1. はじめに
ベビー服は、出産準備の早い段階から検討が始まり、子どもの成長とともに繰り返し購入される、子育て世帯にとって身近な商材である。肌着からロンパース、セパレート服まで種類が多く、サイズや季節に応じた買い替えも頻繁に発生する。しかし、子育て世帯がいつ・どこで・何を重視してベビー服を選び、どのように買い替えているのか、その実態は十分に整理されてこなかった。そこで本調査では、0歳以上の子を持つコズレ会員を対象に、ベビー服の購入実態や選択基準を明らかにした。
本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部である。「4.調査項目」記載のうち、掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
2. 調査
調査主体:コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法:インターネット・リサーチ
調査対象:0歳以上の子を持つママパパ
調査期間:2026年7月25日〜2026年8月31日
有効回答数:430名
3. 結果・考察

📊 本章で言及する全グラフ(図1〜図12)は、記事末尾にまとめて掲載しています。
各小見出しの「→ 図〇」の番号と対応していますので、あわせてご参照ください。
約94%がベビー服を購入、初回の検討・購入は「妊娠後期」に集中(→ 図1・図2)
ベビー服を購入したことがある割合は約94%に達し、0歳以上の子どもを持つ世帯では、ほぼすべてがベビー服の購入を経験していることがわかった(→ 図1)。
初めてベビー服の購入を検討した時期では「妊娠後期」が約61%で最も多く、「妊娠中期」が約26%と続いた。また、実際に初めて購入した時期も「妊娠後期」が約68%と突出しており、検討・購入ともに出産直前の時期へ集中している(→ 図2)。
ベビー服は出産直後から後に必要になる商品であるため、実際の購買行動は出産前から始まっている点が特徴的である。
約53%が「即決」。初回購入は短期間で決まりやすい(→ 図3)
初めてベビー服の購入を検討してから、実際に購入するまでの期間では「即決」が約53%と半数を超え、「数日」が約22%と続いた(→ 図3)。つまり、7割程度が検討開始から比較的短い期間で購入に至っており、ベビー服では長期間比較してから購入するケースよりも、出産準備のタイミングで比較的早く決断する購買行動が中心となっている。特に初めてのベビー服は、出産までに準備する必要があることに加え、肌着など必要となるアイテムもある程度決まっている。そのため、候補の商品を見つけた後に長く迷うというより、価格やデザイン、素材などが条件に合えば、その場で購入するケースが多いと考えられる。購入検討期間が短いからこそ、それまでにブランド認知を確立しておくこと、商品を初めて目にした際に必要な情報がわかりやすく伝わることが重要な商品カテゴリーといえそうだ。
購入タイプは「肌着」「ロンパース」が中心。新生児期の基本アイテムが高い購入率(→ 図4)
購入したことがあるベビー服のタイプでは、「ロンパース肌着」が約81%、「コンビ肌着」が約80%と最も多く、「ロンパース」が約75%、「短肌着」が約73%と続いた(→ 図4)。新生児期から日常的に使用する肌着類や、着替えさせやすいロンパース類が購入の中心となっている。
これらは赤ちゃんの生活に欠かせないだけでなく、洗い替えなどを考えて複数枚必要になる商品でもある。そのため、ベビー服の初期需要は毎日の育児で繰り返し使用する実用的な基本アイテムを揃える需要が中心となっていることがうかがえる。産後直後はそもそも赤ちゃんの外出は推奨されないため、ファッション性の高い外出着の需要は少ないことも影響していると考えられる。出産準備の段階では、「何を何枚用意すればよいか」といった情報と商品選びが密接に結びついていると想定される。
重視するのは「デザイン」「素材・肌触り」「価格」。3つの価値が拮抗(→ 図5)
ベビー服を購入する際に最も重視したことでは、「デザイン」が約27%、「素材・肌触りの良さ」が約27%、「価格が安い」が約24%となり、上位3項目がほぼ同水準となった(→ 図5)。いずれか一つが突出するのではなく、見た目、赤ちゃんへのやさしさ、家計への負担という異なる観点が並んで重視されている。
