調査レポート

物価上昇に伴い、家計はどう変化するのか ~子育て世帯における支出・物価に対する意識調査~

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子育て世帯,家計

1.はじめに

ガソリン、電気代など値上げが相次ぐなか、とりわけ食料品の値上げが著しい。6月から日清食品が即席めんを値上げしたが、7月には山崎製パンが1月の値上げ以来半年で再び値上げする、値上げの流れは加速するばかりである。

総務省が発表した5月分の「消費者物価指数(総合指数)」は、前年同月比2.5%増(※)となっている。「消費者物価指数」は物価の変動を把握する指標のひとつであり、本来は景気が良くなると消費が増え物価は上昇し、景気が悪くなると消費が冷え込み物価は下降するが、現在の実感としては「景気が良くないのに、物価が上昇」している。

このような状況下、子育て世帯は支出・物価に対してどのような意識をもっているのか調査した。

2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)5月分(2022年6月24日総務省公表)

2.調査

調査主体:子育てマーケティング研究所

調査方法:インターネット・リサーチ

調査対象:妊娠中および0~1歳のお子さまをもつ女性

調査期間:2022年5月25日(水)~2022年6月6日(月)

有効回答数:1,042名

3.結果・考察

(1)子育て世帯の8割が、物価が上昇していると実感

ここ最近、物価の上昇がニュースなどでも大きく話題になっているが、子育て世帯はどのように感じているのだろうか。まず初めに、「1年前と比べて、身近な商品・サービスの提供価格(物価)がどう変わったと感じているか」を聞いた。結果、約8割が「物価があがった」と実感していることがわかった(図1)。非常に多くの子育て中ママが、普段の日常生活において、物価が上昇していると実感していることがわかる。

 

(図1)1年前と比べて、身近な商品・サービスの提供価格(物価)がどう変わったと感じるか

(SA;n=1,042)

1年前と比べて、身近な商品・サービスの提供価格(物価)がどう変わったと感じるか

(2)1年前に比べ、子育て世帯の6割で支出が増えている

次いで、「現在と1年前の同時期をくらべて、支出(出費)がどう変わったか」を聞いたところ、約6割の世帯が「支出(出費)が増えた」と回答した(図2)。

 

(図2)現在と1年前の同時期をくらべて、世帯の支出(出費)がどう変わったか

(SA; n=1,042)

現在と1年前の同時期をくらべて、世帯の支出(出費)がどう変わったか

(3)子育て世帯の4割超が家計にゆとりがなくなってきている

さらに「現在と1年前の同時期をくらべて、あなたの暮らし向き(家計の状態)はどう変わったか」を聞いたところ、4割超が「ゆとりがなくなってきた」ことがわかった(図3)また、「ゆとりがなくなってきた」と回答した被験者(n=460)にその理由を聞いたところ、「自身の収入が減ったから(59.35%)」に次いで「生活関連の物やサービスの値段が上がったから(36.74%)」が挙げられた。子育て世帯には、物価の上昇が家計をひっ迫している一因であることがうかがえる。

 

(図3)現在と1年前の同時期をくらべて、暮らし向き(家計の状態)はどう変わったか

(SA;n=1,042)

現在と1年前の同時期をくらべて、世帯の支出(出費)がどう変わったか

 

身近な商品・サービスの提供価格(物価)の上昇について思うことを「1年前と比べ、物価が上がったと回答したママ(FA; n=834)に聞いたところ、この状況を「妥協・許容する意見」と「悲観する意見」がおもに挙がった。このことから、「仕方ない」と感じているものの、子育て世帯の家計はダメージを受けていることがわかる。

 

【妥協・許容する意見】

・食材などで、10円単位で地味に値上がりしたなぁと感じるものが多い気がします。仕方ないか…と思って買うか、たまに諦めたりします。

・商品の品質やサービスが低下するよりは若干の値上げは仕方がないと思う。

・コロナや戦争により世界規模での影響があるため仕方の無いことだと言い聞かせつつも、正直生活面含めて厳しいと思うし、何より子どもが成長していく中であまり不自由にはさせたくないと強く思うようになった。

子どもに食べさせるものは安さよりも安全性や栄養価の高さで選びたいので、そう簡単に安いものには変えられない。身近なところで値上がりが続くと困ってしまう。

・何を買うにも高くなっているので、買い物価格をおさえられるものはリサイクルショップなども利用しておさえていきたいと思う。

 

【悲観する意見】

新しく家族も増えたため価格の上昇は大きな負担になっている。

・出産を機にパートを退職し、夫の稼ぎのみでの生活になりましたが、子どもにかかる費用が増えたため、家計が苦しくなっています。まだ育児に専念したいところですが、働くことも検討せざるを得ません

・子どもの教育費を貯めたいため、物価の上昇は先を見通した時に負担に感じる

・コロナ禍ですべてのものの価格が上がった気がする。特に野菜の物価があがってしまって毎日レシピを考えるのが大変

・食費があがるのは地味に辛くともみんな平等なので許容できますが、オムツの値上げは辛いです。

給料が上がらないのに物価ばかりあがっていやになる。

 

