp/blog/21645
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)

この記事の著者

株式会社コズレ 取締役 早川修平の写真

著者: 早川 修平(株式会社コズレ 取締役/MBA)

NTT東日本にて法人営業、マーケティング、経営企画を経験後、慶應義塾大学大学院(在学中、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院へ留学)にてMBAを取得。戦略コンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」にて自動車・金融業界など幅広いクライアント向けにマーケティング戦略立案、ビジネスプロセス改善の支援に従事。

その後、子育て世代向けWebメディア「コズレ」を創業期から運営責任者として牽引し、会員数100万人超のプラットフォームへと成長させる。累計500件以上の子育て世帯を対象とした市場調査を主導し、育児用品メーカーや子育て関連サービス企業向けに、定量・定性データに基づくマーケティング戦略やプロモーション施策を多数提案・実行している。また、子育て世代の購買行動やニーズを踏まえたマーケティング手法に関するセミナーや講演会の講師も務める。

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