ベビー服は成長によって短期間でサイズアウトするため価格も無視できない一方、赤ちゃんの肌に直接触れる商品として素材や肌触りも重要になる。また、日常的に目にする衣類であるため、保護者自身が気に入るデザインであることも商品選びを左右していると考えられる。「安ければよい」「機能性が高ければよい」という単一の基準ではなく、デザイン・品質・価格のバランスを見ながら選ばれていることがベビー服の特徴といえる。
最も参考にするのは「店頭」、SNSも約23%と一定の存在感(→ 図6)
ベビー服を購入する際に最も参考にした情報源では、「店頭」が約39%で最も多く、「SNS上の口コミ」が約23%、「友人・知人・家族の口コミ」が約14%と続いた(→ 図6)。
ベビー服ではサイズ感や生地の厚さ、肌触りなど、画面上の情報だけでは判断しにくい要素も多い。そのため、実物を確認できる店頭が最も重要な情報源となっていると考えられる。一方で、約4人に1人がSNS上の口コミを最も参考にしている点も特徴的である。SNSでは着用時のサイズ感やコーディネート、実際に使った保護者の感想など、店頭の商品情報とは異なる情報を得ることができる。「実物を確認する店頭」と「使用イメージを確認するSNS」が、それぞれ異なる役割を担っていることがうかがえる。
約88%が実店舗で購入。ベビー服では“実際に見て選ぶ”行動が主流(→ 図7)
ベビー服の主な購入場所では、「実店舗」が約88%を占め、「インターネットショッピング」の約12%を大きく上回った(→ 図7)。オンラインショッピングが身近になっているなかでも、ベビー服については実店舗で購入する人が圧倒的に多い結果となった。
図6でも「店頭」が最も参考にする情報源となっていることを踏まえると、ベビー服では商品を知るだけでなく、実際に見て、触れて、サイズや素材感を確認したうえで購入する行動が重視されていると考えられる。特に初めてベビー服を購入する場合にはサイズ感や種類の違いがわかりにくいため、商品を比較しながら選べる実店舗の安心感も購入場所の選択に影響している可能性がある。
実店舗では「ベビー用品専門店」が突出。ベビー服をまとめて選べる場所に集中(→ 図8)
実店舗で購入する層について、最もよく利用する場所では「ベビー用品専門店」が約84%と突出して多い結果となった(→ 図8)。その他の店舗を大きく引き離しており、実店舗でのベビー服購入では専門店が中心的な役割を担っている。
ベビー用品専門店では、衣類だけでなく紙おむつや哺乳用品、ベビーカーなど、出産・育児に必要な商品をまとめて確認・購入できる。特に妊娠後期から出産直後は複数のベビー用品を揃える時期でもあり、ベビー服単体ではなく「出産準備・育児用品の買い物」の一部として購入されていることが、専門店への集中につながっている可能性がある。
ネット購入では「Amazon・楽天市場などのEC」が中心(→ 図9)
インターネットショッピングを利用する層では、最もよく購入する場所として「EC(Amazon・楽天市場など)」が約45%で最も多く、「ブランド・メーカー公式オンラインショップ」が約26%、「フリマアプリ・サイト」が約17%と続いた(→ 図9)。
実店舗が購入場所の中心である一方、オンラインを利用する層では、特定ブランドのサイトだけでなく、複数の商品や価格を比較しやすい総合ECが選ばれている。ベビー服はサイズアウトが早く、追加購入も発生しやすいため、一度商品のサイズや特徴を把握した後には、手軽に購入できるオンラインの利便性が生きる場面も考えられる。実店舗とオンラインは競合するだけではなく、初回購入や実物確認と、その後の追加購入などで使い分けられている可能性も示唆される。
買い替えは「季節の変わり目」「サイズアウト」が約8割。購入機会が繰り返し発生(→ 図10)
ベビー服を買い替えたり追加購入したりするタイミングでは、「季節が変わるとき」が約79%、「子どもの成長によりサイズが合わなくなったとき」が約78%と、この2項目が突出した(→ 図10)。
乳幼児期は身体の成長が早く、まだ着られる状態であってもサイズが合わなくなることがある。また、春夏・秋冬では必要な素材や袖丈なども変化するため、季節の切り替わりも新たな購入を生みやすい。つまり、ベビー服は一度購入すれば終わる商品ではなく、「成長」と「季節」という2つの変化によって継続的に買い替え需要が発生するカテゴリーであることがわかる。購入時期を予測しやすい点も、ベビー服市場の特徴といえる。
知りたい情報は「サイズの選び方」「季節に合った選び方」(→ 図11)