また、家計を抑えるために、気を付けていることや工夫していることを「1年前と比べ、物価が上がったと回答したママ(FA; n=834)に聞いたところ、より「お得に購入できるところ」を探し、お下がりなど使えるものを最大限に活用していることがわかった。

 

【お得に購入】

おむつは1枚当たりの価格を算出し、粉ミルクもとにかく安い所でまとめて買う

・なるべく子どもには我慢させたくない為、できる限り日用品はまとめ売りを狙い買い込んでおき、食事は代用が効くものをなるべくさがす

・週末にまとめ買い、おむつやおしりふき等消耗品は楽天スーパーセールなど狙って箱買いをする

・おむつ、おしりふき、ミルクはドラッグストアのポイント倍デーと子育てカードが使える日に買ってポイントをざくざく貯める

ふるさと納税などをつかう。ネットでポイントがつくときに買う。

・フリマアプリで不要品を売り、その売上で買うようになった。

 

【必要なものだけを購入】

・生協を活用し、時間をかけて考えて衝動的な買い物を減らしている

・手に取ったときにもう一度必要なものかどうか考えて購入を決定する。

・買い物は週1でリストに書いたものしか買わない。外出時はマイ水筒を持つ。

・外食やデリバリーはしない。

・惣菜を買わなくなった。

・オムツは極力安くてたくさん入っているものを買い、子ども服も安いやつを購入したり知人からもらったりしている。

・ベビーカー、ベビー布団、チャイルドシート、抱っこ紐、ベビー服などお下がりで貰える物は全て使う予定です。

下の子は上の子のお下がりだけで、ほぼ服やおもちゃは買ってあげていません。

・子ども服は友だちや姉の子どものお下がりを貰うようにしている。

(4)ママ自身の支出を抑え、家族の食事、子どもに関するものにはお金をかけたい

また、「身近な商品・サービスの提供価格(物価)が上昇したとしても、お金をかけたいところ」を上位3つまで選択してもらった。その結果「家庭での食事(60.08%)」が最も高く、次いで「育児用品(消耗品)(44.34%)」「その他の育児用品(服・おもちゃなど)(36.56%)」が続いたほか、「子どもの教育費・習い事(26.49%)」も上位に挙がった(図4)。

一方、「家計を切り詰めるとなったら、まずどこから支出(出費)を抑えるか」上位3つまで選択してもらったところ、「自身の衣服・美容(50.86%)」が半数を超え、次いで「外食・惣菜・フードデリバリー(49.14%)」「自身の趣味・交際費(32.44%)」「アルコール飲料(31.00%)」と続いた。興味深い点としては、「子どもの教育費・習い事」を切り詰めるという回答がわずか0.96%しかなかったことである。

このことから、「ママ自身に関する支出」を抑える一方、「家庭での食事」や「子どもに関するもの」にはお金をかけたいというママたちの姿がみえる。

 

(図4)身近な商品・サービスの提供価格(物価)が上昇したとしても、お金をかけたいこと

家計を切り詰めるとなったら、出費を抑えたいこと(上位3つまで;n=1,042)

身近な商品・サービスの提供価格(物価)が上昇したとしても、お金をかけたいこと 家計を切り詰めるとなったら、出費を抑えたいこと

4.おわりに

乳幼児期の子どもは、授乳期から離乳食期、オムツからトイトレ、ハイハイからつかまり立ち・歩きはじめへ、と日々すくすくと成長し、それに伴い生活スタイルも目まぐるしく変化する。そのため子育て世帯では「育児用品や教育費などの子どもに関する支出」が増え、どうしても「ママのための支出よりも、子どものための支出」を優先することになるのだろう。

こうしたなか、ベビー用品店の西松屋では、プライベートブランド商品として、毎日着るのに「ちょうどいいふく」ELFINDOLL(エルフィンドール)と、安全と機能性をトコトン追求した、高品質な製品をお求めやすい「それいい値」で届けるSmartAngel(スマートエンジェル)を展開(https://www.24028.jp/)している。

また、スーパーマーケットのライフコーポレーションでは、従来のプライベートブランド「スマイルライフ」に加え、おいしさを追求した「ライフプレミアム」、自然の恵みをいかしたオーガニック食品や健康にこだわった体にやさしい商品「BIO-RAL」、お客様のより良い生活のためにライフとヤオコーが共同開発した「スターセレクト」の4つのプライベートブランドを展開(http://www.lifecorp.jp/pb/)しており、消費者自身が求める「品質」や「安全性」に合ったブランドを選べるようになっている。

企業には、値上げだけでなく同時に「子どものため」を思うママたちを納得させるメッセージの伝え方が、より求められてくるだろう。

(子育てマーケティング研究所 惣宇利)

 

【出典の記載についてのお願い】

調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。

 

出典:「子育て世帯における支出・物価に対する意識調査(株式会社コズレ)」

https://cozre.co.jp/blog/8175

(子育てマーケティング研究所 http://www.cozre.co.jp/blog/)

(cozre[コズレ]マガジン http://feature.cozre.jp/)

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