ベビー服について知りたい情報では、「季節や気温に合った服の選び方」が約63%、「サイズの選び方・目安」が約62%と、ともに6割を超え、「ベビー服の種類や用途の違い」も約47%と上位となった(→ 図11)。
特に初めて子育てをする家庭では、「何cmを買えばどのくらい着られるのか」「この時期には何を着せればよいのか」「短肌着とコンビ肌着はどう違うのか」といった、購入以前の基本的な疑問も生じやすい。図10でサイズアウトと季節の変化が主要な買い替えタイミングとなっていることからも、保護者が知りたいのは商品情報だけではなく、子どもの成長や季節に合わせた“失敗しない選び方”であることがうかがえる。こうした情報は、購入時の迷いや不安を減らすうえでも重要な役割を持つと考えられる。
未購入の理由は「おさがりの服で足りているため」が約半数(→ 図12)
ベビー服を購入したことがない層にその理由を尋ねたところ、「おさがりの服で足りているため」が約48%で最も多く、「家族や知人から新品の服をもらい、足りているため」が約28%と続いた(→ 図12)。
0歳以上では、ベビー服が不要なのではなく、家族や知人から譲り受けた衣類によって必要量がすでに満たされているケースが多いことがわかる。ベビー服は使用できる期間が比較的短いことから、まだ状態のよい衣類が家族や友人の間で受け継がれやすいカテゴリーでもある。ベビー服では新品商品の購入だけでなく、おさがりやギフトなども子どもの衣類を確保する重要な経路となっており、こうした周囲からの供給も新品購入の有無を左右していることがわかる。
4. 調査項目
- ベビー服の購入経験
- 初めて購入を検討した時期/初めて購入した時期
- 検討から購入までの期間
- 購入したことがあるベビー服のタイプ
- 購入する際に重視したこと/最も重視したこと
- 購入する際に参考にした情報源/最も参考にした情報源
- ベビー服の主な購入場所
- 購入したことがある実店舗/最もよく購入する実店舗
- 購入したことがあるネットショップ/最もよく購入するネットショップ
- 1着あたりの平均購入価格
- 1回の買い物で購入する点数
- 購入する頻度
- 買い替え・追加購入のタイミング
- 最初と異なるブランドの購入経験/ブランドを変えた理由
- ベビー服を購入したことがない理由
- ベビー服の購入で知りたい情報
※本ブログにおいて掲載しているデータは調査の一部。掲載していないデータについては、プロモーション等のご提案の過程でお伝えをしていくので、お問合せいただきたい。
5. おわりに
【購入のタイミング】ベビー服の購入は妊娠後期に検討・購入のピークを迎え、約50%が即決で購入している。妊娠後期という購入意欲が高まる時期に、いかに接点を持つかが重要となる(図1〜図3)。
【選び方と購入場所】購入の中心は肌着・ロンパース類で、選択時にはデザイン・素材・価格が拮抗して重視される。購入場所は実店舗、とりわけベビー用品専門店が約87%と突出しており、手に取って選ぶ購買が主流である。情報源も店頭が中心だが、SNSの口コミも一定の影響を持つ(図4〜図9)。
【買い替え】サイズが合わなくなる成長や季節の変わり目が買い替えを生み、繰り返しの購入につながっている。(図10)
【情報ニーズと未購入の背景】購入者はサイズの選び方や季節対応の情報を強く求めており、こうしたガイドは購入の不安解消につながる。一方、未購入の理由は「おさがりで足りている」が約半数を占めた(図13・図14)。
コズレ子育てマーケティング研究所では、こうした妊娠中のママや子育て中ママのリアルな声をお伝えすると共に、市場動向を明らかにしていきます。
本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。
(コズレ子育てマーケティング研究所 村尾、早川)
【グラフ】図1〜図12(全グラフまとめ)

【出典の記載についてのお願い】
調査結果を利用する際は出典を記載してください。
出典:「「ベビー服」市場調査2026(株式会社コズレ)」https://cozre.co.jp/blog/21819
(コズレ子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)
(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)



